市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

一人の名古屋市民が「地域委員会制度」「減税日本」に対する疑問をまとめるサイトです。(since 2011/3/3)

政治家は事実を見なければならない

 たまたまアル情報を探っていたらこんなページにぶつかった。

 吉田寛 | 幸福実現党 小島一郎 オフィシャルサイト

 非常に面白い。
 当ブログでも徹底的に検証させていただいた、千葉商科大学吉田寛さん

 2014-05-18 過てる財政論
 2014-05-21 証明とは

 と、幸福実現党が河村名古屋市長の「南京発言問題」について語るというのだ。

 2014-06-17 南京事件に対する法的に認定された事実、客観的事実
 2015-01-31 ヴァイツゼッカー氏逝去

 放送では「歴史を知らない政治家が国を亡ぼす」と言っているが、確かにその通りで、「大日本帝国」という国が滅びた事を知らない者が政治を語るの図に頭蓋骨の中が痒くなる気がします。

 先の大戦での日本の侵略というのは明白な事実で、確かに五族共栄のテーマに準じて、植民地支配に成功した事例もあった(近頃公開された映画「KANO」はその一例だろう)

KANO ―カノ―: 1931 海の向こうの甲子園

KANO ―カノ―: 1931 海の向こうの甲子園

 しかし、失敗をした例もあった、というよりもその方が多い。そしてなにより、こうした対外的な拡大政策は自身の国(大日本帝国)を亡ぼしたのだ。

 日本はアジアを制覇し、多大な被害をもたらした。それは厳然たる歴史的事実だ。しかし、それをもって日本人は日本という国家を「誇りに持てない」と思うのだろうか?

 私はそうは思わない。過去は変えられないのであり、それは受け入れる以外にない。それを受け入れて、なお、現在の日本がアジアから、世界から必要とされる国であるのなら、幾らでも日本であり、日本人である事を誇っていいだろう。

追記:「アジアの独立を助けた」なんて詭弁を使うより、こういった当たり前の公共性を大切にする社会が「日本」や「日本人」を世界から見直させるのではないのだろうか。
 あらゆる落し物が戻ってくる国・日本 “地球最後の文明社会”と海外が感嘆 | NewSphere
 とすると、こういった「正直さ」からほど遠い「歴史修正主義者」の存在は、日本や日本人の評価を貶めているのではないのか。

 逆に、(30万人は多いにしても)逸脱行為によって、少なからぬ人々(偕行社の見解に準ずるのであれば1万3千人から3千人)を死に至らしめたのであって、これは明らかに戦争犯罪であり、「虐殺事件」と呼ばれても致し方が無いだろう。

 こうした歴史的事実を「30万人ではなかったのだから、虐殺でもなければ事件でもない」という人間に共感などできないし、そんな態度にこそ誇りは持てない。やはり偕行社のように「旧日本軍の縁につながる者として、中国人民に深く詫びるしかない。まことに相すまぬ、むごいことであった」と歴史に、事実に真摯に向き合い、人間としての心を現す者に共感ができる。

 この放送に出てくる吉田さん、幸福実現党の面々、そして河村名古屋市長には決定的な誤りがあると指摘せざるを得ない。

 先日亡くなったヴァイツゼッカー元大統領の警句「問題は過去を克服することではありません。さようなことができるわけはありません。後になって過去を変えたり、起こらなかったことにするわけにはまいりません。しかし過去に目を閉ざす者は結局のところ現在にも盲目となります。非人間的な行為を心に刻もうとしない者は、またそうした危険に陥りやすいのです」は、彼等には届かないのだろうか。


 こうやってみると、本当に河村名古屋市長には未解決の問題が多い。その上、まだ問題を作ろうというのだから困ったものだ。

 昨日取り上げたSL運行の問題はまだまだ尾を引きそうだ。


 さて、そういった残った問題など、統一地方選挙の前に各会派を横断的に、話を聞けるチャンスというのはあまりない。特定の政党や候補予定者が会合を開く事はあるだろうが、複数の政党が一堂に会する機会というのはあまりないだろう。
 
