市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

一人の名古屋市民が「地域委員会制度」「減税日本」に対する疑問をまとめるサイトです。(since 2011/3/3)

In Front of Your Nose

 自分でもホントじゃないと承知してる物事を信じる能力をぼくらは持ち合わせている。

 そして、とうとう自分は間違っていたと証明されてしまったときには、厚顔にも事実をねじまげて自分は正しかったのだという証にするのだ。

 理屈のうえでは、このプロセスは果てしなく続けていくのも可能だ:これの歯止めはただひとつ、遅かれ早かれ、そういう誤信念は堅固な現実に正面衝突してしまう、ということだ。

 自分の目と鼻の先にあるものを見ようとすると、絶え間ない苦闘が必要になるのだ。

 "In Front of Your Nose" George Orwell

George Orwell: In Front of Your Nose

 ポール・クルーグマン「緊縮に勝利させちゃいけない」 — 経済学101

 本日は大ネタが二つあるのですが、その前に昨日のエントリーについて、少々補足しなければならない。

 昨日のエントリーで私は「日本政策学校」への懐疑を述べた。しかしそれは個人的な感想である。そしてその代表とされる「金野索一さん」についても「評判」をご紹介した。しかし、私がその評判についてどう思っているかは述べていないし、ここでも述べない。
 「日本政策学校」の中身に付いては、批判すべき事柄が色々とあるが、それに参加されるのであればご自由にされればいい。それは私の主観的価値観と相異なるというだけの話だ。

 しかし、昨日のエントリーで紹介したような講座があって、その内容については私は知らないが、減税日本ゴヤの市議が、大枚250万円弱を払って(または最終日の2日間、63万円を払って)自分たちの代表である、河村たかしの政策を聞くというのは、これは異常ではないだろうか?
 ましてや、この講座の講師が河村たかし本人であったとすれば、自分たちの代表であり、名古屋市長である人物の政策、お話を、名古屋市の公金(くどいようだが63万円)を使って聞くというのは、私には異常な風景に見える。

 この場合、河村市長は講師料を得ているのだろうか?

 その原資の一部が、この政務調査費であった場合、それは許される事なのか?

 そんな政務調査費の支出が許されるのだろうか?

 こういった事を捉えて「いただけない」と申し上げたまでです。

都市計画道路「弥富〜相生山線」

 河村市長が誕生した直後、様々な公共事業が「ストップ・アンド・シンク」と称して止められた。平針里山開発*1、西部医療センター*2名古屋城本丸御殿*3そしてこの相生山線。
 
 7日の名古屋市会・土木交通委員会において、この問題が話しあわれた。この工事を停止させているために、名古屋市は毎年「環境調査費」として3千万円弱の予算を計上しているそうである。

 決算を前に、この問題の「目鼻」を付けてもらわないと「決算の認定ができない」と、市当局に対し、議会としての見解を求めた。

 これは尤もな話なのだ。

 河村市長は今回の市長選挙におけるマニフェストで。

 3)相生山(弥富―相生山線)は住民投票で 住民自ら高度な責任ある判断を

 (河村たかし 第2期名古屋市政 新新新マニフェスト(資料付き版) p.22)

河村たかし 名古屋市長選マニフェスト(解説付き) | 減税日本

 と訴えているにも関わらず、住民投票への準備(条例案の制定、提出)を行おうという意思も、指示の形跡もない。この問題については、結果として何も行われないまま、ずるずると4年間(と、少なからぬ公金を)を浪費してしまったというのが、河村市政の一期目の姿であったのだ。*4

 それが今後も続くとすれば、その為の予算を支出し続け、決算を認定し続けるのは市民に対する怠業のそしりを免れない。

 議会として当局の方針を確認するのは当然の事である。

 そして委員会の席上、入倉副市長は「住民投票は(住民意見の集約の)一つの例であり、住民に充分な説明をしたうえで、来年度には工事費をつけて工事の再開をする」と表明したのである。

 この席上、減税日本ゴヤの浅井、林、松山の各委員も「住民投票には拘らない」と表明した。

 また、実は減税日本ゴヤの「平成26年度予算編成に対する要望」にはこうある。

 都市計画道路「弥冨*5相生山線」については、交通渋滞や自然環境など、もっとも影響を受ける地域住民の意見を十分に聞いたうえで、道路建設の必要性について判断すること。 (p.38)

 つまり、減税日本ゴヤは、この予算要望書において、すでに市長マニフェストに拘らず、住民投票を建設の条件としないと表明しているのである。

 これは、天白区選出の減税日本ゴヤ所属議員が、現地の住民との対話において「すみやかな判断を求めるという要望」に同意していることも背景にあるのだろうか。

 そして、本日(8日)昨日の議論を踏まえ、議会として「すみやかな判断を求める共同意見」を自民、公明、民主、新政会、更には減税日本ゴヤも加わって提出しようという調整が行われたが、ここで減税日本ゴヤは意見を翻した。*6

追記:
共産党が共同意見に参加していない理由は、委員会に委員を置いていない事によるものらしい。

 いったい、委員会での発言はどうなるのか?
 予算要望書の記載はなんなのか?
 また、天白区の住民との対話集会で減税日本ゴヤ所属議員が述べた言葉は何処に行ってしまうのか? 


