市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

一人の名古屋市民が「地域委員会制度」「減税日本」に対する疑問をまとめるサイトです。(since 2011/3/3)

口は塞げても事実は変わらない

「平成30年度開催 名古屋城天守閣木造復元 市民向け説明会」というのに参加した。

名古屋市:平成30年度開催 名古屋城天守閣木造復元 市民向け説明会・シンポジウム(観光・イベント情報)

昨日、1月22日の瑞穂文化小劇場における「説明会」だ。

市民との質疑に時間を割くと言っているそうだが、その説明に虚偽が含まれており、そうした虚偽、回答漏れを追及すると司会者がそれを遮るという、非常に不公正な運営がまかり通っている。

市の職員が説明の誤りを認めている時に、その発言を司会者が遮るように司会者席を離れて市民をさして「うるさい」などと不規則発言するとは何事か。その不規則発言の向こうで市の職員がまたまた問題発言を繰り返しているにも関わらず、その問題発言の追及を行わずに発言を遮っている。

当局においては、当日の動画ぐらいあるのだろうからその検証をしてみるべきだ。

そもそも、名古屋城天守閣木造化事業自体が、虚偽から動いている事を自覚せねばならない。

名古屋城天守閣木造化事業とは、とりもなおさず現名古屋城天守建物の取り壊し事業に外ならない。

そして、現名古屋城天守建物(再建は昭和34年)は、大阪城天守閣(再建は昭和6年)と同等に、適切な取り扱いを行えば「登録有形文化財」となる価値の有る建築物である。そしてそれは戦災の悲惨を伝える「トラウマ事態からの回復とリコンストラクション」の(前近代的ではあるけれども)昭和的事例であり、その昭和遺構としての復元自体を保存するという歴史的、文化的意義を持つものである。(本事業においてはこうした議論はなされていない、特に、天守閣部会という「有識者会議」では、こうした当然指摘されるべき論点が取り上げられていない、つまり「有識者」のレベルが知れるというものだ!)

ここについて付言するならば、まだ戦後復興の緒に付いた昭和34年という段階で、復元された現天守、及び天守台は、確かに乱暴な工事を受けたともいえるかもしれない。しかし、それは昭和34年という技術水準を思えば現実的な事であり、その中でも外観復元においては優れた造形が実現されたのであって、現在に至るも様々に参照利用され(現市長の私党である「減税日本ゴヤ」ですらHPのタイトルバックに利用してもいる。彼等は自身が利用参照している名古屋のシンボル、名古屋城の造形自体を、自ら破壊しようとしている事を理解しているのだろうか?)

この復元の美しさには議論をさしはさむ余地は無い。この優れた建築物を破壊する理由が判らない。

いわゆる「2万人アンケート」においては、当ブログで繰り返し指摘しているように「耐震改修しても40年しかもたない」という極めて稚拙な詭弁によって、その存続を否定されている。「耐震改修」とは建築物の耐震性を向上させるものであって、長寿命化を直接図るものではない。建築物の長寿命化工事というものは別にあるのであって、それは大阪城における「平成の大改修」においても用いられている。

大阪城天守閣

(外部改修工事の中の「アルカリ回復工事」がそれである)

文化庁は「史跡等における歴史的建造物の復元に関する基準」(平成 27 年 3 月 30 日 史跡等における歴史的建造物の復元の取扱いに関する専門委員会)において。

ウ.復元以外の整備手法との比較考量の結果、国民の当該史跡等の理解・活用にとって適切かつ積極的意味をもつと考えられること。

http://www1.city.matsue.shimane.jp/bunka/bunkazai/matsuejyou/sisekimatsuejyohozonkatsuyou.data/siryou5.pdf

と定めている。大阪城の「平成の大改修」において行われた先行事例について、現名古屋城天守建物について、その効果、費用等を「比較衡量」すべきであるのに、名古屋市はそれを行っていない。それはこの文化庁の基準に反する行為であり、怠慢である。

まことに、名古屋市、及び 名古屋市長 河村たかし は姑息でさもしい。

堂々とした議論ができない。

堂々とした議論ができるのだというのなら、反論してみれば良い。できやしない。

反論できないのでコソコソと不公正な手を打って、違法な建築物を建てようとしている。
それは違法であるばかりでなく、来場者、入場者にとっては危険な建物であり、火災や地震が発生した場合、少なからぬ重篤な被害が発生する。

