市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

一人の名古屋市民が「地域委員会制度」「減税日本」に対する疑問をまとめるサイトです。(since 2011/3/3)

名古屋城の住民訴訟について

名古屋城住民訴訟について。

1.前提の話
2.○○秒で判る名古屋城住民訴訟
3.基本設計ができていないとする根拠
4.仕様書からみる基本設計が成立していない証拠

1.前提の話

追記:
大切な事を書き忘れていた。
名古屋城天守木造化賛成の方々に告げる。
あなた方は、いったいナニに賛成しているのだろうか?
あなた方が期待する「木造名古屋城」というものは、いったいどのようなモノなのだろうか?それを示せるヒトがいるのだろうか?

居ない筈だ。
そうした情報は公開されていない。
つまり、名古屋城木造化に賛成するというヒトは、何ができるかも判らないまま賛成しているにすぎない。その姿はこの下で述べている宮台真司の指摘に当てはまっている。

いいかげんに目を覚ますべきだ。

 名古屋市が進める名古屋城天守木造化計画は違法であり民主的手続きを踏みにじる愚行であり劣悪な文化破壊である。

現天守閣解体にかかる現状変更許可申請書の提出について @観光文化交流局名古屋城総合事務所

今回、住民訴訟にかかっているのは、その中でも「基本設計代金の支払いが違法である」という本当にささいな事と言えるかもしれない。しかし、こうしたささいな手続き論でも、その違法性が明白になれば、それが是正されるまでは事業は止められてしかるべきであり、服の裾が釘に引っ掛かれば、歩いて行けないように、この釘一本の訴訟が、500億円以上の事業を止められる可能性はある。

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名古屋城古釘火箸

それだけではなく、私の眼には3つの違法性が見える。

その1.建築基準法違反

木造5階建て(6層)の建築物は建築基準法違反である。
名古屋市建築基準法3条の適用除外を受けるとしているが、現在の計画では適用除外の条件はクリアできない。
条件がクリアできないままでは違法建築物であり、よしんば建築できたとしてもヒトの立ち入れない実物大木造模型にしかならない。
(適用除外されるにはどのような条件が必要であるかは敢えて書かない)


その2.文化庁、復元に関する基準違反

文化庁の「史跡等における歴史的建造物の復元に関する基準」平成27年3月30日 「史跡等における歴史的建造物の復元の取扱いに関する専門委員会」において、次のような基準が定められている。

「ウ.復元以外の整備手法との比較衡量の結果、国民の当該史跡等の理解・活用にとって適切かつ積極的意味をもつと考えられること」

しかるに名古屋市は先行する大阪城天守閣における「平成の大改修」の「整備手法」を考慮していない。
「復元以外の整備手法との比較衡量」をしないまま、木造復元だけを進めようとすることは、この基準に違反している。

そして、その3として、現在行っているとしている「実施設計」の仕様の中にも違法性が認められるが、これについては「実施設計完成」として、名古屋市が実施設計代金を事業者に支払った時点で違法性が確定すると考えているので、その内容は今は言わない。

現在、名古屋市は現天守建物を「先行破壊」する現状変更許可を文化庁に求めているそうだが、これなど宗教的狂信から石仏を破壊したアルカイダの愚行にも似た文化破壊であり、それを指摘せず漫然と眺めているかに見える名古屋市内のマスコミや文化人の見識の低さにも呆れたものだが、「市長の言う事なんだからご無理ごもっとも」と受け入れる市民の当事者意識の無さにも呆れる。あまり好きな言葉ではないが、宮台真司の「田吾作民主主義」という言葉を否定できない。

本当にこのまま放置すれば、或いは名古屋城跡から大天守がなくなる可能性もある。「尾張名古屋は城でもつ」と言われた「城」が名古屋から亡くなってしまう可能性もある。それが市民の選択であるなら、甘んじて受けなければならないのだろうか?

