前回のエントリーで文藝春秋の7月号に掲載された河村論文について検討した。文中でも様々な方々がこの文章の疑問点を指摘していると書いたが、そうした中から2つご紹介したい。
まず、河村自身が、この寄稿について告知しているツイートを引用しておこう。
とんでもニャア 文芸春秋 選挙直前 大村知事 河村たかし間違った独断独裁批判記事。河村たかしからの反論。文芸春秋2021/06/10今日発売 記載。是非 皆さん 読んでちょう。意見 河村たかしまで 寄せてちょうだい。待っとりますがね。疲れるけど河村たかしは twitter
— 河村 たかし(本人) (@kawamura758) 2021年6月10日
一切ブロックなしだよ。 pic.twitter.com/iY94pqK0h7
このツイートに大量のリツート、リプライが送られているが、興味深いのはこの文章を読んだ者が河村に対して疑問点を投げているものが多いのに対して、河村に声援を送っているようなリプライについては「読んだ」というものが異常に少ないという傾向だ。
結局、河村を肯定的に扱う者は、河村が何を言っているかには興味がなく、単に有名人、市長であるから肯定的に声援を送っているようにしか見えない。
しかし、徐々に河村の主張そのものに対して疑問を感じ、それに対して主体的に検討を加える有権者、主権者が増えている。これこそが責任ある民主主義の姿であると思うが、そうした姿を垣間見ていただけると思う。
みつさん(1)
では、ご要望に応じまして。
— みつ (@neko_yuki_nya) 2021年6月10日
大村知事は嘘を言っていません。
①年金を受け取らないと寄付になる?
総務省と衆議院に聞きましたが、考え方の一つ
でしかないそうです。したがって受け取らない
選択も当然できます。
みつさん(2)
②文化庁の補助金申請をしたから公共事業
— みつ (@neko_yuki_nya) 2021年6月10日
文化庁に電話で聞きましたが、文化庁の補助金を
使うイコール公共事業とは言えないとの回答
でした。
あいトリでは、市長がどう主張しても、多数決で
市長の意志が否定されることもありますが、
これでも公共事業ですか?
ちなみに市の担当課に電話で聞いたところ、
— みつ (@neko_yuki_nya) 2021年6月10日
はじめは「税金を払っているので公共事業」
と自信をもって答えておられましたが、
上記を伝えると、対応が180度変わりました。
都合が悪かったのでしょうね。
この件、訴訟案件だと思うので、文春で言わず
訴訟で解決してはどうですか?
みつさん(3)
③あいトリ作品展示プロセスについて
— みつ (@neko_yuki_nya) 2021年6月10日
少女像につき、市の担当者が県の担当者に確認した
ところ、「大村がいいと言っている」などと答えた
事実はないとのこと。
県の方でとっくに検証済みのことを蒸し返して
嘘つくのはなぜですか?
また、これも文春で言わず訴訟で解決しては? pic.twitter.com/tAELxTHHB2
補足:あいちトリエンナーレのあり方検討委員会(2019年12月18日開催)資料より
https://www.pref.aichi.jp/uploaded/life/266680_923802_misc.pdf
みつさん(4)
④展示中止について
— みつ (@neko_yuki_nya) 2021年6月10日
貴殿は、「(大村知事が)不適当となったと判断した時には、出品作品の展示を中止することができるものとする」と書いていますが、実際は、災害および第三者の権利を侵害した場合のみ展示中止可能。
契約内容の嘘をつくのをやめてください。 pic.twitter.com/XuIlj3DNMf
補足:「あいちトリエンナーレ2019」作品選定・制作・展示業務契約書
https://www.pref.aichi.jp/uploaded/life/302900_1139858_misc.pdf
※ちなみに大村知事が大浦さんの作品について「契約違反」との発言をしたのは、2019年10月6日 フジテレビ系列 日曜報道 出演時だとのことです。その発言を確認しましたが「契約違反である」といったわけではなく、「まさに契約違反的である」と評したもので、更にそうしたプロセス上の問題が有っても、事前に展示を抑制することは別の問題を引き起こすという認識を述べられており、河村寄稿文はそうした前後関係を抜いた、まさに「切文」であると見なせます。
みつさん(5)
⑤名古屋市を訴訟したことについて
— みつ (@neko_yuki_nya) 2021年6月10日
名古屋市を訴訟したのはあいちトリエンナーレ
実行委員会であり、書面評決の多数決で、提訴が
決定しています。
知事個人の判断で訴えたかのような表記
やめてください。
みつさん(6)
⑥リコール発案者、紹介者について
— みつ (@neko_yuki_nya) 2021年6月10日
もはや大した問題ではありません。
ところで、田中氏を事務局長に推したのは
市長なんですよね?