 その機会が2月28日に名東区で行われる。

 引退された冨田元市議などが呼びかけて、この四年間で9回にわたって実施されたのがこの「市議会報告会」で、活発な意見交換も行われる。


 それにしても、市議とはなんだろうか。
 市議会というのはなんの為にあるのか。

 色々と考えさせられる4年間だった気がする。


 名古屋市内で市政の話をすると(別に、私がこういったブログを主催しているなどと話さなくても)河村市政に対する批判を聞く機会は増えたし、減税日本の市議に対しては「全然ダメ」という声も聴く。

 これはある意味では間違っているのではとも思う。

 前回のリコール運動で、名古屋市議会は事実とは言えないような宣伝によって議会解散をさせられた。市議は市民に情報提供をしようと一所懸命であるにも関わらず、市民はそういった情報に見向きもしない。つまり、パンフレットを作ってポスティングしてもそのままゴミ箱に捨てられる、街頭で配っても捨てられる、そもそも受け取ってもらえない。
 議会報告会や懇談会を開いても参加してくれる人はほんの少数(そもそも支援者)。
 インターネットで情報提供してもやはりアクセスする人は少数だ。

 それでいて「仕事が見えない」「市民に開かれていない」「市議は何もやっていない」と言われる。

 中々難しい。

 今「減税は全然ダメ」と言われるのは、例えば「減税政策はダメ」というのは理解できる。この政策はインフレ時(過剰流動性の時)であれば有効だが、今のようなデフレ下では無効だ。

 しかし、「減税の市議は全然ダメ」というのは個々の活動、行動を見ていないだけなのではないだろうかという気がする。確かに「ダメ」な議員は多いが「何とかなる」レベルのヒトは・・・・う〜ん、どうなんだろうか?


 地方議員の仕事というのは中々目につかない。(というか、市民が見ていない。見ていなくても問題が起きないという事が貴重なんでしょうけど)
 その為に、地方議員は仕事をしていない、地方議員など要らないというような議論が起こるが、暴論だ。

 そもそも地方議員の議席というものはそこに当選した議員の所有物ではない。この選出区の住民のモノであって、その議席数が減らされるという事は選出区の住民の発言権が減らされるということになる。また、議席が減らされれば一般的には少数派、マイノリティと言われる人々の議席が奪われるだけだ。


 これは、名古屋市会よりも、愛知県議会の方が例を出しやすい。
 愛知県議会において、名古屋市選出の県議会議員は何をやっているのか。という意見があるらしい。名古屋市選出の県議会議員は、県の事業のほとんどが政令指定都市の名古屋が肩代わりしてしまっている為に、事業に直接アクセスすることが少ない。主には県営の学校(高校)と、警察行政だけになるそうだ。
 だからといって名古屋市選出の議員を県会から無くせとか、名古屋市会から代表者を県会に送るというような意見は極端に過ぎる。

 そして、それは県議会議員議席、職を奪うように見えて、選出区の住民の発言権を奪っているだけになる。

 また、現在愛知県議会には共産党議席が無い。ある自民党の有力者は「愛知県議会(の自民党)に緊張感がないのは、健全な野党が存在しないせいだ」と語った。必要以上に議席を少なくすることは弊害を生む。

 名古屋市会の法定数(今は制度的には法定数はないが)は88だ。

 それが75議席まで削られている。(くどいようだが、削られているのは住民の発言権だ)これをこれ以上削ったところで、さして財政的にもメリットはないし、議会の機能を損ねるだけだ。

 最近の生物学の知見に「アリやハチもその1割は働かない」という報告がある。

 面白いのは、こういった集団から全く働かない1割を排除してしまうと、それまでグズグズでも働いていたものが全く働かなくなり、やがて同じような比率に落ち着くという傾向があるらしい。これは集団の多様性と環境変化への対応という戦略の結果、一定の個体は通常環境では働かない/働けなくなっている、そしてその方が種、集団としては生存可能性が高いのだ。逆に、同じような性質を持った個体ばかりで集団を形成すると、同じ過ちに陥る可能性が高く、その集団は突然絶滅する。(これなんか、大日本帝国の亡国にも言えそうな話で、その為にも、国家や社会でも排外的な議論は誤りだと言えそうなんですけどね)


