市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

一人の名古屋市民が「地域委員会制度」「減税日本」に対する疑問をまとめるサイトです。(since 2011/3/3)

作業(I)

まず、自分に対する業務連絡から。
6月16日のエントリーにおいて、書くと言った事柄について。

A)2周遅れの経済理論
B)政治の安売り王
C)地方政治を知らない市長
D)二元代表制を知らない市長
E)逆質問を要求するメンタリティ

※この中のいくつかは、既に書かれた文章の中に同一の趣旨の文章があります。
が、こういった題名でまとめるべきですよね。


追加されたテーマ
F)映画「クリムゾン・タイド」―「ケイン号の叛乱」―ハンフリー・ボガード

※ただし、この話は本当に書くかどうかは判らない。

G)7月11日市長会見
政務調査費について、市長は調査権限が有るか無いか

市長の要求に基づく監査結果(H21.8.21公表)前橋市
http://www.city.maebashi.gunma.jp/kbn/13029001/13029001.html


と、本日の横井市議のブログに掲載された
H)「ここまでやるのかNHK捏造報道」

 市議が「捏造報道」と表現するからには、まさか間違いは無いと思いますが、オリジナルを見ていませんので伝聞による批判や、印象による批判は止めます。(うん?「今までも、このブログには伝聞からの批判が有ったではないか」って?いやいや、勘違いをしてもらっては困ります。ああいった伝聞から書く際にも、そうと信ずるだけの蓋然性があったればこそ、書いています。また、そういった不確さについては、明白にしているつもりです)

 このNHKの件については、本日NHK側に問い合わせました。そして、明日、NHK名古屋放送センターに伺って、素材を見させていただける約束を取り付けましたので、それを見てご報告を致しましょう。


 さて、上記のように。ただでさえ色々と書きたいこと、言いたい事はあるのですが、それだけに飽き足らず、非常に余計な事をはじめました。先週の土曜日から延々、この作業(I)を続けておりまして、少々ゲンナリしておりますが、それでも色々な事に気付かされております。

 今日は、その「作業(I)」の成果の一部をご披露させていただきます。

その1)

 「平成21年7月21日 市長定例記者会見」を御覧ください。

 2項目目に「DV被害者への定額給付金等相当額支給事業について」という項目があります。これは当時支給された「定額給付金」について、DV被害にあって居住地から逃げているという人々に対して、請求すると配偶者に逃走先が判ってしまうというような状況を配慮して、定額給付金に相当する金額を名古屋市が立替払いをするという制度です。
 定額給付金と言う制度は、本来こういった方々にこそ届けるべきものであるけれど、給付を受ける事ができないという矛盾を解決すると言う施策です。

 しかし、この制度はご本人からの申請がないと受け取りはできない為に、市長は「市としてできる限りの広報をしてまいります」とおっしゃっています。さて、定額給付金は同年の11月11日までの申請で支給されたのですが、この市長会見でこの制度に触れられたことは、これ以降一度もありません。「できる限りの広報」とおっしゃっているにも関わらずです。

 実は、「定額給付金」の期限途中である9月28日に「定額給付金」の話題が市長記者会見で上っていました。( http://www.city.nagoya.jp/mayor/page/0000007038.html )

 定額給付金を市内で使っていただこうということで、名古屋まつりの開催にあわせて、デパートや文化施設の協賛をいただき、プレゼント・キャンペーンを実施します。10月3日(土曜日)と4日(日曜日)に、市内のデパート7店舗で、1レシート税込10,500円以上の買い物をした方へ応募用紙を配布します。1万円分の商品券のほかにも、観劇の招待券など合計200本の賞品を用意しております。
 10月3日、4日は、名古屋まつりにお出掛けいただくとともに、市内のデパートで買い物をして、プレゼント・キャンペーンにご応募をいただきたいと思います。
申請済みが93万人、未申請の方が10万人で10%になっておりますので、お早めに手続きをお願いしたいということです。
 報告は以上ですが、今週もいろいろな行事が予定されております」



