市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

一人の名古屋市民が「地域委員会制度」「減税日本」に対する疑問をまとめるサイトです。(since 2011/3/3)

霞と消えた1128億円

追記:令和に入って河村市長が言い出した「10年間累計1,120億円の減税で、1,127億円の市税増収」との発言について、ツイッター上で検証された方が居ます。

※引用ツイート中の「Twitterで会話をすべて読む」または「5件の返信を読む」をクリックすると、論拠が表示されます。

なぜ、名古屋市民は「市民税減税」などという「気が触れたような政策」に振り回されるのか、それはそれを伝えるモノに問題が有るからだ。

有権者がバカなのではない。有権者に歪んだ情報しか伝わっていないのなら、有権者は歪んだ結論に行き着かざるをえない。

現在名古屋市が進めている「市民税5%減税」について、名古屋市が市民(及び法人)へ実施したアンケートの結果とマクロ経済モデルによる経済効果へのシミュレーションの結果を公表した。

「減税日本」代表の河村氏が市長の名古屋市 減税しない方が高い経済成長との検証結果まとめる 東海テレビニュース 2017/11/15
「減税日本」代表の河村氏が市長の名古屋市 減税しない方が高い経済成長との検証結果まとめる 東海テレビニュース(キャッシュ) 2017/11/15

横井利明オフィシャルブログ(前名古屋市会議員):減税しないほうが経済効果!市民税5%減税の検証
横井利明オフィシャルブログ(前名古屋市会議員):市民税5%減税は見直しへ...by減税日本

名古屋市「市民税5%減税しない方が市内総生産等伸びる」報告書 : 市民オンブズマン 事務局日誌

名古屋市会 平成29年11月15日 財政福祉委員会

追記:委員会の模様 長いですが 一時間半ぐらいからの 委員間討議は 是非ご覧ください。

11月16日には中日新聞市民版において「減税ない方が経済効果増」と衝撃的な見出しが踊った。しかし「市が試算、条件次第で逆も」と脇につけている。

そりゃあ、2014年11月12日に名古屋市財政局の止めるのも聞かずに「減税5%効果 市が試算/市内総生産 年1128億円増」と書いた手前、後には引けないだろう。



この1128億円はどこへ行っちゃったんでしょうね?

「社会の木鐸」たるマスコミというものは、叩くことは得意でも自己反省という回路は欠落しているように思える。

これ以上、名古屋市民をミスリードし、「微か」とはいえ(更に「市民税減税の幅」は3.75%に落ちるのだから)市内経済を減退させ、格差拡大に手を貸す、この減税政策に提灯を付けないでいただきたい。それは中日新聞の安倍政権に対する日頃の報道姿勢とは矛盾するものなのではないのだろうか?


さて、当ブログとしては減税の効果なるものもさることながら、このシミュレーションについては是非とも触れざるを得ない。

2014年に行われたこのシミュレータは明らかに「改ざん」されている。
もう、その「改ざん」は疑う余地がない。疑惑でも何でもない。

2015-02-16 減税検証シミュレーションに対する疑惑

図は、今回(2017年)のシミュレータによって得られた市内総生産の推定推移である。
新基準(名古屋市が歳出を起こして事業を行う場合、国庫支出金などの充当も同時に行われるために、これを算出値に加えた。このあたりの事情については 2016-12-11 河村市長は将来に渡って数千億円の公共事業を止めようとしている? を御覧ください。)


当ブログとして注目したいのはやはり赤く示した「対前年増減比」の値だ。
当たり前だが、当たり前だが、毎年異なった値になっている。

では、懐かしい2014年の同じ表を再掲載してみましょう。

この違和感。

減税を実施しようと、実施しまいと毎年同じ比率で市内総生産が増大していく?
10年間に渡って?

こんなバカな話を真に受けられるのか?

更に、その「差額の累計」を紙面に大々的に「1128億円増」の経済効果と書いてしまえる選球眼の悪さ、常識の無さ、または見る目の無さ。ことここに至って、これ以上新聞記者なんて恥ずかしくて続けられるものだろうか。

恥を知るべきだ。


ちなみに、民間最終消費についても2017年と2014年のシミュレーションを掲載しておく。

2017年、今回のシミュレータ

2014年のシミュレータ


こんなものは完全な改ざんであり、情報操作だ。その情報操作(それも、市長という権力者の情報操作にマスコミとして乗った、その批判精神の欠如はマスコミ足る要件を欠く

これ以上は「条件次第で逆も」などという言い訳に汲々とするのではない、一刻も早く、市民、有権者、購読者の為に、事実を報道されんことを願う。こうした紙面は未来永劫残るものだと知るべきだ。

なぜ、名古屋市民は「市民税減税」などという「気が触れたような政策」に振り回されるのか、それはそれを伝えるモノに問題が有るからだ。

有権者がバカなのではない。有権者に歪んだ情報しか伝わっていないのなら、有権者は歪んだ結論に行き着かざるをえない。