予想通り、中村孝道市議は政務調査費の不正疑惑について、具体的な潔白の証明はできなかった。また、本来意味があるかどうか不明ながら、減税日本、河村代表が求めていたらしい、この元職員に対する名誉毀損の訴えについても行えないようだ。(この訴えを行ったからといって、中村孝道市議が不正受給していないという証明にはならない)
更に、何のために行ったか判らない元職員に対するリコール署名簿の窃盗の告発も警察の窓口で撥ね付けられている。(これについてはまた後述)
まったく「頭の悪いこと山の如し」で、このリコール署名簿の窃盗については減税日本は以前こう言っている。
愛知県警に相談したところ、リコール署名簿は個人情報保護法の対象外となるため、選挙に使用すること、第三者がデータを盗んだこと、署名簿データをネットに公開したこと、いずれも刑法上の犯罪行為にはあたらないことが判明。
http://genzeinippon.com/recall.pdf
なので、ここで元職員が「データを盗んだ」と訴えること自体も矛盾となる。
というか、そもそもデータがあることが大問題なんだが。
そしてこれを受けて減税日本は中村孝道市議に議員辞職勧告を出すらしい。(というか、出した)
19日の会見で「21日まで待つ」と言ったんだから、21日まで待ってやれば良いようなものなのだが、20日のうちに「メール」で辞職勧告を送ったらしい。
そして、中村孝道市議は辞職には応じないだろうから会派離脱と言うことになるのだろう。
ここまでは水が高きから低きに流れるような当然の流れだ。(別に良いことと言っているわけではない)
ちなみに当ブログの調査の一端をお見せすると、これが平成7年10月に行われた小牧市会議員選挙と「中村有史候補」の得票数である。
小牧市民は見る目が有ったということかもしれない。
ちなみにこれが「有限会社 愛知県互助会」の登記である。(いずれも一部画像修正済み)
私は中村孝道市議については興味は無い。
私が興味があるのは、この一連の騒動で表に出てきたリコール署名簿、またはその写し、更に受任者ハガキなどに対する減税日本、河村氏の扱い方であり、則竹元団長の辞職騒動以来、続発する「問題議員」に対して、何も対応を取ろうとしない減税日本、河村氏の怠慢についてである。
どうも、河村氏はリコール署名簿という物が「自分たちが集めたのだから、自分たちでどう利用、処分しようと自由」と思っている節がある。リコール署名簿というのは「集めた人」の物ではない、あくまで署名した一人ひとりの物であって、収集者(法的には「請求代表者」やその補助員である「受任者」)の所有物ではない。
このリコール署名簿について、書類の書式は運動体が独自に作ることができる。要は、法的な用件さえ満たせばよい。その為に、河村氏は、署名、捺印、住所の他に、電話番号の記入欄を付けられないかと打診したそうである。
しかし、それではリコール後の出直し市議選に、リコール署名簿を使って「選挙の電話作戦」を行うことがミエミエではないかと却下になったと伝わっている。
結果としてリコール署名簿が選挙利用されたのかどうかは判らない。一つの傍証として議会解散を受けた出直し市議選における「法定ハガキ」の問題がある。選挙において候補者は一定数のハガキを有権者に送ることができる。名古屋市議会選挙においてはこの数は4000枚で、郵送費は公費負担となる(印刷費等作成費は候補者負担)。しかし、新人候補にとって地域の有権者4000人にハガキを送る(=住所と名前を知っている)ということはなかなかハードルが高い。現職議員ですら4000人の把握はたいへんなようだが、新人で、組織にも頼らなければ、法定数のハガキを出すことは難しい事だろう。
この図は各区候補者の法定ハガキ発行数だが、減税日本の候補で法定数一杯のハガキを発行している者は多い。
その後、これらの情報は受任者名簿を元に送付した。であるかと、河村事務所からラベルの形で送付先住所が送られてきたので、候補事務所ではハガキにラベルを貼っただけで、それがどういった経緯で得られたものであるかは不明だった。などの説明が行われた。
こうやって眺めてみると、リコール運動とはなんだったのかがはっきりと判ってくる。
議会改革とは言ってみても、その構成員を乱暴に入れ替えただけでは議会は良くならない。また、河村氏が言うように、議員報酬を市民並みに「下げる」ことで市議に立候補する者は増えない。当然ながら逆で、議員報酬は「上げて」様々な力のある者が市会に参画する機会を作る必要がある。この競争を激化させる必要があるだろう。
河村氏が言うように議員報酬を下げることで、市議に立候補する市民が増えるなどというのはまったく常識の逆。単なるたわごとということはすぐにわかる。
三大公約についても疑問だ。
「議員報酬半減」についてはその採択時に、河村氏から全会一致を壊すような動きがあり、その後、この改正に成功した当時の舟橋幹事長、玉置幹事を人事的に冷遇したように、本心から報酬半減をしようと思っていたか疑わしい。
そして、減税日本ナゴヤにおいても、現行の議員報酬で満足な議員活動が行えるのか、という疑問は巻き起こっているだろう。
「地域委員会」についても、すでに河村氏には公約実現の熱意は無い。
というよりも、当ブログで繰り返し訴えてきているように、河村氏は「地域委員会制度」について理解していない。直近の市長会見でも「選挙による地域委員会」と言っているが、実際に今、試行されている7地区の地域委員会の内、選挙を実施した地域委員会が幾つあるのか。
ゼロだ!
