市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

一人の名古屋市民が「地域委員会制度」「減税日本」に対する疑問をまとめるサイトです。(since 2011/3/3)

減税日本はネットワーク河村市長の一部だそうです

 5月17日に減税日本ゴヤの余語幹事長が記者会見を開き、概要「減税日本はネットワーク河村市長の下部組織なので、ネットワーク河村市長が収集した受任者名簿を減税日本が使っても問題ない」という趣旨の発言をしたらしい。

 河村市長はリコール署名簿収集の際に「リコール署名簿に電話番号の記入欄は入れられないのか」と発言して、あまりにも選挙利用が明け透けではないかと反対されたぐらいらしく、この受任者名簿の選挙利用については「当たり前」と思っているらしい。

 ちょっとこれを機会に「ネットワーク河村市長」と「河村サポーターズ」の相違なども含め、様々な言葉について整理してみましょう。

 時系列的な経緯としては、こちらの記事 リコール署名関係タイムライン - 市長のための市会ではなく、市民のための名古屋市会を! Ver.2.0 が参考になると思います。

 そもそも河村市長に対する国会議員時代の支援組織は「ハトの会」と言って。これは代議士の地元後援会ということで様々なイベントや、催事を行っていました。その中でも機関紙「夢・まけるものか」を配布するという作業もあって、結局、この配布ルートの上流(つまり支援者の底辺が広い人)を「大バト」などと呼んだりしていたようです。

 この「ハトの会」は河村たかし支援組織としては強力ですが、旧愛知一区(千種、東、北、西、中村、中、守山、名東)程度しか広がりが無く、名古屋市の南部においては支援組織が弱いといわれていました。


 その後、2009年に河村たかし名古屋市長に立候補すると表明して、それを受けて「勝手に支援する団体=勝手連」として様々な人々が集まったようですが、その一部がその後「ナゴヤ庶民連」として残ったようです。
 「ハトの会」は政治的指向というよりは、芸能人のファンクラブと解釈した方が実態に近いと思います。以前、私が「私たちは政治の話なんか良いんだわ。今日は河村さんの話を聞きに来たんだから」といわれてあ然とした事を書きましたが。今思えば無理もない。

 テレビに出ている有名人のファンクラブとしては、その活動に外野からヤイヤイいうのは野暮な事なので、河村氏が市長で無ければ「ハトの会」の活動に批判する筋合いはないでしょう。しかし、市長としての河村氏であれば意見を言わせて頂きたい。

 「ハトの会」にはそこそこの集票力、組織力というのはあります。
 しかし、「ナゴヤ庶民連」にはこういった組織力や集票力はありませんね。実態的にも参加者は10名から20名程度ではと思えます。

 「ナゴヤ庶民連」はより政治的指向は強いようですが、その内容については今更敢えて申し上げるまでも無い。(興味のある方は、当ブログ内で検索して過去ログを参照してください)


 こういった状態から、リコールを契機に4種類の組織化を図ります。
 河村リコールを支える4層の組織化と6団体という事になります。

 まず、最初に収集されたのが「河村サポーターズ」という事になりそうです。2009年11月23日に設立なので、河村氏が市長になって直ぐに組織化したのがこの「サポーターズ」ということなんでしょう。(翌2010年1月にはサポーターズから市議会議員候補者募集開始もしています。これも後に出てくる文書とは若干ずれています。)

  そしていよいよリコールが具体化してくるとそのリコールを主導する組織が必要となります。(法的にはリコールの請求代表者が運動の責任者ですが、10名であり、運動体を話題とする本稿では敢えて無視します)
 その組織体が「ネットワーク河村市長」で代表者が鈴木望磐田市長です。

 この「ネットワーク河村市長」自身に運動体としての実態があったわけではなく、その下部組織の6団体を「ネットワーク」として繋げたという象徴的な組織が「ネットワーク」になりそうです。

 ネットワーク河村市長を構成する6団体は。
 ハトの会(長谷川守男)、河村サポーターズ(日高敏)、税理士による河村たかしサポーターズ(丹羽徳光)、居酒屋政談くらぶ(高山光雄)、名古屋を考える会(平野保)、そして新生名古屋政策研究会(前田利信*1)となる。