 地方議会でもそのような気がしますね。確かに名古屋市会の75名の議員。すべてが全て市議にふさわしいか疑問はある。だからといって、その中で働いていない1割を排除してしまうと、残った中の1割が同じように働かなくなりそうな気がする。

 更にいうと、前回の選挙。リコールを受け、出直し選挙で少なくない現職市議が議席を失った。この失職した議員の中にも生き残った議員より良いだろうと思われるヒトも居た。
(そして、その良質な議員の一人は、明確に本年の統一地方選挙における出馬を否定した、その方の言によると「有権者に対する不信感がぬぐえない」そうだ。つまり、議員から市民に対してリコールがかかってしまったのだ)

 さて、そんな一般論だけで終わっても面白くないのでここで事実の例示をしましょう。

 これは減税日本、北区選出の園田晴夫市議の前回の選挙における公報だ。
 現在は減税日本ゴヤを離れて「北無所属の会」の代表となっている。

 さて、この人物。いわゆる3大公約以外には「市議定数半減」を公約として掲げて市議となった。「現定数75人の半減を目指して、頑張ります」ということだ。
 (奇しくも、減税日本28の議席半減を目指して、離脱したようなものだけど)

 この議席減が「政策」として成立していない事は滔々と述べたのだが、それでも政治的確信として議席半減を目指されるのならそれも良いだろう。さて、

 http://www.gijiroku.jp/gikai/c_nagoya/index.html

 名古屋市会の本会議、各委員会の発言は全てここで検索できる。
 ここに「園田晴夫」と入力すると、議事録に残った園田市議の名前が全て表示される。

 驚く事に、この方、委員会で何にも話していない。まったく発言していない。
 本会議で発言したのは2回だけ。

 平成24年6月25日の本会議における個人質問と平成25年6月24日の本会議における議事進行発言だけだ。(こんな御仁でも減税日本ゴヤは「団長」として選出していたわけです)その議事進行発言は、その後不適切と判断され発言自体議事録から削除されている。
  そして、平成24年6月25日の個人質問で取り上げられた話題は公約である「議員定数の話」ではない。

 つまり、この人物は議員定数について議会で一度も発言していないわけだ。

 なんだろう。*1

 私が園田市議について知っている事といえば、中区のボートピア問題で、建設推進の署名集めをしていたり、会期でもないのに東庁舎に毎日のように「出勤」してきては控室のFAXやコピー機、電話を使って何やら相談をしている姿だけだ。(なにやら不動産物件のFAXが送られてくることもあったらしい)

 まあ、確かに「多様性」の為には全員が全員、働けば良いというものではないかもしれない。しかし、こういう風に言っている事とやっている事が異なる議員が居るのは良い事なんだろうか?

 また、こうした議員に半額とはいえ、800万×4年で3200万円の議員報酬は適切なんだろうか。議員報酬半減でもまだ高くついてはいないだろうか。つまりは、安物買いの銭失いになっていないか?

 こういった議員を大量に生み出し、教育もしなかった減税日本・河村代表の責任も合わせて指摘しておきたい。



吉田せんせ〜の話題のおかげで構成が崩れて、本文に入れられなかったデータ。

緑区-大府市比較

大府市基礎データ

人口 89,124人
男性 45,596人
女性 43,528人
世帯数36,506世帯
面積 33.68 km²
[2015年1月末現在]

議会構成ー議員定数
平成23年4月 法定数 30人 (以降、法改正により法定数はない)
平成25年5月 議席数 21人


緑区

緑区基礎データ
人口 235,631人
男性 116,100人
女性 119,531人
世帯数91,162世帯
面積 37.84km²

議員定数 7人

政令指定都市の議員数はこのように「高効率」です。
こんな事実があるにも関わらず、これ以上「議員定数を減らす」というような政策(?)を訴える候補者は名古屋市政、政令指定都市の現状を知らないか、単なるポピュリズムに阿っているにすぎません。そんな候補には投票しない方が良い。

#859091


*1:と、抑えた表現していますが、正直罵倒したい気持ちでいっぱいですよ