市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

一人の名古屋市民が「地域委員会制度」「減税日本」に対する疑問をまとめるサイトです。(since 2011/3/3)

政治は事実を元に議論すべきである/ゼロスタート、名古屋城問題

あ゛~めんどくさい。

私は政治は事実を元に議論されなければならないと思っている。
嘘や思い込み、先入観から議論してはならない。

そういった議論が好きな方は、実態政治の世界から離れて、居酒屋でくだをまくか、ネット掲示板にでも書き込みを行ってほしい。

以前、名古屋市議会リコールを行った市民活動家たちが、議会リコールを成立させて「名古屋庶民連」という名前で月に一回会合を持っていた。私も興味を持って参加してみたが、思い込みや勘違い、それに名古屋市政とはそぐわない、つまりは議論しても虚しい議論(というよりも、意見表明)に終止し、「事実を元に議論しましょう」とくどいほど訴えていたことがある。

ある時、この「庶民連」の会合で、参加されたお年寄りが「歩道の立木の根が広がって、歩道が歩きにくい、躓いて転びそうになった。立木の管理をしっかりして欲しい」と言われた。私は必要な指摘と思いメモを取っていたが、しばらくして休憩となり、市民運動家として有名らしい方が私の近くに来て「レベル低いでしょう」といわれた。なんのことか判らなかったが「歩道の根上りなんか議論しても仕方がないのに」と言われて「カチーン」と来た。その方は、「市民運動家」らしく、確か「環境保護」だかなんだかの話をしていたと思ったが、私にはそんな空理空論の議論より、お年寄りの市民が「歩道が歩きにくい」と言われる意見の方が何倍も価値があると思え「レベルが低いのはあなただろう」と言わなくても良い「憎まれ口」を叩いてしまった。そういえば、思い出した。その人物の隣には、あの「水野昇」氏が座っていたんだった。

そのうち、例えば「市民税減税」の議論などになり、定率減税の逆進性や、庶民連のオピニオンリーダーみたいなひとが「私は市民税減税を還付された」などと言ったりしたので(市民税減税は「還付」されない)そうした事実誤認を指摘していたら、「帰れコール」を頂いた。まあ、バカバカしくもあったので、参加しなくなったが、次の月の「庶民連」の会合パンフレットに「事実を元に議論」とか書かれているのを見て笑った。

私も「加速主義」やら「闇の啓蒙主義」さらに例えば「クリプト・アナキズム」の議論が嫌いなわけではない。しかし、それにはそれにふさわしい舞台もあるし、対象も異なる。名古屋という地方自治の舞台で、「闇の啓蒙主義」の話をしてどれほどの意味があるのだろうか。

また、こういったディレッタントなテーマにおいても、やはり嘘や思い込みは障害にしかならない。事実を元に議論を進めなければならない。

昨年の知事リコール運動の請求の趣旨は4項目あって、その内の3項目は一昨年の「あいちトリエンナーレ」に関する主張であり、それを理由として知事の解職を求めている。しかしこの理由なるものは全くの嘘かデマで、事実を元にする議論において論駁可能なものばかりだ。論理的に論駁されているような事柄を繰り返し訴えるのはバカだろう。自分がその論理を理解できないのは他人の責任ではない。

その結果が、660万愛知県民(有権者)の内、実質的に知事リコールに賛同し署名したものが7万人程度しか居なかった。1%程度であったという事実だ。(この約1%というのは大体「ネトウヨ」の対人口比率と同じだ)

つまり、知事リコールにおいては、あんな解職請求の趣旨に賛同できる方が特殊なのであって、もっとちゃんと事実や常識を踏まえれば、別の結論が得られたはずだ。そうした事実確認や思考を怠ったために、もっと常識を外れた署名偽造などといった事象が発生したのではないだろうか。出だしが嘘で始まったものを、嘘に嘘を塗り固めて大きくしていくうちに、偽造などという嘘に行き着いた。こうした事実を見つめ、何が正しく、何が間違っているか、冷静に自己を見つめ直さなければ、これから先の人生で同じような過ちを繰り返すだろうし、そうした過ちを顧みないようにしていることは、自分の人生を真剣に歩んでいないように思える。