 プレゼント・キャンペーンとDV被害から逃げいている方々、政治はどちらにまなざしを向けるべきなのでしょう。


その2)

 上の例でもそうですけれど、河村市長は何かイベントが発生すると、調子よく泣いたり笑ったりして調子を合わせますが、少しでも自分の都合が悪くなると逃げ出すと言う癖があります。つまり、決定的に責任感が欠如しているのではないかと思われます。また、責任感の欠如した者は決断力がありません。河村市長の場合、いったん発言をしてしまうと、その進路を変更するという決断ができません。ですから、何事によらず、事柄はうやむやのまま、明確な進路変更が示されないままとなります。つまり、事柄に総括がありません、総括しないから反省も無いですし、反省がないから同じような過ちを延々と繰り返します。

 名古屋刑務所事件における主張、旭丘高校の存置問題、更に平針里山問題と、陽子線ガン治療施設の遅延損害金の問題。なんとなく全て繋がっていませんか。

 6月28日の中村議長記者会見も、なかなかの「禅問答」でしたが、( http://www.youtube.com/watch?v=NC19gBYITbY )河村市長とのやり取りも、いつも「禅問答」になります。中京都構想に対する回答もすごかったですね。
 なぜ、河村市長とのやり取りで明確な回答が得られないか、納得ではなく諦めになってしまうか。その構造は次のような形になっています。

    ※河村市長における議論の構造

    1.質問者の問題を無視して、自分の関心事項に話題が移る。
    2.そもそも語られていることが思いつき。
    3.そして、その思いつきに理念が無いので矛盾を孕む。
    4.矛盾点を突かれると、その事柄には興味を無くす、
    5.興味が無い事には応えない、自分の関心事項に話題が移る。で、1に戻る。

その例をやはり記者会見から見ていきましょう。素材は「平成22年1月4日 市長年頭記者会見」です。

 対象は、「待機児童対策について」河村市長の発言をオレンジ、記者の質問を緑、そして私のコメントは黒で色分けします。途中、大きく指摘したいことがありますが、それについては「※1」として、欄外に追いやります。


(記者) 市長は、「住むならナゴヤ、子育てするならナゴヤ」というキャッチフレーズでやっていて、今回、減税10%ということで、3万人キャンペーンもありますが、子育てでいうと、名古屋市の待機児童は全国で6番目に多いということで、なかなか実感として「子育てするならナゴヤ」というのは、ないのですが、「子育てするなら名ナゴヤ」ということでなにか考えていらっしゃるのでしょうか。

(市長) 具体的にいうと、今回の「ワクチン」の問題も、でかいと思いますけど。日本初ですから。水疱瘡、おたふく、ヒブ、それから、お年寄りだけになってしまいますけど、肺炎球菌もこれ、半額補助で、非課税世帯には、無料ということで、これは、大変喜んでいただけるということがひとつ。

※「日本発」の施策だったので興味がある?(7月13日:指摘により修正)
※「日本初」の施策だったので興味がある?

それから、具体的に言うと保育園をたくさんつくることなんですけど、わしもこれ、盛んに言っとるんですけど、例のお金の話が出てきましてですね、でも、まぁ今年3つくらい、だったじゃないですかね

(副市長) あまり数は。具体的には。

※思いつきを語っている

(市長) まだ、内緒か。これはちゃんとつくりますし、それは、そっちで市の役割も果たします。

それともうひとつ、やっぱり地域で、お母さん方が何人か集まってですね、割とまぁ、介護の方で言うと、小規模多機能と言うんですけど、そういうような格好でですね、割とこう近所の人が、皆で、向こう三軒でやれるような子育ての仕組みもどこかで出てきてくれると、非常にありがたい。


