市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

一人の名古屋市民が「地域委員会制度」「減税日本」に対する疑問をまとめるサイトです。(since 2011/3/3)

65歳までに2000万円を

グーグルで「国内消費の減退」という言葉を検索にかけると様々なところがこの問題を取り上げているのがわかる。

「消費減少によりマイナス成長に ~2025 年の日本経済」 - 国際貿易投資研究所
「日本経済見通し:個人消費はなぜ低迷を続け ているのか?」 - 大和総研
その他にも、日本経済新聞内閣府日本経済団体連合会中小企業庁、etc.,etc.

国内世帯は減少傾向に転じ、それに伴って国内消費が縮小し、つまりはGDPも縮小に転じる。

(私自身は、人口減少と経済の規模は連動しないと考えている。
https://ichi-nagoyajin.hatenablog.com/entry/20160919/p1 )

こういった悲観論に対して、様々な立場から国内消費を喚起しなければならないという提言がなされている中、金融庁が「老後に備えて、65歳までに2000万円を蓄えなさい」と、ありがたい提言をされている。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190604-00000501-fsi-bus_allheadlines.yahoo.co.jp


名古屋市における「河村流減税政策」もたいがいに●チガイ沙汰だと思っているが、国においても大差はない。

さっそく「100年安心の年金設計はどこへ行った」と政権批判が起きているが、もっともなことだ。

「年金改革法」及び「受給資格期間短縮法」について | 政策 | ニュース | 自由民主党
年金100年安心プラン!

年金というのは公的な貯蓄制度ではない。単に国が個人から掛け金を預かって、老後に備えるという「制度」などではない。国が運営する年金は、他の生活保護や失業保険などと同様に、社会そのものの安定を図るための制度であり、「国家」の重要な役割(優先順位でいえば、最優先事項)だろう。

日本という国が、天皇をいただく君主制の頃は、その「国体護持」が国家目標であったとするならば、民主制に移行し国民生活の安寧を最重要課題に据えているのであるから、その国民の老後の不安を取り除くことは最も重要な国家目標である筈で、そもそもの「経済」という言葉は、単なる「銭儲け」ではなく「経世済民」を意味するのであって、「世をおさめ、民をすくう」事こそが「経済」の目標でなくてはならない。「金融庁」とは、この経済の一機能である「金融」を司る機関であり、その存在理由は「経済の安定」である筈だ。と、するならば、それは「世をおさめ、民をすくう社会の安定」を意味しなければならない筈だ。この理を解せず、「自分たちで金を貯めよ」というのであれば、金融庁の役人は辞表とともに主張すべきである。自分たちは無能であると言っているに等しい。

よしんば事実として、年金制度の破たんが明白であったとしても、各自に貯蓄を求める以外にも対応策はある筈だ。

所謂、均衡財政論。「子どもたちにツケをまわさない」式の誤った金融理論が、こうした硬直した提言に繋がるのだろうが、この金融理論がどれほど酷いものであるか、この提言から逆に明白になる。

今の日本における40歳から65歳代の世帯数は約2000万世帯程度だろう。
40歳から65歳までとなるとその期間は25年、300カ月になる。
300ヶ月で2000万円を貯めようとすると一月当たり約6.6万円を貯蓄しなければならない。
2000万世帯が約6万円の消費を手控え、貯蓄に回すと一月当たり1兆2千億円の消費が控えられることになる。
年間で14兆4千億円の国内消費の減少だ。

2015年の国内消費総額は285兆円だそうだから、14兆4千億円の個人消費が手控えられると
そのインパクトは約5%という事になる。

国内消費が5%減少すると、その波及効果はどの程度になるだろうか。

上にも述べたように、様々な立場で「国内消費の減退」を課題に捉えているのにも関わらず、金融庁が「国内消費の減退」を企図するようなアナウンスを行うというのは正気を疑う。

個人の貯蓄は個人の老後を助けるかもしれないが、全体としてみると経済自体をクラッシュさせかねない。
典型的な合成の誤謬だ。

個人の貯蓄と、年金の現状維持が何か別の物を豊かにするという発想。(その実、国内経済を停滞させる)
国家財政の赤字を歳出の削減で埋め合わせるという発想。(歳出の削減は国内経済を停滞させる)
従業員の人件費を削減すれば企業は利益を確保できるという発想。(全体としてみれば人件費の削減は国内消費の原資の削減となる)
公務員の給与を削減すれば、歳出の削減になるという発想。(公務員人件費は歳出の一部でしかない、更に公務員給与の削減というのは、単に行政の劣化を呼び込むだけだ)
市長や地方議員の給与や報酬を下げれば、納税者の負担が下がるという発想。(例えば名古屋市会の議員報酬を一年間、半額にすると浮くお金は6億円だ。総会計2兆5千億円の 0.024% の効果しかない)