 この6団体についても既に解散消滅しているものもあるし、そもそも実態があったのか怪しい団体もある。

 そのリコール署名を収集する実体として「受任者」という運動体を組織化します。
 今、問題になっている「受任者名簿」というのはこの運動体で、その受任者を募集したのがこの任意団体としての「ネットワーク河村市長」となります。

 そして最後の層が署名簿に署名した人々で約40万人という事になります。

 4層を再確認しましょう。

 河村サポーターズ:現在、名簿掲載数600名?*2

 受任者:募集目標、5000名。各区のリコール署名簿収集責任者が受任者から署名簿を回収、収集した際に「義理があったので名義を貸しただけ」というような人も居たらしい。受任者募集の最終段階で目標の5000名が過大であって、無理な組織化がされたといわれる。
 また、受任者の中には「河村市長は支援しないけれども市議会解散には賛成。なぜなら、新しい市議会議員候補者を支援するから」というような人々も含まれていた。

 ネットワーク河村市長:(人数不明)ハトの会は実体がある*3が政治的ではない。「税理士〜」も実体があるが組織力という意味では疑問。

 署名簿署名者:40万人。河村市長としてはこの層を支援組織としてまとめ上げたかったのだろう。2011年のトリプル選挙における市長選挙で、得票が66万票に上った。名古屋市内で66万票をコンスタントに集票できるのであれば、現愛知1区〜5区という名古屋市内の小選挙区議席比例代表議席議席程度は確保できる。

 つまり、これだけで「減税日本」が政党要件を満たす一会派として自立できる。

 と、まあ、これが河村市長がリコール署名運動を利用して組織化しようとした名古屋市内の集票マシンの実体でしょう。

 66万票という数字は恐ろしい破壊力を持っているのは確かです。しかし、あのトリプル選挙にはいくつかのトリックがあります。その簡単な例示はリコール賛否の投票で、「解散に賛成とするもの」は69万6千票を獲得しているという事実です。

 今また、リコールをやったらどういうことになるか。非常に興味深い思考実験です。*4

 この4層の「支援者」の中でも「受任者」それも特に名古屋市南部の受任者の組織を、河村氏は組織化したかったのではないかと観測する人はいます。
 名古屋市内にアクティブな支援者が5000名居るというのもパワフルな話ですよね。

 その為には「受任者名簿」に記載された人々に機関紙などの送付や、定着点検といった活動が必要になるのでしょう。その為には「受任者名簿」を減税日本が選挙活動に使用する必要があるのでしょう。

 つまり、ここで無理やりでも「減税日本による受任者名簿の利用」を法的に問題無い事としておかなければならないのです。(しかし、それは逆に言えば、「やはりあのリコール運動は減税日本の選挙活動のための運動だったの?」という事になりますけどね)

 さて、では17日の文書を見てみましょうか。「記者懇談会配布資料」ということですので、今後も一般市民に説明されるか不明です。こういった情報公開については「北並み」ですので、多分、公開されないんでしょうね。なので、正確を期する意味もこめて全文引用します。

平成24年5月17日
減税日本
・ネットワーク河村市長は政治団体登録されているのか。
 されていない。「河村サポーターズ」、「河村たかしと名古屋を考える会」は政治団体登録していたが、既に政治団体解散届けを提出済。
 「ネットワーク河村市長」構成6団体:
  ハトの会(長谷川守男)
  河村たかしと名古屋を考える会(平野保、H22.11.15 政治団体解散)
  新生名古屋政策研究会(西川俊男
  河村サポーターズ(H23.4.27 政治団体解散)
  税理士による河村たかしサポーターズ(丹羽徳光)
  居酒屋政談くらぶ(高山光雄)

・ネットワーク河村市長と減税日本は別団体ではないか。受任者登録ハガキ下部の文言の「第三者」にあたるのではないか。

 ネットワーク河村市長は、当時の河村支援団体( 河村サポーターズなど)がリコール活動にはじまり、市議会議員候補者擁立などを通して、名古屋市政の改革を目指した活動の総称である。減税日本はその活動の中から生まれた下部組織であり、ネットワーク河村市長の一部であると言える。

