市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

一人の名古屋市民が「地域委員会制度」「減税日本」に対する疑問をまとめるサイトです。(since 2011/3/3)

中日新聞は談合政治を推奨するのか

名古屋市市会議員選挙明けの4月8日中日新聞に「市政前進に対話重ねよ」という社説が載った。

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4月8日 中日新聞 社説

確かに名古屋市政の歩みはのろい。というよりも、自動運動している部分以外何も動いていない。これはよく言われるように、名古屋市にグランドデザインが無い*1からだ。その為に、「国際展示場」を愛知県に取られようとしているし*2、市内の1000人規模ホールが足りず、各小中学校に至るまで、学芸会程度のイベントでさえ、市外のホールを借り、父兄がバスを仕立てて移動するという事態にまで至っている。

こうしたアセット・マネジメントの貧困は、芸能活動の名古屋飛ばしとして現れている。*3
昨年ブレークした米津玄師がライブツアーを行っていたが、名古屋はおろか東海地方レベルで開催はされなかった。

米津玄師 2019 TOUR / 脊椎がオパールになる頃 | 米津玄師 official site「REISSUE RECORDS」

市政に問題があり、対話が足りていない事には異論が無いが、その原因はどこにあるのか?
この社説はその事実を歪めている。

笑止千万な事にこの社説は最後に「市議会基本条例」を持ちだしているが、その基本条例に謳われているにも関わらず、実施されていない議会報告会についてはどう考えるのだろうか?

名古屋市議会基本条例

議会報告会こそが「対話を重ねる機会」なのではないのか?
それを拒んでいるのは誰だ?

そして、それを市民に伝えていない、伝えるべき義務を果たしていないのはいったい誰なのか?

結果として、名古屋市民から、適切な市政へのとの対話のチャンスを奪っているのは中日新聞そのものなのではないのか?

自分だけが、市長と市長室で「対話」する機会を図りたいがために、こうした歪んだ報道を続けるとすれば、それはあまりに異常ではないのだろうか?


議席減についての受け止め方も偏頗だ。
議席減と聞いて「身を切る改革」という言葉を使っているが、意味を判って使っているのだろうか?
それよりも、特定政党の議席減という偏った効果になった事に対しての危惧や批判は無いのだろうか。

または、少なくとも。議席減の効果はマイノリティの意見を吸い上げる機会を失わせているのではないのかという考察にはつながらないのか?当ブログでは過去に日進市名東区の議員数を比較した。名古屋市において議員定数の削減など本当に必要な政策なのか?「市政前進に対話重ねよ」というのであれば、こうした考察こそ必要なのではないのか?

そもそも名古屋市会の議員は少なすぎる。
日進市の面積は約35平方キロで人口は9万人だ。この日進市議会の議員数は20名。
それに接する名東区の面積は約19.5平方キロで人口は16万5千人、名東区選出の市会議員は5人だ。日進市は約4,500人に一人の市議がいる。名東区には33,000人に一人の割合となる。(さらにその中に働きが見えない者がいると来ている)どちらの住人がより地方自治から排除されているだろうか。どちらの住人が議会に近いのだろうか?

減税日本の嘘 河村たかしの嘘 佐藤夕子の嘘 余語さやかの嘘 - 市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

今回の市会議員選挙の投票率は低かった。これは意図したもののように思えるが、中日新聞社説子の考えは違うようだ。

さらに、最低の投票率は「選良」の名が泣くような議員や議会への、市民の失望感の現れと厳しく受け止めるべきだ。

私は、ここに浅井"ブロック塀"康正元減税日本ゴヤ団長の話題が来るのかと思ったが、違った。

選挙前の三月、夜の会合で暴言やセクハラまがいの発言をした市議がいたことが明らかとなった。
議会は説明責任を果たしておらず、実態は不明のままだ。

・・・ワイドショー脳とでも言うのか。
昨今、巨大ブロック紙の社説でもこの程度であるから、ワイドショーもバカの見本市になるし、ニュースもタレントの街歩きとグルメ情報だらけになるわけだ。

まず、この件について「議会は説明責任を果た」す必要はない。なぜなら、議員同士の私的な場での出来事であるからだ。
議会や市が設けた公的な場での乱交であるなら、調査も必要だろうし説明責任も必要だろう。しかしそうではない。

(そういえば、名古屋市使節団が訪れた海外の公的な場で、ワインを飲み過ぎて礼を失った市長が居るようだが、そうした事例を中日新聞は報じたのだろうか?報道する責任は果たしたのだろうか?)