これらはすべて「豊かさはお金の形で貯め込めると思っている病(やまい)」である。

ichi-nagoyajin.hatenablog.com


時折耳にする、大金を床下に貯め込んだまま餓死する孤独な高齢者に近い。

経済は何かが損をすれば別の誰かが得をするというモノではない。

経済は循環だ。

民主国家にとって税は国民の為の資金だ。国は税を集め、単年度で支出する。税はどこかのバカな市長が著書に書いているような、官僚の私腹を肥やすためになどあるのではない。

ichi-nagoyajin.hatenablog.com


国家の支出は、社会保障公共工事に支出される。或いは自衛隊の為の武器を買うお金になるかもしれないが、それとても武器を作っている業者の売り上げとなる。つまりは国内経済を駆動する支出だ。お年寄りの介護を見る人々や土木工事に携わる人々、はたまた自衛官やその鉄砲の弾を作る人々、皆こうした国の歳出から仕事をもらい給与を得、家族を養っていく。こうした仕事に携わる人々が買う食料や衣料、家や車が国内消費となる。さらにそうした食料や衣料品を提供する人々、家や車を作る人々の給料となって行く。こうした売り上げや給料から税が徴収され国の予算となり政策的に支出される。経済は循環であり、メリーゴーランドのように回転していく。この回転が順調であれば経済は安定する。

お金、通貨はこの循環をスムーズにするための装置でしかない。お金自体には何の意味もない。
それが正当に、過不足なく分配されれば社会は安定する。それが偏ると社会は不安定となる。
そしてこの循環が滞れば経済は冷え込む。つい最近まで起きていたデフレ経済というのは、この循環の阻害である。歳出削減、均衡財政、構造改革が国内経済を冷え込ませた。
そして、この誤った歳出削減策、構造改革の「歪なしっぽ」が「河村流減税政策」でしかない。(「河村流減税政策」が誤っている客観的な証拠を近々ご披露する)

ヒトにとってはお金自体には何の意味もない。
ヒトにとって意味があるのは、そのお金によって何が得られたかなのだ。

すでに過去に述べたように「子どもたちにツケをまわさない」などというもっともらしい「おためごかし」に騙されて、この社会は歳出削減、均衡財政論に振り回された。その結果「ロスト・ジェネレーション」と呼ばれる世代を生みだし、「子どもたちにツケをまわさない」どころか、ツケをまわすべき子どもすらいない状態を作ってしまった。

f:id:ichi-nagoyajin:20190620194335j:plain
失われた命

そろそろ目を覚ますべきだ。

国家や年金機構の為に、国民がいるのではない。
国民の為に、国家や年金機構があるのである。

年金が破たんするのであれば、まず、その責任をキッチリ取ってもらって、その上で国民が安心して老後を迎えられるような年金制度、または社会保障制度を再設計するべきだ。その為の国家であり、官僚だろう。



最後に余計な事を書いておくと。
河村たかしやその細君は、老後は安心だな。
なにせ、手厚い国会議員年金(及び、その遺族年金)があるのだから。

平成18年1月27日、衆議院議院運営委員会の議事録

私の個人のことは、私の責任で答えさせていただきたいと思います。

 私はかねがね、非常に孤独な闘いでしたけれども、議員年金というものは、先がた言いましたように、議員は国民と同じ年金で生活すべきだと言っておりましたから、仮に廃止できなかった場合は全額寄附すると……(鈴木(恒)委員「寄附はできないです」と呼ぶ)いや、退職していますから、当然、議員年金をもらうときには。退職してからのことですから、それは間違いなんです。そう言っておりました。

 今回の場合は、まだ私たちの案がかかっておりますので変なことは申し上げられませんが、納付金につきましても、これは先ほど言いましたように全額税金でございますし、加えて、これは既に所得税三〇%それから住民税一三%の社会保険料控除があるのですね。それをもらうということは、私は潔しとはいたしません。

 ですから、一円もみずからのものにはいたしません、絶対に。それだけはここで、せっかくのチャンスが与えられましたので約束しておきます。

衆議院会議録情報 第164回国会 議院運営委員会 第4号

f:id:ichi-nagoyajin:20190616195928j:plain
国会議員年金 国民年金 比較表



名古屋城木造天守復元事業ここが問題!(案)

主催:名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会
日時:2019年6月22日(土) 13:00~16:00
会場:名古屋市 北区役所2階 講堂


○「名古屋城天守閣整備事業」違法支出訴訟 第二回公判

7月3日(水)午前11時
名古屋地方裁判所 第1102法廷

○月例勉強会
7月8日(月)18:30~20:30
「北生涯学習センター」(北区)第1集会室

名古屋城天守有形文化財登録を求める会
https://bit.do/Ncastle