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禍福は糾える繩の如し(前編)

さてさて、愛知2区選出の田畑つよし衆議院議員にスキャンダルが発覚し、自民党を離党するだの、議員辞職を求められるだのの騒ぎになっている。

そもそもこの田畑つよし衆議院議員はひじょうに「特異な」経緯を踏んでいる。

前回の衆議院議員選挙後、2017年10月25日に私がフェイスブックに投稿した文章を引用する。

田畑つよしラッキー伝説

今回の選挙戦、名古屋市内の愛知2区から出馬した
自民党の田畑代議士。超ラッキー伝説

平成24年(2012年)自民党比例代表東京ブロックで出馬、名簿順位26位、アベノミクス選挙で当選。
平成26年(2014年)二期目、自民党比例代表東京ブロックで出馬、名簿順位29位、次点落選。

しかし!

平成28年(2016年)当時の東京都知事舛添要一氏が都知事の座を追われると、小池百合子氏が衆議院議員から東京都知事に出馬。小池氏の地盤である東京10区に比例当選していた若狭勝氏が出馬、比例代表としての衆議院議員は失職、若狭氏は東京10区補選で当選。自民党比例選出候補として、次点の田畑氏が繰り上げ当選!

http://www.soumu.go.jp/main_content/000444031.pdf

(舛添→小池→若狭→田畑)の連鎖、将に「政界ピタゴラスイッチ

平成29年3月、自民党にとって鬼門と言われた愛知2区の候補としてお国替え。落ち着く間もなく10月衆議院解散。
小選挙区において、希望の党古川候補に惜敗率71.94%で敗れる。
自民党比例代表獲得枠は7席!
田畑候補の惜敗率は8位!
7位の八木候補の惜敗率は71.99%、その差たったの0.05%!
平成のラッキーマン、田畑つよしの悪運も尽きたかと思われたその時。
なんと、ドント方式による比例議席配分で、5議席獲得した立憲民主党の立候補者が足らなくなった。
というよりも、皆選挙区でも当選して、比例復活が必要なのは4議席だけ。それでも全員当選!
議席再配分のルールで1議席自民党に転がり込む!
超ラッキー!
ところが、ここで台風の影響で、離島の票を回収できなかった愛知12区で自民党候補が敗北している為、両者の「惜敗率対決」にもつれ込む。
ここで水入り、離島の票を回収する為、自衛隊のヘリまで出動するも、風が強くて運べない。投開票の翌日午後8時からやっと愛知12区の開票作業再開、9時30分ごろ、大勢判明。
比例復活第8位として議席獲得。もう一人の候補の惜敗率、最終確定数は70.06%、その差1.87%。
10月22日(日)の投開票日、午後8時に相手候補の当確が報じられた。
日本で一番早く、選挙区選挙で負けた男は、持ち前のラッキーで、日本一遅く比例復活を果たす。

政治家や企業経営者、スポーツにおける監督など、リーダーと呼ばれるヒトには「運も実力の内」
こうした運が有権者や国民に向かえば良いんでしょうけど。

さて、その超ラッキーボーイが今回どういう事になったかというと。

二つの出来事が影響しているのではないかと思われている。1つは、細野豪志衆議院議員(静岡5区・民主から無所属)が自民党へ移ったこと。そして、安城市において市長選挙で大見正氏が衆議院議員から転身して市長選挙に立候補した事だ。

上の文章では敢えて書かなかったが、田畑代議士の後塵を拝し次点に留まったのは青山周平氏である。安城市長選挙で大見正氏が市長に転身した事で次点の青山周平氏が繰り上げ当選する事となった。これで次点は吉川たける氏となるが、吉川氏の地盤は「静岡5区」。

今回、民主党を割って無所属となり、自民党に入ることとなった細野代議士も「静岡5区」である。

細野代議士の自民党入党には二階派が動いたと言われる。
これに岸田派が反発。また、このまま細野代議士を自民党に受け入れてしまえば、自民党の静岡5区選挙区支部長も細野豪志氏という事になり、吉川氏も行き場を失う。

つまり、ここで自民党比例代表東海ブロックの当選議員が「もう一人辞めれば」(または、衆議院議員から転出すれば)吉川氏が復活当選を果たし、自民党静岡5区選挙区支部長の座は吉川氏のものとなる。(細野豪志氏の処遇について再考する必要が出てくる)

(この部分カット)

今回の田畑代議士の場合、確かに警察が動いているという事だが、事情は少々独特なような印象を受ける。それが即座に各メディアに流れて、更に議員辞職ではなく離党という判断に行き着いている。これはスキャンダルそのものの性質よりも、その扱われ方に独特のアングルを感じずにはいられない。

次週の週刊文春に事情が掲載されるそうだが、それも含めて注目したいし、着地点として議員辞職まで求められるのではないかと考えられる。

田畑代議士はなぜ、運命に翻弄されるのか。

(以下、後篇に続くつもり)