※思いつきで、介護における小規模多機能住宅のNPOか何かが、「どこかで出てきてくれると」?も無茶苦茶。そして、子育て支援には興味を亡くし、

そこに、やっぱり、寄付が集まるような仕組みをですね。減税の分ですね。つくっていくと、雇用も広がりますし、そんなふうに思っとりますんで、保育園が本筋であることはわかっとります。盛んに言っとるんだわ。「もっとぎょうさん出しゃあ」ていって。

※寄付控除の仕組みに話題が散乱。

(副市長) 出生数も増えてます。

(市長) あぁ、ええですね。出生数が増えとるそうですので、名古屋がですね。

※1

(記者) 出生数が増えても、保育園に入れなかったら、だめですよね。

(市長) いかんでね。そこを、地域委員会と両方で、やるとええと思いますけど私。杉並区は、例の子育てバウチャーで人口を増やしましたんで、ぜひ名古屋の人口も、若いお母さん中心に増えてきたら、これはなかなかええことだと思いますけど。

一刻も早く報告できるように全力をあげて、地域委員会に力を入れるつもりでおります。


※なぜ、地域委員会の話になってる?人口増加の話になっている?


 そして、結局「待機児童対策について」の具体的な話はなし。って、これのどこが「待機児童対策について」何でしょうかね。そもそも。このタイトルについては私がつけた訳ではありませんよ、名古屋の市当局がつけたサブタイトルですからね。市当局のギャグなんでしょうかね。


 さぁて、A〜Iまで課題をしょって、更に「作業(I)」の全貌は何か!なんてちょっとした謎かけまでして、ってそもそもゴールまで行き着くのか不安なんですけど。続きは明日のこの時間(?)で!


※1
 ここで驚くのは「(流入人口による)出生率が増えている」という地方自治の基礎データが頭に入っていないということです。
 ここが、私が「河村市長は政治音痴」という所以で。政治を語る上で、その政治が行われる<現実の社会>の仕組み、現状が頭に入っていなければ、単なる「理念のお遊び」「机上の空論」に過ぎなくなってしまうではないですか。先日千種で行われた「Myちくさ21」における参加者の方々の発言であるとか、その前の「東海社会学会」での各研究者の方々の発言が「政治的に意味がある」のは、こういった<現実の社会>に即した課題について語っているからです。それに引き換え河村市長のスピーチを聞いていても、現実的な切実性とか、具体性を感じられない。もう一歩踏み込んで検証してみると、真剣に考慮、対応しようと言う誠実さまで疑われる。その理由は河村市長にこのような基本データに対する興味が無いからではないかと思われるのです。

 更に、ここからこの病理は癌細胞の拡大のように広がり、病巣を大きくしているのです。$市長のための市会ではなく、市民のための名古屋市会を!-富口選挙公報

 こういった<現実の社会>から遊離した河村市長のビジョンは、当然のことながら<現実の社会>に対して何の解決力も持たない、それどころか<現実の社会>に様々な問題を引き起こす原因ともなりかねません。ところが、こういった検証を受けることなく今その政策が28人の市議に引き継がれているわけです。例えば、守山区の富口市議は、その公約の中で「議員報酬半減が実現化できれば待機児童問題は解決できる」と明言している。これは、河村市長の主張を、則竹元市議が受け売りで語り、それを富口市議が公約にしてしまった例だろうと思われるが、この伝言ゲームの中で誰も疑義をさしはさまなかったと思われる(勿論、議員報酬半減は実現化された、そしてそこで浮いた予算は約6億円に過ぎない、逆に、減税を実施しなかった事で浮いた予算から20億円が待機児童対策に回されたのだが、それでも焼け石に水で、待機児童問題は完全解決どころか、その数が日本一になってしまった//まあ、なんでも日本一が好きな市長だから、これで良かったの?)

 真に「減税日本」という団体の中で「政治」が語られているのだとすれば、このような誤りについての相互批判があってしかるべきだろうに、そういった作業が行われているような形跡が無い。このままでは、河村市長の<現実の社会>から遊離した思い込みの政策が、<現実の社会>に様々な歪をもたらすだろう。