単なる小心者の功名心のみの為に、名古屋市は貴重な文化財である現名古屋城天守を破壊し、危険な木造建築に2000人とも3000人とも言われる人々を入れようというのだ。

万が一の場合、その被害を生みだしたのは、名古屋市長 河村たかし であり、その尻馬に乗って法令無視を繰り返した市職員であり、わずかな金で雇われ、曲学阿世を恥じない「有識者会議、天守閣部会」の責任である。

もう一度言う。

名古屋城天守閣木造化事業とは、とりもなおさず現名古屋城天守建物の取り壊し事業であり、現名古屋城天守建物の取り壊しについて、名古屋市民はその是非について、議論も聞いていないし、民意も計られていない。

もし、名古屋市長 河村たかしに、少しでも良識があるのであれば、表に出てくるべきだ。

真っ向から議論したらどうだろうか。

名古屋城天守の有形文化財登録を求める会

2月11日、3月11日に場所は用意されている。
だれでも、参加費無料だ。

まあ、「南京大虐殺」について「自由に議論したい」と言いながら、市民団体からの招待を無視し続けてまったく「自由な議論」に参加しないのだから、政治家失格だろう。(これも、統合された「観光文化交流局」マターではないか!)

私は当初、黙って聞いているつもりだった。
しかし、当局の説明に虚偽が多いので黙っていられなくなった。
(以下のやり取りは、時系列順ではない))

一つは、ある方が「石垣の保全に不安がある」と言われた事に対して、市の説明に「工学的に解析を行い、安全性をはかる」と回答してきた。それについて「工学的に解析を行うとはどのような手法で行うのか」と確認した。市の説明では「調査を行い、相対的に安全を確保する」というような不明瞭な物であった。「相対的」とは「豆腐を並べるよりは強固」という意味だろうか。

事実として「石垣を工学的に解析して、その安全性を保証するような手法も、技術も、この国、この世には存在しない」

まやかしでしかない。

ある方が次のような発言をされた。非常に貴重な指摘だ。

「現在、西南隅櫓などが公開されている。木造3階建ての建物だ。そこに伺ったところ、大変な行列だった。並んで待っていると、最上階に入れるのは一時期に9人までで、それ以上は入れられず、入れ替えとなっているとの事だった。理由を(消防に、後日)聞いたところ、木造3階建ての建物で、階段が一つしか設置されていない建物へは、10人以上入れてはならないという規則がある。その規則に抵触しないよう、一時期には9人しか最上階(3階)には入れない。との事だった。現在、示されている木造天守でも、最上階へあがる階段は一つで、西南隅櫓より危険な5層構造となっている。この最上階に何人の人が入れて、その根拠法はどこにあるのか?そして、それが収支計画の来場者数と整合するのか?」

結果として、最上階には一時期で100人程度は入れると回答した。(これでも、収支計画の来場者数がクリアできるとは思えない)
そして、その根拠法は示されなかった。

「建築審査会や安全評定でお認めいただく」という回答をしていたが、そうした有識者であれば、38.45mの地上高にいる100人程度の人間を、一つの避難路でも救出できるのだろうか。(有識者ではなく、スーパーマンにでも聞くべき事柄だろう)

火災発生に対して、設備を用意して対応するという。そんな設備でどう人命を守れるというのだろうか。

もっと傑作な発言もあった。「各階に燃えグサを置かない」

木造建築物は、その全てが「燃えグサ」そのものではないのか?

古今の火災を起こした建築物で、最初から燃やすために建てたものなど無い。皆、燃えてなど欲しくはなかっただろう、それでも発生するのが火災だ。
そして、ひょっとすると自分の建てる建物は燃えるかもしれない。という事業者はまだ被害を最小に食い止めるだろう。その可能性を自覚できているからだ。一番危険なのは、「これだけは燃えない」または「出火させない事が最大の対策です」などと、無責任な思考停止に陥っているモノであり、現在の名古屋市と事業者にはその危険性が垣間見える。もはや、これだけでも事業継続の危険性を感じる。

それともいっそ木造では建てるけれども、一般の方々は入れない。と、素直に言ってみたらどうか?