2.○○秒で判る名古屋城住民訴訟

・平成30年3月30日に完成し、納品されたとする名古屋城天守閣木造化事業の基本設計は完成していない。
・完成していない業務に代金を支払ったことは違法である。
(地方自治法第232条の4第2項、名古屋市会計規則 第71条、名古屋市契約規則第53条違反)
名古屋市長はこの違法な基本設計代金の支払いを行った者に賠償を求める義務がある。
・基本設計が成立していないとすれば、それを根拠に行うとしている実施設計も行えない、当該契約は無効である。
・基本設計が成立しておらず、実施設計も無効であるとすれば漫然と事業を継続することによって市の公費が浪費される。
これは地方自治法第2条14項の規定に反しているので本件事業(名古屋城天守閣木造化事業)自体を中止せよ。

    • ここまでで○○秒

3.基本設計ができていないとする根拠

なぜ、基本設計は完成していないと言えるのか。

名古屋市自身がプロポーザル応募事業者に示した「要求水準書」に次のような記載がある。

業務要求水準書(甲第1号証)
https://drive.google.com/open?id=1QfTcew8KM7AmY_q6PBTZ1eouct6hW6yz

木造復元に際し、実施設計に着手する前の基本設計の段階において、文化庁におけ
る「復元検討委員会」の審査を受け、文化審議会にかけられる。

公知のとおり、本件事業は「復元検討委員会」の審査も受けておらず、
文化審議会にもかけられていない。

つまり、基本設計の段階、実施設計に着手する前の段階に至っていない。

    • ここまでで○○秒

「要求水準書」に書かれている事に法的な拘束力があるのか?


A.要求水準書の位置づけ(基本協定書から)

名古屋城天守閣整備事業に関する基本協定書(甲第3号証)
https://drive.google.com/open?id=1ebIxKUb1k2FhpNhqKtv_XVgJc8iotuBc

第1条 本基本協定は、発注者(名古屋市)が実施した本事業(名古屋城天守閣整備事業)に係る技術提案の公募手続き(以下「本公募手続」という)において、優先交渉権者(竹中工務店)の技術提案を特定した事を確認し、発注者と優先交渉権者が相互に協力して円滑かつ確実に本事業を遂行するため、当事者が果たすべき義務その他の必要な事項を定めることを目的とする。

「当事者が果たすべき義務その他の必要な事項」を本基本協定は定める。

第3条(規定の適用関係) 本事業は、以下に準拠する。
三 発注者が本公募手続きにおいて配布した資料及び当該資料に係る質問回答書(以下、総称して「説明書等」)
   (略)
2 発注者が本公募手続きにおいて配布した資料とは、平成27年12月2日付けの公募型プロポーザル実施公告、実施説明書、業務要求水準書<甲第1号証>(以下略)

4 第1項に定める準拠書面の記載内容に矛盾又は相違がある場合には、第23条に記載のある項目を除き、契約書、本基本協定書、説明書等<甲第1号証、2号証>、技術提案書の順に優先して適用される。

「業務要求水準書」はここの「説明書等」に入るわけで、契約書に準ずる拘束力を持つ。



B.要求水準書の位置づけ(契約書から)

契約書(甲第7号証)
https://drive.google.com/open?id=1q-rSPAxgZdQHkGfYqppOK_el5PhYACq7

上記の業務(名古屋城天守閣整備事業基本設計その他業務委託)について、名古屋市(以下「発注者」)と株式会社竹中工務店名古屋支店(以下「受注者」)は各々の対等な立場における合意に基づいて、別添契約約款<甲第8号証>によって、公正な契約を締結し、信義に従い誠実にこれを履行するものとする。

業務委託契約約款(甲第8号証)
https://drive.google.com/open?id=1m97TommmbzVee9YBvsw0NMa22cd1nJkl

第1条(総則) 発注者及び受注者は、この約款(契約書を含む。以下同じ)に基づき、設計図書(別冊の設計書<甲第4号証>、図面、仕様書及びこれらの図書に係る質問回答書をいう。以下同じ)に従い、日本国の法令を遵守し、この契約(この約款及び設計図書を内容とする業務の委託契約をいう。以下同じ)を履行しなければならない。

ちなみに・・・・*1

設計書(甲第4号証)
https://drive.google.com/open?id=1yjjhvqGi0MDQDvQsj8qk2VEs7Ues2qt-


業務委託概要書(甲第5号証)
https://drive.google.com/open?id=1dUACRDDNaJ6PqPEYmZYBL-ouVPCP_TqB


