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議題4.決議案について

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 大混乱の議会運営委員会から一夜明けて本日、12月6日に名古屋市会11月定例会は最終日の本会議を迎えた。

 議事は順調に進んで、開始約45分のあたりで問題の「議題4.決議案について」に差し掛かった。差し掛かると同時に市長席に座った河村市長が猛烈な野次を飛ばし始めたようだ。
 私はインターネット中継で見ていたので画面のフレームは提案趣旨説明を行う共産党の田口議員だけを捉えていたが、河村市長のだみ声や減税日本ゴヤ所属の女性議員の声はいくつか聞き取れた。

 田口議員のブログを見ると河村市長は席を離れて野次っていたようで、以前理由もなく席を離れて議長から退場処分を受けていた事を思い出した。

 また、減税日本ゴヤの市議も野次り続けていたようだ。

 田口かずとのブログ

 減税日本ゴヤや河村市長の考えるところによれば、受任者名簿の選挙利用は選挙活動の自由であって、政治活動の自由、ヒトの表現の自由であるそうだ。
 そして、受任者名簿を選挙利用することを止める行為は、こういった自由を制限する憲法違反になるそうだ。

 しかし、だ。共産党の田口議員もブログで述べている通り、「名古屋市政改革活動の目的に限定し、厳重かつ細心の注意をもって管理いたします」と明記して集めた受任者名簿を、国政選挙に流用してみたり*1ろくに管理もせずに流出させてみたり、無い筈の所から出てきたりね。

 自分の「自由」には敏感で、その制限にはこうやって「ギャーギャー」騒ぐくせに、他人の「思想及び良心の自由」についてはトンと一顧だにしない。


 自分の権利ばかりを声高に求め、喚き立て、他人の権利についてはその訴えに耳を貸すこともしない。誠に見事なまでに無責任で醜悪な、「戦後民主主義」の「自由」と「放蕩」を混同させている姿ではないか。


 そもそも、議論の場であるべき本会議場で、議員が発言している時にそれを妨げるかのような野次を飛ばすとは何事か。それそこ「表現の自由」を妨げる憲法違反ではないのか。

 本会議場で妨げられかけた提案趣旨説明については田口議員のブログに掲載されていた。

 "名古屋市議会の解散請求に係る署名簿及び受任者名簿の目的外使用に関する決議 《提案趣旨説明》(PDF)"

 誠に真っ当で、憲法違反どころか当たり前の常識に照らし合わせればこの発言が正しい事が判る。

 それに引き換え、反対の野次を飛ばしていた減税日本ゴヤの議員は、誰も反対討論に立ちもしなければ、反対意見の表明すらない。(減税日本減税日本ゴヤ、及びHPを開設している議員のサイトを見てみたがこの「憲法違反の行為」に声を上げるものは居なかった)


 なんでも野次の中で河村市長は「なんでもかんでも多数決で決めれば良いってもんじゃないぞ」とか言っていたらしい。

 本当になんて見苦しい姿か。

 自分が多数決で優位を得た時には「これが民主主義ですから、民意ですから」と多数決絶対主義を振り回し、少数者の意見など聞きもしないのに、いざ、自分が多数決で敗れるとなると、前言を翻す。

 繰り返し不規則発言をたしなめていた議長が、ずっと冷静であった事と対照的に、言っている内容も、言っていることが求めている事も、言っている内容の根拠も、そしてその表現方法も、稚拙で幼稚で、まるでデパートのおもちゃ売り場でダダをこねる子どもにしか見えない。


 また、こういった不規則発言もあったそうだ。
 「同窓会名簿も選挙に利用しちゃいかんというんですか」

 いかんのですよ。個人情報保護法の定められた今となってはね。
 目的を明確にしなければ個人情報は集取してはいけないのですし、収集した個人情報は目的外には使用してはいけないのです。

 法的罰則があるのは、これらを仕事としている一定規模以上の事業者であったりする。宗教法人や政治団体については(理由は全く不明、お手盛りでしかないが)罰則規定から除外されている。

 罰則規定がないから自由に使っていいというわけではない。

 個人情報保護法の趣旨は、こういった個人情報については、その当該本人のモノ、所有物であって、当該本人の了承もなく収集されたり利用さたりしてはならないという考え方がある。「自分たちが暑いさなかに、汗水たらして集めた名簿だから」勝手に使っていい、自分たちのモノだ。と考えることは、すでに現代では法的に間違っている。