つまり、「選挙による地域委員会」など、地域の実情を見ると空理空論で、まったく無駄な負担でしかない。
結局、一定程度の地域予算を紐無しの状態で地域に下ろすという事は意味があるのか。そこから疑問である。現在のような地域委員会で不適切な支出が行われないか、これも心もとない。そして何より、地域の問題は、こういった予算がないという話しなどではない。逆に自治会費や町内会費が執行できなくて困っている街すらある。つまり、執行者、担い手が居ないというのが問題なのだ。(これは、このブログの開設時から言っている事ですよね)
この担い手問題に耳を貸さず、制度改正もしようとしない河村式地域委員会が破綻するのは、当然の結果だ。
そして減税。
2009年に河村氏は名古屋市長に立候補する際に「総理を目指す男」の看板を外すのか、総理はもう目指さないのか。という問いかけには直接答えず含みを持たせていた。
そして、市長となってから書いた「減税論」では、自分が総理になったら消費税率1%引き下げを行うと明言している。
この河村氏の減税政策は結局、自らが総理を目指すための目玉政策であり、ばら撒ける「アメ玉」だったのではないのか。
どんな納税者でも税金は少ない方が良いに決まっている。
しかし、日本人は十分に教育を受けているために、この減税論が「朝三暮四」であることに気が付いている。
結果として昨年の衆議院選挙のように、広範な支持を得ることはできず、国政政党としての減税日本は壊滅した。
「減税」というこれ以上ないほど判りやすい大衆迎合的な政策を掲げ、総理を目指すとした活動はすでに破綻しているのである。ネタはばれた。
河村氏はもうこの辺で手仕舞いして、「体調不良」などの理由で市長を辞職して政治家としても引退した方が良いのではないだろうか。
残された減税日本ナゴヤの市議に申し上げる。
このまま河村氏の下に居ても未来は無い、再選は適わない。ここいらで「常識的な判断」をしないと「一生の烙印」「晩節を汚す」事にも成りかねない。
ここでお知恵をお貸ししましょう。「減税市議、次の一手」です。
あなた方はそれぞれ、三大政策を公約に掲げて市議選を戦ってきました。
この中で「市議報酬半減」は現在実現しています。
しかし「地域委員会全市拡大」については上に述べたように河村市長は情熱を失っています。というよりも制度自体とその問題を理解しようとしていません。
また、市民税減税10%について、市長として非常にひどい対応を取っています。
ちょっと前に当ブログで指摘しましたが、名古屋市には「市民税10%減税検討プロジェクトチーム」という全庁的なPTが有りました。当時の住田副市長を座長として、総務、財政両局長ら計8名のPTで、市民税減税10%を実現するため主税課長を部会長とする「税制検討部会」と、財政課長を部会長とする「行財政改革検討部会」を設置し、その実現を探っていたのです。
さて、このPT 今、どうなっていますか?
「市民税減税検証PT」はあります。これは財政局財政課の中にあって、減税自体を一つの事業と位置づけて、その事業評価を内部的に行う部署です。
しかし、名古屋市には現在、市民税10%減税実現に向けて作業をしている部署はありません。
つまり、河村市長は、自身の看板公約「市民税10%減税」について、「5%」の現状で「減税の実現」と満足してしまっていると断じざるを得ない。
一部、減税日本ナゴヤ所属の市議にも、自らのHPに「市民税減税5%」と目標数値を勝手に下方修正している人もいるが、
恥を知れ!