また、田山市議が藤田市議を刑事告発し、民事提訴も行っている状態では、説明責任は果たしきれない。なぜなら刑事訴追の可能性が有る状態で迂闊な事は言えないからだ。しかし、現在公表されている事実だけを捉えると、私は100%刑事訴追、書類送検は無いと考える。(その為の重要な条件が2つ、明白に欠落している)また、刑事訴追、書類送検がされなかった場合、同時に行われた民事訴訟も効力を失う。それだけではなく藤田市議の評判を落とす事を目的とした刑事告発や民事提訴は「虚偽告訴等罪(昔でいう「誣告罪」):刑法172条」を構成する。藤田市議の立候補している選挙区に、減税日本の候補が居たという事実があり、こうした利害関係を踏まえたうえで警察は刑事告発への対応を考えるだろう。日本の警察はバカではない。

さらに「セクハラまがいの発言」については関係者自身否定しているのではないのか?

不明瞭であやふやな事実を元に考察を積み上げても意味はないだろう。それとも名古屋市の市長室に居ると、こうした常識も見えなくなるのだろうか?あそこはバカを生みだすガスでも溢れているのか?


ひょっとすると、その浅井"ブロック塀"康正元減税日本ゴヤ団長への対応を

議会でも「減税たたき」の泥仕合のような政争が目立ったことが、有権者が政治に参加する意欲をそいだ面はないか。

とでも看做すのだろうか?

しかし、これは「減税たたき」という批判は容れられない。なぜなら浅井"ブロック塀"康正市議に対する批判決議は名古屋市会全会一致の物であって、そこには減税日本ゴヤも含まれているからだ。

失われた名古屋市会の信頼を回復させるため浅井康正議員に対し猛省を求める決議

または、佐藤あつし元市議が市議の議席を任期満了間際で投げ出した事を言っているのだろうか?
佐藤あつし市議は亡くなった高橋圭三前市議の遺志を継ぐと言っていたにもかかわらず、その遺志も投げ捨てて辞職したのだが、その説明責任も果たされていない。

この経緯も「減税たたき」となるのだろうか?
またはそれ以降の田山幹事長の対応に対する批判も「減税たたき」となるのだろうか?

プライベートな時間に、酒を飲んでの発言を隠し撮りまでされて批判されるのであるなら、議員に対する批判は無制限に許されるべきなのか?(本当にバカバカしい議論だ/親切に言っておくと、公人であっても批判される言動は公的なものに限られるだろうし、「言動」であるべきだろう)

あるヒトが「減税日本ゴヤの議員は1期目の人間が多いんだから」と言っていたのを受けて、別の方がこういった。
「議員に1期も2期もない、報酬も同じなら権限も同じだ。最初から働ける人間が立候補によって選ばれるのが議会なのだから、経験が少ないからなんて言い訳は成立しない。ましてや市長与党であれば、市長である代表が教育してしかるべきであるにも関わらず、これだけ問題が多発するのは、代表にも責任がある」

中日新聞の市政記者、またはこの社説子は名古屋市長室のバカの空気を吸い過ぎている。
何が「減税たたき」だろうか。

戦争とは政治の一形態であるからには、政治とは文化的な戦争だ。
社会的リソースの再配分について、真剣に討議する場が議会であり、
討議を代理するのが議員だ。彼等はコロシアムにおける剣闘士なのだ。

「減税たたき」が行われるのであれば「自民党たたき」「公明党たたき」「新政あいちたたき」「共産党たたき」を相互に行うべきだ。自身が叩かれるのが嫌だからと、相互批判を止めるという、この構図こそ「談合」と言うのではないのか!

中日新聞はいつから「談合」や「密室政治」を推奨するようになったのか。
というか、自身が密室である市長室に居るからそういう感覚になるんだよ!タコ!
(了)

蛇足:
当ブログも議会も、不当な減税日本批判、河村市長批判は行っていない。あるなら指摘してみよ!
この社説に取り上げられたような、私的時間の模様を隠し撮りし、それを切り張りしたような批判こそ「泥仕合」というのではないのか!

恥を知れ!