人生において成功や幸運は自分自身を高めてくれない。ただ、そうした成功や幸運を享受していればいい、しかし、失敗や不運こそは、自分自身を高めてくれる。失敗から様々な事柄を学び、自分の足りなさを補うことができるし、不運を乗り越えることで、自分自身の可能性を高めてもいける。不運こそが、次の不運を乗り越える訓練となり、備えとなる。

失敗を犯しても、他の誰かの所為にしてみたり、言い訳がましいごまかしで自分を慰めたり、不運にあって、人生から逃げ、自分の本当の可能性を試さないのであれば、安楽な人生ではあるだろうが、そんな人生に意味など見いだせるだろうか。

72歳になって、そうした責任逃れ、言い訳、逃避を繰り返し、誤魔化しの人生を送ってきた人物の、更に重ねる嘘を聞いていると、あんな情けない人生だけは送りたくないと思えてくる。

 

さて、政治は事実を元に話し合われなければならない。

こんなツイートが目についた。

横井市議のマニフェスト

5. 教育
小学校における教科担任制の導入を進めます。

とあるが…
2015年2月に名古屋市は『教科担任制を導入する。全小学校への拡充を目指す』と公表していた。

河村市政、色んな面で頑張って来てた、と言えそう

つまり、今回名古屋市長選挙に立候補している横井候補がマニフェストで「小学校における教科担任制の導入を進め」るとしているが、新聞報道によると、2015年に名古屋市はすでに「『教科担任制を導入する。全小学校への拡充を目指す』と公表していた」のだから「河村市政、色んな面で頑張って来てた、と言えそう」と解釈したのだろう。

これを「嘘」とは言わない。しかし、現実をほんの一面からしか見ていない、典型的な視野狭窄の判断だ。
そもそも「河村市政」が「頑張って来てた」とする根拠など無いのだ。

つまり、一面の事実を見て、思い込みから、ありもしない結論を導き出してしまっているのだ。

 

では「事実」を提示することで、その思いつきと、誤った結論について指摘しよう。

まず、横井市議は元々小学校の教諭で、初等教育のプロだ。
横井市議のブログにおいて最初に「教科担任制」の提案があったのは、2010年5月29日となる。

blog.livedoor.jp

続く2015年1月16日には、自民党市議団の予算要望として「教科担任制の試行実施」が盛り込まれている。

blog.livedoor.jp

つまり、横井候補本人としては、2010年に課題として捉え、制度の評価や研究の結果、2015年に会派としての予算要望という形で、具体的な施策を進めようとしていたということだろう。上記の新聞記事は、こうした動きを捉えたもので、これが果たして「河村市政」が「頑張って来てた」と言えるのだろうか。

横井候補のブログをみると、それだけにとどまらない。
2019年11月議会においては、会派の松井議員が「教科担任制」の拡充や「小中一貫教育の導入」さらに「中学校における自校直営方式による給食の導入」なども論点に上げている。つまり、昨日今日思いつきで掲げた「マニフェスト」ではないのだ。10年以上の積み重ねがこの言葉には込められている。

blog.livedoor.jp

これは、多方、市議会議員の「多選の重要性」をも示す。「教科担任制」という一つの施策を捉えてみても、課題として把握してから、試行までに5年、更に拡充を訴えるまで4年かかっている。これを2期、3期で市議が次々に替わってしまったら、市民の意見が反映されず、市当局の官僚機構に都合の良い施策だけが実行されるようになるだろう。議会の議論は歴史性を失い、薄っぺらいものになるだろう(ネットで検索して、その内の一つの新聞記事で何かを判断するようなね)
そうした弊害を考えれば、予算権や人事権を持たない二元代表制における地方議員については、多選を重ね、プロの職業議員として、プロの行政官僚である市当局と対等に対峙して貰う必要がある。