公約をなんと心得ているのだろうか。
つまり、減税日本ナゴヤの市議の皆さん。その中でも心ある人たちだけで結構だ。
(「立って座って800万」で良いとか、「河村氏の言うことなら西から日が昇ると言われても信じる」ような人*1は聞かなくて結構)
「河村市長は『市民税10%減税検討プロジェクトチーム』を解散させた。市民との公約である10%減税実現を忘れ、5%で由としている。更に、続発する不祥事の対応について党首としての責任を取っているとは言いがたい」として、減税日本ナゴヤの代表から河村氏を放擲して、独立すべきだ!(そういえば、減税日本の規約では幹事長が提案すれば代表更迭は可能だったよな。その会議の成立要件は明記されていない( 参照 ) 減税日本 規約によって、役員の選出は総会でなければできない(第7条)しかし役員の罷免は定義されていない。つまり幹事会の議決事項となる。幹事会の成立要件は定義されていない。議決は過半数で十分(組織規則 第2章)つまり、幹事長がたった一人でも成立する。/おお!それ以上に。そういえば。規約第8条3に「代表の任期は4年とする」となっていて、改選されてましたっけ?任期切れじゃないの? 2010年4月設立なので来年の春だ)
実は、この「10%墨守」は、現新政会の離党時の主張に近いのだけれども、いわゆる「三大公約」を掲げて市民と約束し、付託を受けて市議となったからには、この約束に殉じる在り方もあるだろう。そして河村市長と手を切って、市民の為にどのように行動すべきか考えることができるかもしれない。
あなた方が守るべきは、市長でも自分の小さな見栄でもないだろう。
あなた方が守るべきは 市民だ。
市民の為の行動とは何か、今一度思い起こして欲しい。
ちょっと前に「市会議員の職責(地方議員の職責)を明確に答えられますか?」と問いかけていましたが、誰からもお答えはいただけませんでした。
いつまでも質問を投げかけっぱなしも問題ですので回答を示しておきます。
地方議会の職責を定義しているのは地方自治法の第96条です。
地方議員はこの地方議会を構成する要員ですから、その職責は議会に準じる物と考えられるでしょう。
そこで定義されている職責は次の16件を議決することとなります。
(以下、リンク先参照)
減税日本ナゴヤ市議に送る、市議養成講座(2) - 市民のための名古屋市会を! Ver.3.0
これら各項目について、減税日本、または河村氏の下で、教えられ、または勉強する機会が有りましたか?
追記:
9月14日(土)に天白区において、減税日本が会場を設定し、錦見県議の辞職についての説明会を開きたいとしているようです。会場は押さえたようですが、場所は不明。入場制限も不明です。
また、南区においても説明会を開きたいとしているようですが、日程的に9月定例会に食い込みそうですね。
追記:
現在8月21日 午後7時頃です。中村孝道市議が弁護士を伴って記者会見を開いたようです。その模様が入ってきました。私の想像の斜め上を行っています。
内容は、
◎リコール署名簿の窃盗について、盗難届けを警察に受理されなかったという報道があったが事実と違う。事実は窃盗罪の告訴状を出すように指導を受けたので、そのようにした。告訴状の提出日は8月20日で提出先は愛知県南警察署である。告訴の罪名は窃盗罪となっている。ということ。(署名簿の窃盗については、中村市議の説明が適法とは私は思えないが、それは稿を改めます)
◎元スタッフが主張する未払い賃金については認められないため、債務不存在の確認を求め民事提訴する。提訴日、8月21日、提出先は名古屋地方裁判所。
◎減税日本から勧告された議員辞職は不当であり辞職しない。
といった内容のようです。
この記者会見の冒頭「中日新聞の●●記者と中京テレビの●●記者は退出してください」という要請が為されたようです。ちなみにこの2社のインタビューに中村市議が不正を認めたのが今回の騒動の発端となっている。この記者会見でも「不正請求は認めていない、切り文による捏造報道だ」というような主張が為されているようです。しかし、両社に対しては法的対応は取らない?
・・・というか、今後中村市議は減税日本にも叛旗を翻し、河合市議並みのパブリック・エネミーになる可能性も有るというのに、その記者会見開始1分程度で会見場の記者全員を敵に回そうとするメディア対策には惚れ惚れします。
追記(8月22日 11時):
(略)
http://mainichi.jp/select/news/20130822k0000m040113000c.html
市議会解散請求で集めた署名簿のコピーなどが元スタッフの手元にある問題については、中村市議自身が原本からコピーしたことを明らかに
(略)
減税日本の調査報告では、( 参照 )一部候補者にA氏が署名簿のコピーを渡していた事になっているが、南区の署名簿は収集の段階(だろうと思われる)で中村氏が自分でコピーしていたということになる。
つまり署名簿のコピーが流通する基点について、この報告書には見落としがる。
他にも流出ルートがあったのではないのか?
いったいどういう管理をしていて、どんな調査をしたのでしょうか。
*1:馬を見て鹿と言う様な人というか