 
 そもそも委員である浅井、林、松山の各氏は、現地住民と対話をしたことがあるのだろうか、「地域住民の意見を十分に聞いた」ことがあるのか?*7


 「決められない政治・河村市政」がまだまだ続く。*8

平成23年「弁明書」

 中村孝道市議の政務調査費不正問題において、提出された書類の中で、特に私は「平成23年12月14日付け弁明書」に興味を持った。

 この記述が正しければ、事は中村孝道市議だけの問題ではなく、減税日本ゴヤが、または党としての減税日本が、はたまた河村代表も承知していた可能性があるのではないか。知っていたのではないかという疑念が払拭できないからである。

 この疑問を解決するために、当時の団長である浅井市議、幹事長である田山市議、更に現在新政会に移った当時の財務委員長である山嵜市議、堀田市議などに事情を聞いた。

 結果として、元スタッフと対話をしたのは堀田市議であることが判明した。
 堀田市議は元スタッフの関係者と面識があり、更に財務委員としてこの問題について元スタッフと会って直接対話をしたそうである。(平成23年の秋)

 しかし、元スタッフが「175000円しか人件費を受け取っていない」と主張したにしても、それを裏付ける証拠がない、また額面25万円の領収書が提出され、政務調査費の支出も行われている中で、それを疑う根拠に乏しい。更に、中村孝道市議自身がその疑惑を否定していたために、それ以上の追求はできなかった。という事です。

 そして、12月になり、中村孝道市議から山嵜財務委員長に提出されたのがこの弁明書になるようだ。

 その後、この弁明書に付いては、特に会派内で内部監査などの決まりも無かったために、このまま財務委員長として山嵜市議が受け取ったままになり、やがて会派離脱の際に、後任に引き継いだということだ。

 ここで二つの問題に気が付く。

 まず、堀田財務委員は元スタッフから、政務調査費の支出に付いての疑義が提示された時に、それを実態的に追求できなかったのか。また、それを会派内で問題として扱わなかったのか。という事だ。

 当時も、そして今も、減税日本ゴヤには財務委員の権限と責任は明示されていないのではないだろうか。結局、会派内規則、ルールが未整備な中で、追求がままならなくなった。形式が整っており、中村孝道市議本人が否定すれば、それ以上追及する材料がないということになる。

 また、堀田市議は同僚議員に相談は投げかけた。
 けれども、会派として、または党として、こういった問題がある際に、それを提示できる先、責任ある対応を行う先が明示されていなかった。(今もない)

 同僚議員としても中村孝道市議の釈明と、現にある「額面25万円の領収書」に、元スタッフの主張をこれ以上容れることはできない。と判断したようである。*9

 また、弁明書を受け取った山嵜財務委員長は、この問題を会派、または党に諮ることはなかったのか。
 上でも述べたように、減税日本ゴヤに財務委員長の責任と権限を定義したルールは存在していなかった。(今も知る限り存在していない)

 その為に、政務調査費の支出に関する最終責任は自身にあると認識し、特に会派の中に諮らなかった。

 つまり、会派、党としての情報共有のルールや仕組みが無かったのである。(今も無い)

 その為に、書類だけを預かり、それを引き継いだということになる。
 引き継いだ財務委員長も、その情報を受け取っただけという事になるのだろう。

 これは、減税日本という組織の組織的欠陥が、この問題を埋め込んでしまい、今日のような結果を来たしているということだ。

 つまり、代表としての河村氏のガバナンス、組織運営能力の問題という事になるのだろう。


*1:これに付いては初期の事業主体(学校)が別の場所に移ってしまい、開発の形が大きく変わった

*2:契約遅延により、名古屋市は設置業者から5億円ほどの損害賠償を求められている

*3:これについては早々に再開して、完成。市長本人もご満悦のご様子だ

*4:米国における議会の政争で、政府機関が停止されるのを見て呆れた方も多いだろう。しかしそのような行政事業の停止は米国だけではなく、この名古屋においても起っているのだ。

*5:ママ

*6:共産党は、この開発に反対なので共同意見には同意していない

*7:というか、そもそも林委員などは、元々大阪の方で、名古屋市民ではない。ここに行った事があるのか?

*8:左の写真はこの事業の「認可標識」だ。延長に継ぐ延長で、日付の上に修正が重ねられている。この一枚一枚に数千万円の血税が浪費されている。その責任者の住所及び氏名は一番末尾に書かれている

*9:つまりこれが「性善説」という事になるのだろ。「性善説」というのは「仲間思い」の人間的な考え方に見えるが、このように第三者に重い責任を持った立場の者が取ると、無責任な結果を生んでしまう