市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

一人の名古屋市民が「地域委員会制度」「減税日本」に対する疑問をまとめるサイトです。(since 2011/3/3)

名古屋市地域委員会への疑問について。

名古屋市地域委員会への疑問について。
 わたしの思う、政治(特に、地方政治)における理想の形、それは「鼓腹撃壌」

河村市長の熱望される「地域委員会」について、
わたしは疑問を感じている。

そもそも、名古屋には「学区協議会」という優れた地域自治の姿がある。
(参考:庄内学区連絡協議会 http://www.nsk21.co.jp/syounai/f-renkyo.htm

にも関わらず、その上(?か横かは判らないが)に「地域委員会」を作って、
いったいどうなるものかと疑問を感じていた。

試行ということで、8地区が選ばれて実際に予算も消化された。

この試行について、議事録を読み込んでみたり、
その予算消化に付いてあれこれ意見を言ってみるのも必要だろうが、
それは「価値観の相違」がある事柄だろうから、
今は、議論はしない。

ここに、各地域委員会の議事録を集約し、
その参加者を表にまとめた物がある。

ぜひ、「地域委員会」を議論の俎上に載せるのなら、
この「事実」は把握しておいていただきたい。

減税日本」の各候補者は、
河村市長の3大公約の実現を自らの公約にされるのだから、
当然、各「地域委員会」のこの「事実」は把握されていることと思う。

・・・・それでも、「地域委員会」の実現は必要ですか?


どういうことか。

例えば、
田代地域委員会の資料をごらん頂きたい。
一回目の開催、平成22年3月19日。参加委員数11名、傍聴住民数が80名。
盛況ですね。

ところが、
第15回、平成22年11月18日。参加委員数7名。傍聴住民11名。


小幡地域委員会
第一回が3月13日。参加委員数8名、傍聴住民数50名。

ところが、
第10回、10月24日。委員数8名、住民5名。
事務局は6名。事務局の方が多い。
(JPGデータでは切れてしまっていますね。確認される方はPDFをご参照ください)

もう、一々挙げはしませんが、
参加者に付いては軒並み右肩下がりの経緯を辿っている。

「住民参加の自治」の、これが実際の姿ですよ!
これが、事実なんです!

(ここから、私見が入ります)
良いですか。
これが「事実」なんです。

何か、事柄が起これば。
ヒトは熱狂のように動きもしますが、
その熱が冷めれば、目も醒めるものなんです。

しかし、これを以って失望してはいけません。
わたしは逆に、この「事実」が何より「名古屋の自治の良さ」を表していると思うのです。

そもそも、政治とは利害と利害の対立です。
それを文化的に調整しようというのが「政治」です。

どこかで不利益をこうむるヒトが生まれるのが「政治」です。

100パーセント、四方八方が丸く収まるような政治の姿は有り得ません。
そんな夢のような事を語るのは、騙りです。

そのような利害調整を「地域」という狭い領域に持ち込むのは、
それはそれはデリケートな問題です。

「地域」の問題。例えば、ゴミ処理、例えば、公園利用。
例えば、通学路の安全確保。これらの問題に携わったことがある方々は
判ると思いますが、「政治的」に解決しようとすれば、
それは角も立ち、しこりも残ります。

アンフォーマルな話し合いであるとか、
いっそ、上部組織(市であるとか、県であるとか、国)からの強制の方が、
地域的には角が立たずに助かることもあります。

この「地域委員会」への市民の参加状況を見ると、
結局、各地域に、そんなに差し迫った危機が。
(地域住民の大多数が切迫感を持つほどの危機が)
無いことが判ります。

地域委員会」に参加、傍聴して、「自治」にコミットするよりも、
自分達の仕事、子供達の世話、家庭生活、
またはテレビでも見ていた方が良いと、皆さんが判断しているわけです。

すごく、健全な姿ではないですか。

エジプトであるとか、リビアなど、
住民がこぞって政治状況に身を投じる社会というのは、
その社会自体に問題があります。深刻な問題がヒトを動かすのです。

確かに、名古屋の自治に何も問題が無いとは思いません。
しかし、それは「地域委員会」を新設すれば解決に近づけるというものではないと思います。
(私自身は、既存の学区協議会の強化改変、
予算化で良いと思っています。
そして、その為には今後何年間かの手順とステップを踏んだ議論、
更に何を目指すのか。それを明確に指し示すリーダーが必要であると思っています)

最後に、
わたしが思う政治の理想があります。
特に、ヒトとヒトが直接に接して生活しあうような、

地方自治における政治の夢想する姿があります。
それが「鼓腹撃壌」といわれる姿です。

どうか、政治に携わる方々には、
名古屋を混乱の渦に巻き込むのではなく、

人々が生活や仕事、家庭、
育児に気兼ねなく心をおける「環境」を作って頂きたいと願ってやみません。