さて、たった2,3行の思いつきの勘違いを論駁するのにも、このように数行の論考が必要となる。この人物は他にも色々勘違いをしているが、その内の一つについては、面倒なので論駁せず、キーワードだけ指摘しておく。この人物は「設楽ダム」の建設に反対しているようだが、名古屋市は(つまり、頑張っている河村市政は)それにどのような見解を持っているか。「名古屋市地域強靭化計画」(令和2年12月)を確認されるとよろしいだろう。

 

次は、某所で配ろうとしている「名古屋城問題」のパンフレット

ロスタート、名古屋城問題(名古屋城問題をA41枚で説明する)

A.名古屋市民は木造化など求めていない(民意のない施策であること)

1.名古屋城木造化について、名古屋市民の意見を聞くとした「2万人アンケート」は、木造化のカラーパンフレットやDVDなどを同封した豪華なもので、是非を聞くというより、木造化を売り込む内容で、アンケートは設問の中で「耐震改修をしても40年しかもたない」という事実※1に反する嘘によって誘導された回答であって、そもそも正常なアンケートとは言えない。その中で市長案に賛成した者は1,553人しか居ない。圧倒的多数は「無回答」であって、この12,776人と鉄筋の耐震改修案賛成の1,900人を足すと14,676人となる。これだけのひとが木造化に興味がないか、反対していた。

2.名古屋市名古屋城全体整備のための保存活用計画を策定した。木造化事業もこの全体計画に盛り込まれていなければならない。この計画へのパブリックコメントの結果は、異例なことに即座に公表されなくなった。※2 寄せられた意見中、木造化に肯定的な意見は9件であったのに、否定的な意見が140件となったからとも思われる。名古屋市は木造化に対して真っ当な意見交換をせず、否定的な市民の意見は隠蔽しているのである。

B木造化事業の支離滅裂(事業自体が政治的プロパガンダ、虚像に過ぎないこと)

1.名古屋城裁判の簡単解説

 木造化事業は基本設計、実施設計、施工という3つの業務に分けて契約される。事業の契約書の中に「業務要求水準書」という準拠書類があって、そこに「実施設計に着手する前の基本設計の段階において、文化庁における『復元検討委員会』の審査を受け、文化審議会にかけられる」と書かれている。※3 しかし復元検討委員会の審査は受けておらず、よって基本設計も完了していない、にも関わらず基本設計代金を支払ったのは違法だ。(その他、1日検査の問題、指示書の問題、納品物が収められていないなどの問題もある)

2.木材買付のインチキ

 名古屋市は木造化の為の木材買付予算を94億円付けて、買付を進めているが、議会はこの予算について「現状変更許可の見通しを立てて」と条件を付けている。見通しもなく予算を消費し、保管には1年間1億円の追加予算が必要となる。

3.先行解体案の意味

 木造化事業の是非の前に現天守を先行解体する案については、それによって木造化反対派の声を黙らせようとする圧政でしかない。

※1:「史跡等における歴史的建造物の復元の在り方に関するワーキンググループ
-鉄筋コンクリート天守等の老朽化への対応について(取りまとめ)- 文化庁

 

史跡等における歴史的建造物の復元の在り方に関するワーキンググループ-鉄筋コンクリート造天守等の老朽化への対応について(取りまとめ)- | 文化庁

 ※2:「18/7/25(水)名古屋市名古屋城跡保存活用計画に対する市民意見まとめは手引に従い1か月でwebから消えた」 - 名古屋市オンブズマン

名古屋市「名古屋城跡保存活用計画に対する市民意見まとめは手引に従い1か月でwebから消えた」 : 市民オンブズマン 事務局日誌

※3:「名古屋城天守有形文化財登録を求める会」 

peraichi.com


「木造化への賛成、反対の以前に、
ぜひ事実に基づく、市民の意見を聞き、議論の機会を求める」