 減税日本の市議選公認候補(一次公認)はネットワーク河村市長6団体の面接を受けた結果決まった。つまり、候補者の選定自体をネットワーク河村市長が行ったものであり、また、減税日本の顧問にはネットワーク河村市長構成団体の代表が就任している。

 ネットワーク河村市長と減税日本はほとんど同時(ネットワーク河村市長設立 H22.3.24 、減税日本設立 H22.4.26) に設立された。市議会をリコールして新しい候補者を議会に送るというのはもともと予定されていた流れであり、そのために減税日本が設立された。すなわち、減税日本の設立は、ネットワーク河村市長としての活動の一連の流れの中にあった。

 以上より、減税日本はネットワーク河村市長が行った一連の市政改革活動の一部であり、「第三者」にはあたらない。 

 
 「よって、減税日本は受任者名簿を利用する」と言いたい訳でしょう。

 これを書いた人は個人情報保護法の成立過程の法理を何も知らないようです。

 つまり、「ネットワーク河村市長」*5や「減税日本」がどう思うとか、どういった存在という事など二の次なんですよね。権利主体である署名者や、この場合の受任者がどう認識しているかが大切で、受任者に事前説明無く、勝手に「一体である」と別名の団体が流用し始めたら流用です。政治活動でなければ完全アウトでしょう。

 けれど、そこにもあまり突っ込みを入れる気になりません。

 だって、これ自縄自縛の文章なのですから。

 ネットワーク河村市長と、減税日本(代表は河村市長です)が一体であるのであれば、「ネットワーク」の鈴木代表に求めていた責任を河村市長に求めれば良いのですね。

 非常に簡単になります。

 河村市長、今まで一体であったのにダンマリ決め込んでいた責任も含めて、
 原発県民投票・静岡への質問状 - 市長のための市会ではなく、市民のための名古屋市会を! Ver.2.0 これらの質問には河村市長が答える義務があるのですね。 (鈴木氏の発言を「代表の個人的な認識を述べただけ 」といったような今までの見解との齟齬も気になりますが)

 ところで、この文章については河村氏の意向から、広沢県議がまとめて余語幹事長が記者懇談したもののようです。


 (ここから、ある特定の人たち向けとなります。その人たちが気が付かない可能性もありますけどね)

 減税日本としての行動に、河村市長の意向が反映されない筈がありません。

 23年度の減税日本ゴヤ執行部。つまり、田山前幹事長や浅井団長の問題について、彼等が勝手にやるわけが無いじゃないですか。全部、河村市長の了承、というよりも、河村市長の意向で「アアなった」のですよ。いい加減に気が付くべきです。
 本当にこの両者が河村市長の意向を正確に反映できていないのであったなら、なぜ、浅井団長は留任できたのですか。

 こんな簡単な嘘も見抜けなければ(以下略)



 今、電話がかかってきて情報提供されましたが。やはり、河村氏は居酒屋で酔った勢いで「思いつく事」を電話して指示するそうです。
 気の回る人はそんな酔ったような話(というよりも、文字通りお酒の上での話し)をまともに取り合いませんが、不慣れな人は右往左往させられるようですね。
 まったく「居酒屋政談」とは良くもつけた。
 居酒屋で酔った勢いで「児童虐待が」「子どもの悲鳴が」とか言っているのでしょうか?それって、人間としてどうなんですかね。

*1:下の文章とは時期が異なるようである。

*2:一時、政治団体として届出がされており、その団体の収支報告書では会費(500円)納入者が13名となっていました。

*3:ハトの会では組織力を「バス何台」と表現するようで、アクティブとしておおよそ400名程度(バス20台?)は組織化されている模様。

*4:今リコールをやったら、それは現在の減税日本ゴヤ市議たちに対する失望を含むのでしょうから意味が違います。思考実験ということで言えば、減税日本ゴヤ含む現在の市議会と、リコールを受けた当時の市議会では、「どちらを取りますか?」という選挙をしてみたいものです

*5:書いた広沢県議に一つアドバイス。こういった文章は配布資料とは言っても、こういった冗長な名称は早々に略称にして、逆に日付についてはちゃんと年号を書いたほうが良いですね。年号は、どなたが付けたのか尊重するという意味で、公職者の自覚がある人ほど尊重するものです。