事業者の「優秀提案」と言われた初期のプランですら、避難路が一方向しかなく、火災発生の最大被害想定は悲惨なものだった。(ほぼ、全滅だろう、恥の上塗りで「名古屋市の最大のはしご車による救出」を明記していたが、その大きなはしご車は天守内庭には入れない)
しかし、現在仄聞されるコンセプトはそれ以下で、果たしてこれで防災評定が通るとは思えない。

そして、現在行われている「実施設計」においては、もう、こうした建築物の防災評定を諦めているように見える。
実施設計には建築物の防災評定は無い、代わりにあるのは防火設備の評価だけだ。

こんなものは詭弁でしかないが、それでも素人の市民をごまかす事は出来るかもしれない。
しかし、この詭弁の意味するところは、落ち着いて考えれば恐ろしいものだ。その詭弁でごまかされているのは、3000人からの人命なのだ。

私や、我々が追及しても、聞き入れられない。
こうした問題を追及するために、マスコミは有るのではないのか?

追記:
耐震検査について言及し忘れていた。
事業者は木材構造の耐震検査(震度6相当)をマスコミに公開して、提灯を付けさせていた。
(「震度7といわれた濃尾地震に耐えた木造構造」という詭弁も使われていた。当時の震度評価で震度7であれば、木造建築は全滅の筈で、木造建築でも残れたのなら震度7ではなかったということだ。震度7の地域もあったが、天守建物の地域は異なっていたという事だ)
阪神淡路大震災以降の厳しい耐震基準を、木造木軸構造5層の建物がクリアできるわけがない。それだから提案にはハイブリット構造が盛り込まれていた。
また、本当に耐震性を保証するのであれば、同じ構造で一度作ってみて、実際にゆすってみる以外に無い。それ以外に証明する方法は無い筈であり。「法同等」「法同等以上」という言葉は、重い筈だ。

   ◇ ◇ ◇    ◇ ◇ ◇ 

私は、ちょっと遅れて会場に着いた。
ちょうど私が着いた時に、市の説明が終盤に差し掛かっており「このように基本計画はまだ策定されておりませんが」というような説明があったようだ。その言葉の意味するところは重いのだが、それはまた追々明らかとなるだろう。

それよりも、配られているパンフレットの中のこのグラフには呆れた。

これは

2018-06-25 名古屋城についての事実確認と現状の推測(4)

でも指摘したように、どんなところにでもくっつく、浅井万金膏のような調査結果を出してくれる「三菱UFJリサーチ&コンサルティング」の「作品」だ。

名古屋城入場者推計が、平成83年まで算出されている。

入場者推計なので、「人口」はシミュレーションの最も基本的な算出根拠だろう。
その人口の推移については、「国立社会保障人口問題研究所の全国の将来人口推計結果」を反映としている。

日本の将来推計人口(平成29年推計)|国立社会保障・人口問題研究所

日本の将来推計人口


根拠とする人口推計は平成77年(2065年)までしかない。
そこから先の人口推計はどのような根拠で算出されたものだろうかね!

浅井万金膏の大将!

表紙に社名を入れたくない気持ちも分かろうってもんだ。

これについて追及していたところ、私の前に座った市民(減税日本から市議選に出ようとして公認が得られなかった人物と、減税日本の元市議)が不規則発言で、その追及を邪魔しており、私がより大きな声で「ちゃんと回答しろ」と求めていたところを、司会者が市の説明員を遮り、その説明の声をさえぎるように「うるさい」とがなっていた。当日の録画を良く見てみろ。

市の説明員は、元データの人口推計が切れた先については、「そのトレンドを延長して推計した」というような説明をしていたように聞こえた。

これもおかしいだろう。

元データの人口推計は一貫して人口減少を示しており、「そのトレンドを延長」すれば、その先も人口は減少する。
人口が減少するにもかかわらず、来場者が減少しないというのは異常だ。

平成27(2015)年に12,709万人だった人口は、平成77(2065)年には8,808万人と減少する。(中位仮定)総人口において69%が減少するにもかかわらず、来場者はそれほど減らないとすると、実質では144%の来場者増が期待されなければならない。

これを「虚偽」と指摘して何が悪いのだろうか。

そして、こうした事実を元にした指摘に対して、市は誠実に回答していない。市民の正当な要求。事実の提示を求めているモノの発言を遮って、それで何を説明できているというのだろうか。

予算の無駄であり、罪に罪を重ねるだけの行為である。

追記(2023/1/12):
名古屋城天守閣木造復元に向けた調査業務


さて、次回は。
現在名古屋市会で騒動になっている、「市会だより」問題について、詳細な内部告発が手に入り、ご報告できると思う。
ご期待ください。