今回の「32.87%という過去最低の投票率

私はこれは意図して行われたものであると考えている。
その大きな原因は75議席から68議席議席が減員された事だ。

こうした場合議席を持っている現職は議論を起こしたくない。特に自民党公明党といった固定票を持っている所は波乱が無いまま選挙が終われば議席は安泰だ。戦略的に議論を喚起しなくなる。(公明党が立候補者を1名絞ったのもそうした危機感の表れであり、前回幾つかの選挙区に新人を立て、二人候補とした自民党が、現職だけに絞ったのもこうした傾向の結果だろう。ただ、個別に選挙区事情はあり、少しの事でこの結果は異なっていた可能性もある。また、そうは言っても自民党の中にも減員によって煽りを食うヒトも出てくる。そこには私の胸を打つ物語もあるが、それは稿を改める)

「市議報酬半減」や「名古屋城の木造化が争点にならない」という理由の半分は、現職議員のこうした意向が反映されたものだろう。


中日新聞の言う「有権者の心に届くような熱のこもった論戦が少なかったことの証左」というのは、私の考えは違う。
市議報酬議論で熱のこもった議論が起きないのは、市議報酬半減の根拠が示されないからだ。

「意味無いじゃないか」「市長の信念だから」を延々100回繰り返しても熱のこもった議論になるわけがない。

また、名古屋城木造化にしても、議論の対象はある。「そもそも現在の天守建物を破壊していいのか?」
何度も私も訴えてきた当然の疑問ではないのか?

答えないのは誰か?

あ゛?

中日新聞よ、ふざけるな!

君たちが、こうした当然の疑問から市民の目をそらし、行うべき議論を回避させてきたのではないのか?


さて、自民党公明党については上で述べたとおりだ。

今回、開票の前に自民党の第一党陥落を予想したヒトが居た。

立憲民主+国民民主の「新政あいち」が議席を伸ばし、併せて第一党を取れれば、それも両党の接着剤になるのではと期待していたヒトが居た。しかし、私は若干の危惧を持っていた。
それは、「新政あいち」の候補者(その大部分は新人であり挑戦者だ)の「線の細さ」を感じたからだ。
更に、現場の話を聞くと「選挙の事を知らない」

つまり、民進党やら民主党の頃から、「風」に載って行う空中戦ばかりを経てきているので、本当に地を這う選挙の方法論を知らない。挙句の果てにこうした行動を小馬鹿にしている。これで選挙が勝てるわけがない。

もう一つ、そもそも「新政あいち」には潜在票は多い。しかし「風」を起こさないとこうした「澱」のような潜在票は数字にならない。ならば、「新政あいち」こそ、選挙の前に市議会において騒動を、論争を起こさなければならなかったのだ。

各区の得票を分析すると、前回維新や諸派が獲得した票が、減税に流れた*4。しかし、本来はこの票こそ「新政あいち」が狙うべき票であって、「新政あいち」の現職議員が議会内で、自民党公明党の上記戦略に便乗していたとすれば戦略の誤りだ。

例えば名古屋城関連予算に対して、自民党からは造反議員が3名出ている(前回から1名増えている)
それにも関わらず「新政あいち」が諾々と賛成票を投じていては、減税に埋没してしまう。アイデンティティを明白にして主張しなければ、「風」は起きない。

さて、共産だ。
共産党」は負けるべくして負けた。または自ら負けようとしていたようにしか見えない。

共産党」は歳出削減に賛成する傾向にある。議員報酬についても半減に賛成するかのような勢いだ。
全く間違っている。このようなネオリベ的主張*5に断固反対して労働者、生活者を守るのが使命ではないのか?
議員報酬も確保して、より活発に活動し、最低賃金の引き上げ、市職員給与の引き上げも訴えていくべきだろう。

そして、マイノリティを排除しかねない議席減にももっと強硬に反対するべきだ(った)。

「新政あいち」(または、立憲民主党と国民民主党)と「共産党」は完全に、選挙前の議会運営から戦略を間違えていた。

「新政あいち」と「共産党」こそもっと真剣に「減税たたき」をするべきであったと私は見る。



追記:
河村市長は「この件については『名古屋市議会 暴言 セクハラ 暴行』でヤフーで検索してちょう」と発言しているので、当該キーワードでこのアーティクルが上位検索項目になるようにタイトルにこのキーワードを加えてみた。(ちなみに、「名古屋市議会」とは言わない「名古屋市会」が正しい)

告知:
名古屋城天守有形文化財登録を求める会」が起こした名古屋城木造化事業における住民訴訟
第一回公判の日程が決まりました。
5月16日(木)午後2時より
名古屋地方裁判所 第1102法廷 です。

名古屋城天守の有形文化財登録を求める会


*1:方向性を指し示すものが無く、さらにその責任の所在が曖昧である

*2:いったい、国際展示場の稲永案迷走とは何だったのか?

*3:こうした事も観光事業の貧困に繋がるのではないのだろうか

*4:減税と維新の協定や、諸派の活動の減退が原因だろう

*5:財政均衡