 常識的に考えてみれば分かりそうなものだ。

 そして、河村市長は「同窓会名簿も選挙に利用しちゃいかんというんですか」と言ったそうですが、いかんのですよ。そしてそもそも「同窓会名簿」なんぞ勝手に配布する学校が、どの程度ありますか。世間の常識や実態と、河村市長がいかに隔絶しているかが判る。


 自分の権利、自分の自由ばかりを主張し、義務を行わない、責任を取らないというのが、醜悪な「戦後民主主義」「放蕩的自由主義」とでもいったものだっただろうと思いますが、河村たかしという人物は、見事なまでにこの体現者といえるだろう。


 減税日本は受任者名簿について、受任者を集めて説明会を開くと広言していた。

 ところがところが、そんなものが開かれたとはついぞ聞いたことがない。


 こういった責任、義務を果たしていないから、受任者に不信が募り、その受任者から「選挙利用を行わないように」という請願が提出された。言ってみれば「身から出た錆」ではないか。

 そして、昨日のブログでも書いたように「受任者名簿」を選挙利用するなと言われても、受任者名簿を元に、各議員が自分の選挙区などにおいて、活動報告や催し物のお知らせなどを行い、「定着点検」をしていけば「後援会名簿」に成っていくのであって、そうして作られた「後援会名簿」を自分たちの選挙に利用しようと(壺を売ろうと、絵画を売ろうと)議会は知ったことではないのだ。

 ちゃんとした活動を行っていれば、何も騒ぎ立てることなどないのだ。

 開催するといった受任者に対する説明会を開かない、開けない。

 ネットワーク河村市長で一元管理して、議員の手元には一切無い、と言っていたリコール署名簿や受任者ハガキの原版が出てくる。

 言っていること、やっていることが誤魔化しばかりで、取り繕うことばかりに躍起になっているから判らなくなっているのではないだろうか?

 減税日本ゴヤの議員たちはこんな事で騒ぎ立てている場合ではない。
 もっと他にやるべきことがある。

 河村市長にもそれはある。何であるかは教えてあげないけどね。

 受任者名簿の選挙利用について、これほど大騒ぎしても河村市長の希望する「市長と議会の対決の構図」などには成りはしないでしょうね*2。減税ほど市民の誰もが興味を持つテーマではない。大部分の市民にとっては関わりのないことですからね。そして、該当者である受任者の人たちも高い確率で河村市政には失望しています。そして、決定的なことが、この議会の主張は「市民からの請願を元にしている」ということです。「市民からの声に議会が応えているにも関わらず、河村市長は、集めた名簿で選挙をやりたいと言っている」という構図に成ってしまうのですから、その無力さは判りそうなものでしょうね。

 さて、今日は本会議の模様から、議題4の「決議案」について絞って述べてきました。

 明日はこの問題から派生した議題5、湯川議員に対する「問責決議案」とそれに対する湯川議員本人の弁明、及び同じ減税日本ゴヤの富口議員による反対討論について触れてみたいと思う。

 まあ「甘ったれるのも体外にしろ」の一言なんでしょうけど。

 これぐらい甘ったれた精神でないと、減税日本の議員は務まらないのでしょうね。


追記:
そうそう、この「決議案」について、ちょっとおもしろい動きをしたヒトが居たそうだ。

 維新の会を名乗っている元民主党緑区選出の山本久樹議員は採決の際退席をしたそうである。一部には山本議員がリーダーとなって減税日本ゴヤを解体して維新を軸とした第三極を作り、市民のイメージを誤魔化そう一新しようというアイデアもあるそうだ。

 しかし、この山本議員は昔面白いことをブログに掲載されている。

 大概にしてほしい、意味のわからない理由をつけて反対、賛成も反対もできないから退席。市民から付託をいただいて議会にでてきている議員、賛否を決する責任と義務があるはず。中学校の生徒会以下である。
 意思表示もできない議員は即刻職を辞するべきである。
 報酬を半減800万にしていても存在が税金の無駄遣いである。

議会報告会異議申し立て。 | 山本久樹のブログ

 おお、私が言いたいことがすべて網羅されている。


*1:国政選挙も、「名古屋市政改革活動の一環」だそうだ。それなら壺や絵画でも売りに出して、利益を上げて活動費に当てるとしたら、そういった壺や絵画のカタログを送ることも「名古屋市政改革活動の一環」になるんじゃないのか?いったいどこまでが「自由」なんでしょうね

*2:そういった思惑で人事案を犠牲にされかけた新開副市長や、訳も分からず問責を受けた湯川議員こそ戦略的目標もない犠牲者だ