https://t.co/FgxIXPqehl pic.twitter.com/iCDMXxvmFj
みつさん(7)
⑦2020/6/1に田中氏の勧めで高須氏に電話し、いぶかしがられながらも「リコールやらんかね」となったとのことですが、高須氏はそれより前に市長から電話受けているようです。
— みつ (@neko_yuki_nya) 2021年6月10日
また、6/1に電話してすぐ集合、6/2には政治団体届出準備も会見会場も準備できていたということ?https://t.co/4Qnsc4qQ08
みつさん(8)
⑧市長が不正署名に気づいたのは2/15とのことですが、前年の12/1に市議会で追及されたこと、昨年末に選管の不正署名調査の費用をOKしていること、はお忘れですか?
— みつ (@neko_yuki_nya) 2021年6月10日
また他の請求代表者は昨年11月から不正署名調査を各選管に行ってやっていましたが市長は2月にならないとやらなかったのはなぜ? pic.twitter.com/FndwnSejEp
みつさん(9)
⑨知事の11月4日の会見の発言で、知事が署名が集まっていないことと、本人の署名かどうか、ということを言ったことを怪しんでおられますが、
— みつ (@neko_yuki_nya) 2021年6月10日
横のつながりから情報を得ることはそんなにおかしいですか?
また2010年のリコールでこんな問題があったからじゃないんですか? pic.twitter.com/6uPNXbt0HV
みつさん(10)
⑩市長は事務所から遠ざけられたと言いますが、10月18日に開催された請求代表者会議にも秘書と一緒に顔を出し、「反響がすごくいい」などと、請求代表者すら知らない情報を請求代表者に向かってしゃべっていましたよね。
— みつ (@neko_yuki_nya) 2021年6月10日
なぜそんな大事な情報を知りえたんですか?
みつさん(11)
⑪市長は独自調査を終えたということですが、市長が不正に関与していないと言い切れるのは、
— みつ (@neko_yuki_nya) 2021年6月11日
1.河村事務所およびハトの会、請求代表者のうち河村関係者10名ほどの署名と指紋の照合
2.ネットワーク河村市長名簿との照合
3.2010年リコール時の署名簿との照合
をやって白となったときです。
河村は「意見 河村たかしまで 寄せてちょうだい。待っとりますがね」とツイートしているわけだが、以上のような疑問についての回答はない。
loot さん追求
河村市長は、2月まで署名に不正はないと思っていたと言っています。
これについて、 loot さんが時系列に沿って検討されています。この検討から導き出される結論は興味深いものです。
先日のこの記事。
— loot (@loot1217) 2021年3月16日
河村市長は10年前の市議会リコールの件があって選管を信用できず、「初めは選管が嘘を言ってると思った」と言ってます。
本当にそうでしょうか。
時系列で追ってみます。https://t.co/NU2WvnlfUn
引用記事のキャッシュ
2020/11/3
11/3、不正署名が騒がれる前、公開集計の日です。
— loot (@loot1217) 2021年3月16日
河村市長はスタッフ(うちのスタッフと言ってますね)から「同じような署名がある」と報告を受けたそうです。
ああ、水野氏や倉橋市議よりも早く不正署名を発見できたのに!
