市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

一人の名古屋市民が「地域委員会制度」「減税日本」に対する疑問をまとめるサイトです。(since 2011/3/3)

「減税日本」の本当の読み方

 減税日本が東京の砂防会館に東京事務所を開設してその開所式が7月9日に行われた。*1
 開所式の模様をIWJ(岩上安身ジャーナル)がUSTREAM で公開している。 ( 参照

 その中から河村代表の挨拶部分だけを抜き出した。

 (権利的に問題があれば対処いたしますのでご指摘ください)

 開所式というよりも、会費1万円なりのパーティーだったようだが、言いたいことは幾つかあるがすべて端折る。
 この河村氏の挨拶からだけ3点だけ指摘しておく。

減税日本代表・河村たかしの誤り

1)挨拶の4分40秒頃に「名古屋では中学生の医療費はただ、これは市議の報酬半減、6億円で実現できた」という発言がある。河村氏は市長としていったい当局とどのような情報連携をしているのか、そもそも河村氏は名古屋市長としての常識を持っているのだろうか。
 名古屋市の中学生以上の医療費助成が政治課題に載っているそうだが、約28万4千人の対象者があってその医療費は102億円だそうだ。
 また、このスピーチで触れている制度は正式には「子ども医療費助成」だと思われる。
http://www.city.nagoya.jp/kenkofukushi/page/0000009154.html

 こちらに「平成23年度行政評価事業一覧」という資料が 公開されている。( 参照 )

 この資料の43ページに「事項番号 241」として「子ども医療費助成」が載っている。ここで一般財源からの予算が明記されている。「5,957,210(千円)」
 解りやすく書くと「59億5千7百21万円」ですよね。6億円ではない。*2

 市議の報酬半減で浮いた6億程度で「子ども医療費助成」制度など成り立ちません。

 こういう基本的な「政策の相場観」すら無くなっているとすると、いよいよ「本当の政治家」としては限界ですね。はやく本業の政治漫談師に戻った方が良い。

追記(8月1日):子ども医療費助成制度の中学生部分が昨年10月実施されて、その経費が一ヶ月1億円、前年度分としては半年で6億円ほどかかったようである。

 最近、市長にレクした資料にこの部分があるようなので、河村氏の頭にこれが残っていた可能性があるとの事だ。

 しかし、勿論、制度としては上記の様な全額であり、制度改正の部分経費としても一ヶ月1億円で、たまたま前年度実施された半年分と、通年で削減された市議報酬を同等のものと比較するのは雑にすぎる。

 それならば、「市議報酬で同制度改正の半年分が賄えた」と語るべき。

 2)8分30秒頃からは、消費税増税を捉えて「経済学が狂っている」と指摘している。12分40秒頃にはリチャード・クー氏の名前も出しているが、クー氏は増税には反対しているかもしれないが、河村流減税に賛成したと聞いた事が無い。逆に、2009年1月25日の日本記者クラブにおける講演で米国におけるサマーズの減税を引いて。

日本も随分いろいろ減税を試したのですが、結局、本当に効いたのは政府支出だった。

http://d.hatena.ne.jp/ichi-nagoyajin/20120531

と語っている。

 また、「日本経済を襲う二つの波―サブプライム危機とグローバリゼーションの行方」という著書の中で。(発売日:2008/7/3)

私は前述のようにバブル崩壊以降ずっと、『減税より公共事業』を提唱してきた。

http://d.hatena.ne.jp/ichi-nagoyajin/20111031

と述べています。

 3)そもそもスピーチの最初は自身の給料が安い事や政党助成金が無い事を嘆いてみせ。最後は会費やカンパについて語ってみせる。トークの話題が「お金」から離れない。
 河村氏のスピーチは国家観や将来ビジョンなど一切なく、増税に反対し、脱原発の世論に おもねっているに過ぎない。本当に、こんな政治漫談を(一万円も出して)暢気に聞いて拍手できる善男善女こそ良い面の皮だ。

 その中でも究極に許しがたい発言が「天災が起こったときに税金を上げる、狂ってますよ」ときた。狂っているのはどちらだろうか。

 名古屋やその他の大都市などが、税金を国に上納するから所得の再配分が叶い、東北の復興ができるのだろう。
 東北でまだまだ基本的な社会インフラ整備に目処も立っていないという時に、「名古屋城天守閣の木造復元」を言う神経の方が狂っているといえないだろうか。
 平成24年6月定例会 市長提案理由説明(6月19日) - 市長のための市会ではなく、市民のための名古屋市会を! Ver.2.0
 (センテンス<18>参照)