1.件名「名古屋城天守閣整備事業基本設計その他業務委託」
2.総則「受注者は、現地熟覧の上、名古屋城天守閣整備事業に係る業務要求水準書<甲第1号証>並びに優先交渉権者が作成した技術提案書の内、設計業務等に関して記載又は提案された事項のほか、この業務委託概要書、計画図、設計書、業務委託仕様書のうち関係仕様書及び本市監督員の指示により業務を行う。」

契約書は約款を参照せよと来て、約款には別冊の設計書、仕様書に依るとある。
設計書には、概要書と仕様書に依るとあり、概要書には「業務要求水準書(略)により業務を行う」とされている。
つまり契約書が拠り所とする書面が「業務要求水準書」であるといえる。

4.仕様書からみる基本設計が成立していない証拠

さらに、仕様書からみる基本設計が成立していない証拠というものもある。

仕様書には第23条に「建築基本設計は、以下の項目について行う」という項目がある。

業務委託仕様書(甲第6号証)
https://drive.google.com/open?id=1arjZrGelX9leSqdwIu0WrPaXfJALZPXt

第23条(建築基本設計) 建築基本設計は、以下の項目について行う。
(1)基本計画書
  (略)
 (s)その他学識経験者及び文化庁等との協議によるもの
  (略)
(2)透視図

この中で「建築基本設計」の要素とされているのは2つだけ。
「(1)基本計画書、(2)透視図」

この中で「基本計画書」には様々な細目があるが、その中の「(s)」は「その他学識経験者及び文化庁等との協議によるもの」となっている。この「学識経験者」に「天守閣部会」が含まれることは明白である。*2*3

さて、この「学識経験者」むけの「基本計画」はどのような状態であったのか。

特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 天守閣部会 (第9回)  配布資料 (部分)
平成30年3月28日(基本設計納品日の2日前)
https://drive.google.com/drive/folders/1r-wqrh_mtEjrp90iBDY-dzv8gfgTi_cE

最後のページ
「基本計画の策定項目」の「策定状況」が空欄(基本計画が策定されていない)項目がある。

一つ前のページ
「平成30年度 天守閣部会検討内容(案)」として、
「7月(未定)」の中に「基本計画(まとめ)」がある。

つまり、平成30年7月に「基本計画」はまとめられる予定であり、
平成30年3月28日(基本設計納品2日前)には「未策定」である。

つまり、平成30年3月30日に基本計画は完成していない。*4

上でも述べたとおり、巨大公共事業に針一本、釘一本で立ち向かうような訴訟だ。
常識的な弁護士が誰も乗ってこなかった理由も理解できようというものだ。

こちらは、ズブの素人の本人訴訟、相対するは行政訴訟のエキスパートである、名古屋市の顧問弁護士と、その先には2万5千人の名古屋市行政職員がいる。

1対2万5千

喧嘩としては上等だ。

法論理も事例数も勝てるわけがない。
しかし一つだけ確かなことがある。
事実だけは変えられない。

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喧嘩としては上等だ


名古屋城天守有形文化財登録を求める会
月例勉強会
6月10日(月曜日)
午後6時30分

生涯学習センター
www.suisin.city.nagoya.jp



名古屋城バリアフリーシンポジウム
6月22日(土曜日)
午後1時から

名古屋市北区役所講堂


*1:第44条(受注者の解除権) 受注者は、次の各号のいずれかに該当するときは、この契約を解除することができる。 (3)発注者がこの契約に違反し、その違反によってこの契約の履行が不可能となったとき。 2 受注者は、前項の規定によりこの契約を解除した場合において、損害があるときは、その損害の賠償を発注者に請求することができる。

*2:「学識経験者」の全ての構成要素が「天守閣部会」といっているのではない。ここでいう「学識経験者」の部分集合が「天守閣部会」であることは、他に「天守閣部会」を含む事が出来る「業務」が示されていないのであるから明白である

*3:背理法で述べるならば、この「学識経験者」に「天守閣部会」が含まれていないとすると、現に受注者が「天守閣部会」に「基本計画」(の一部)を納めており、その業務項目がこの仕様書に含まれておらず矛盾する

*4:付言すると、恐るべきことに未策定の項目に「防災計画」も含まれている。「防災計画」が未策定の建築物が「建築審査会」の同意を得られるわけがないのだから、建築基準法の適応除外も得られないという事だ。つまり、違法建築物を建てる計画を進めている事になる。