まず最初のチャンスを逃します。 pic.twitter.com/pdSdRw5fXL
2020/11/16
11/16、河村市長は大村知事に公開質問状を提出。
— loot (@loot1217) 2021年3月16日
このツイートには、不正署名疑惑を伝えているリプが沢山あります。
最初の記事にあるように、河村市長はフォロワーを支持者と思ってます。
支持者の声は聞こえなかったのでしょうか。
また気づくチャンスを逃しました。https://t.co/zjr1ybe6dW
2020/12/1
12/1、市議会で横井市議から不正署名について質問を受けます。
— loot (@loot1217) 2021年3月16日
またこの情報が選管からではなく、リコール活動してた人達からだと横井市議は言ってます。
市長は選管を疑ったのではなく、リコール活動してた人達を疑ったのです。
また気づくチャンスを逃しました(3度目)。https://t.co/QHJzoUFp7m
2020/12/4
12/4、一部の代表者やボランティアが「署名7~8割が偽造だろう」と会見をしました。
— loot (@loot1217) 2021年3月16日
また東海テレビが、不正署名に書かれた住所を訪ねるという取材もしています。
ここで河村市長は「不正不正言っとるけど、無効ですわねそれ」とコメント。
4度目のチャンスを(略)(4度目)https://t.co/wFPjJKYRZn
2020/12/21
12/21、ここでやっと選管が不正署名の調査をする事を発表します。
— loot (@loot1217) 2021年3月16日
河村市長は「そんな権限がどこにあるのか」と選管の調査を嫌がります。
気づくチャンスを逃すどころか、気づく事を拒否するような姿勢です。(5度目?)https://t.co/tO4jxAghZP
2020/12/28
12/28、14選管での調査結果が発表されます。
— loot (@loot1217) 2021年3月16日
やっとここで河村市長の「選管は信用できない、初めは選管が嘘を言ってると思った」が始まるわけです。
11/3の河村市長スタッフの不正署名報告から約2ヶ月たってるけど、「初め」って一体何でしょう。https://t.co/QOWZHyvr7W
2021/2/1
2/1、ついに河村市長は「不正署名があったのでは」と気づきます。
— loot (@loot1217) 2021年3月16日
長かったですね。
「僕は被害者であり、怒りに震えます」の名言が飛び出したのもこの時です。https://t.co/wfR3mx5Ybl
2021/2/16
この後は2/16に佐賀の件が発覚したり、ご存知の流れです。
— loot (@loot1217) 2021年3月16日
河村市長は「10年前の件で選管を信用してなかった」から気づけなかったのではありませんでした。
自分のスタッフ、市民の声、リコールの代表者やボランティアの声、メディアの取材などを信じなかった結果、不正署名に気づけなかったのです。
考察
10年前のリコールでいろいろあったから、選管を信用しなかったのも仕方ないな、不正署名への対応が遅れたのも仕方ないな、と思ってはいけないと思います。
— loot (@loot1217) 2021年3月16日
自分のスタッフ、自分が応援してた運動に関わった人々、そして何より市民の声を聞かなかった市長。
河村市長には市長の資格があるのでしょうか。
概要版
私も文春見て気になったところを1か所だけ。
— loot (@loot1217) 2021年6月10日
河村市長は当初偽造署名の存在を信じておらず、権限濫用になりかねないと選管の調査に反対。
気づいたのは2/15で、「あんまり反対すると市長自身が疑われますよ」と市の役人に言われ、知人の請求代表者2人に調査させたからだ…と文春に書かれてます。 https://t.co/Kcr97aoJs5
つまり河村市長は、
— loot (@loot1217) 2021年6月10日
11/3、公開集計時に河村側スタッフから「同じような署名がある」と報告を受ける
12/1、市議会で横井市議から偽造署名について質問
12/4、ボランティアが会見
12/28、14選管での調査結果「8割が不正」と発表
これらがあったにも関わらず偽造署名を信じず、
しかし2/15に「あまり反対すると市長も疑われる」の一言で急に知人に調査を命じたという事になります。
— loot (@loot1217) 2021年6月10日
自身のスタッフ、市民の声を聞いた市議、リコールで戦ってくれたボランティア、選管。
これらの声ではなく、「疑われるのは困る」という気持ちでやっと調査したわけです。
河村さん、文春の原稿書いてて恥ずかしくなかったですか?
— loot (@loot1217) 2021年6月10日
庶民派というイメージで売って人気の市長が、市民の声で動いたのではなく、「保身のため」という動機で調査したと自分で書いてるんですよ。
更に言うと、河村さんは12/1の横井市議の質問を、自分に疑いをかけるような質問だと捉えてましたよね。
— loot (@loot1217) 2021年6月10日
文春に書かれていた生年月日の話も出して、自分のところの名簿ではないと反論してました。
しかし横井市議も言ってたように、市長の潔白を証明するためにも調査が必要だったんじゃないですか?
結局、疑われるのが嫌で逃げ回り、選管の調査も反対していた。
— loot (@loot1217) 2021年6月10日
しかしこれ以上逃げると逆に疑われてしまうという判断を途中でした。それが2/15。
そういう単純な話にしか見えません。
市の役人というのが誰かは知りませんが、もっと早く忠告してもらえばよかったですねw