税金を食っている極楽住人は誰か

 河村代表は常々「税金を払っているものが苦労して、税金で食っているほうは極楽だ」と言っています。税金を払っているのは市民であることは間違いないでしょうが、税金で食って、極楽の生活を送っているのは誰でしょうか。

 本日、減税日本ゴヤ河合優市議が視察に女性を同行させた件で、公費視察は「私的旅行だった」と認める文書(弁明書)を提出している。

 それを受けての各社の報道



 この女性について当初の説明と食違う部分もあることなどから、本日急遽名古屋市会理事会が招集され、本人を呼んで事情説明を受けるようになっていたそうだが、結局、本人と連絡が取れず(市議ですよね!パブリックサーバントじゃなかったんですか?)に。理事会はお流れになったようだ。

 もう、「減税日本」の名前は「インチキ」と同義語かもしれない。

 名古屋市減税日本ゴヤは公約としていた政務調査費の個人公開を行わないので、もうその段階でインチキと言えるでしょう。

 愛知県議は政務調査費の個人公開を行っている。その県議の中でぶっ飛んだ事例がこの半田県議の150万円領収書だ。(これらのイメージはクリックすると拡大表示されます。
 汚い手書きで乱雑に150万と書かれ、収入印紙すら貼っていない。但書きが「2011年5月31日依頼の東日本大震災現地調査及び愛知県の防災に活かすべき提案の作成料」となっている。これが「県の公費」を扱う姿勢だろうか。

 この半田県議の支出した調査について、その結果の公表を強く求める。

 さぞや立派な報告書が提出されている筈だ。されていなければインチキだ。


さすがミスター 減税日本 インチキ三宅県議

 政務調査費の公表を受けて、この半田県議のあまりにも酷い事例にマスコミも腰を抜かしたそうだが、実は「ミスター 減税日本 インチキ」である三宅県議はこの半田県議の上を行っている。






      


ここに並べたイメージは三宅県議の政務調査費資料の中から「シンクタンクへの政策提言に関する調査委託料」とされているものの9月分、10月分、11月分、12月分、平成24年1月分、2月分、3月分までを抽出したものである。


 勿論、23年度の政務調査費であるからこの支出がこのまま続いている可能性、蓋然性がある。ここに現れている分だけで7か月分、140万円であるが、これがこのまま続いているのであれば半田県議の支出を超える

 そして、半田県議同様、三宅県議も「シンクタンクへの政策提言に関する調査委託」して、その結果が市民や県民に示されてはいない。つまり、インチキだろう。


 この毎月20万円の委託料を受けている「カ)ソシア」なる法人を調査してみた。

 このイメージがその法人の登記簿である。

 奇異な事に取締役が2人しかいない。一人は三重県在住だ。

 また、設立目的に行政や公共事業に関する事柄が含まれていない。いったいどのような「シンクタンク」なんだろうか。



 現地に行ってみた。




 登記簿に示された住所地にあるのがこのマンションである。
 この302号室の郵便受けに赤い「テプラ」で「㈱そしあ」と貼ってある。

 その他にも「ウィンクルム」であるとか「ささえあい」という名前も見える。最近何かを剥がしたような痕もある。

 そして、ダイアル錠で厳重に閉じられてはいるが投函されたDMなどが溜まったままになっている。

 ヒトは見た目で判断すべきではないし、会社や法人もまた然りだ。しかし、このような「シンクタンク」に毎月20万円を支払ってまで得られる愛知県に有為な政策の提言があるのだとするならば是非聞いてみたいと興味を掻き立てられる。

 半田県議も三宅県議も、これら多額の県の公費を使った調査については県民に内容を公表すべき責任がある。愛知県議会の小林議長はこれらを公表する責任があるだろう。


 「税金を払っているものが苦労して、税金で食っているほうは極楽だ」
 馬鹿なモラルハザードの極地はどこの誰だろうか。


 これらについてしっかりとした釈明が無い限り、「減税日本」という言葉に振るべきルビは「インチキ」以外考えられない。

減税日本 インチキ

*1:減税日本ゴヤ市議団は名古屋市内に事務所すら持っていない。彼等の優先順位が垣間見える。

*2:一桁読み違えた?