市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

一人の名古屋市民が「地域委員会制度」「減税日本」に対する疑問をまとめるサイトです。(since 2011/3/3)

田山宏之市議は何を答えなかったのだろうか?

名古屋市議である藤田和秀市議(自民党瑞穂区)が田山宏之市議(減税日本・北区)に暴言を浴びせ、頭をハタイタとされる件だ。
なんでも、田山市議は診断書を取っていて全治一週間の要治療という事で、今後の対応については弁護士に相談するとしている。

そして、その際の音声が公開され、名古屋市の河村市長は調査委員会をたちあげて調査をするとしている。
当局に設置するとか、東京の弁護士を雇うなどともしていたようだ。
河村市長は「民主主義を揺るがす行為だ」とかも言ったようだ。

また、録音には男性市議とされるものが「チューしよう」などと女性市議に迫ったために、田山市議と思しき声が「セクハラですよ」などとたしなめる様子も録音されていたそうだ。この男性市議や女性市議については誰であるかは明示されていないようだ。

当事者とされた藤田市議は記者会見を開き発言の事実関係は認め陳謝をした。更に「選挙直前のこの時期に公表された事には違和感を感じる」としていたようだ。

河村市長の会見では市の職員も巻き込まれ、同様に暴言を受けたかのような指摘もあったが、後に職員からはそのような事実関係については否定されている。

さて、私の感想。

・・・なにバカな事やっているんだ?

大きく間違えている事が二つある。

その一。河村市長は「民主主義を揺るがす」とかいって市費で調査をするそうだが、この行為自体が民主主義を理解していない行為だ。

行政は議会を(議会の構成員を)規定できない。

(同じ理屈で、地方自治体や首長が議員報酬を規定する行為も民主主義の破壊である)

議会は住民のものであって、その主たる目的は行政やその長の監視だ。首長が議会の在り方に鼻を突っ込んで、ある議員は「良い」とか「悪い」とかいう事は出来ない。制度に逆行する行為=民主主義の破壊だ。また、議員がその「首長を助ける」などと宣言する行為は、地方議会(その構成員)の主たる機能である筈の、首長の監視を放棄する行為であり、二元代表制の議会構成者たる資格を欠く。名古屋市において、前回の市議選でこうした民主主義、二元代表制の無理解を公言するバカな候補者(ここで「ゴミクズ」「廃棄物」と言ったら暴言だろうか)が多数立候補したが、こうした当然の、中学校公民レベルの批判が起きず、そのままスル―されていた。こうした「愚民化政策」、またはマスコミの不見識が徐々に社会を劣化させていく。

なので調査をするのは自由だろうが、だからと言って何ができるのだろうか?はなはだ疑問だ。

それよりも、そもそもこうした相互間の行き違いを調整するのが議員、政治家の職能なのではないのだろうか?

議員の席は有権者の物であり、議員はその付託を受ける代理者でしかない、議員の身分について判断するのは有権者である。

市費を使ってのこの調査。私は先細りになり、選挙が終わってしまえば有耶無耶になるとみている。
そしてそれはまたまた、市長による市費の無駄遣いでしかない。


二つ目。

そもそもあの発言は「暴言」だったのだろうか?
まず場は私的な懇親会であり、酒も入った飲食の場だったらしい。
つまり、その参加は自由判断で、毅然とした対応ができない、または手に余る場になったのであれば退席すべきだったのではないだろうか?

ハタイタ行為は暴力的だと言われるが、そのような行為は「ツッコミ」と言われて日常茶飯事にテレビでも放映されている。
こうした行為を「ツッコミ」と呼称するようになったのは、芸人のダウンタウンらしい。彼等の所属する吉本興業も、テレビ番組のコンプライアンス対応や、昨今のポリティカル・コレクトネスの要請からこうした表現に敏感に対応しているようだが、なかなか難しく思える。それよりなにより「カミナリ」という演者は平手で軽くハタクというような表現ではなく、拳骨で力強くまさに「殴る」という表現方法を使い、それが広く受け入れられてしまっている。こうした行為に対する社会の容認基準はまことに難しい。

だからといって私もこうした事を容認するつもりはない。特に児童や、小動物など対応する力の無い者に対して行われる暴力には激しい憤りを感じる。
もう一度言う。力(権力)を持った者が公衆の面前で、事実をまげて相手を嘘つき呼ばわりするような暴言こそ批判されるべきだろう。

市民に嘘をつく名古屋市議その2、富口潤之輔 - 市民のための名古屋市会を! Ver.3.0
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もう一回言っておく。私は児童や、力の無い者に対して行われる暴力には激しい憤りを感じる。

藤田市議が田山市議の頭をハタイタ。そして要治療一週間の診断書を得た。それが「暴力行為」であるのなら、田山市議は弁護士などに相談せずに、警察に届け出をすればいい。暴力行為は刑事犯であり、事実が明らかになれば被害者の労力や判断など要らない。

こうした強要も執拗に行われるのであれば問題だろうが、それも場合や人間関係によるだろう。それが法的、倫理的に許容されるものなのか、されないのかの境目はどこにあるのか、私には判らない。議員の行為についてその社会的適合性を推し量るのは住民、有権者だろう。

つい先日も、明石市の市長の暴言という事例があった。それも確かに表現は稚拙で有ったのかもしれないが、その意味するところは市民、住民の安全を図ろうとする首長の熱意であり、行政をなんとか動かそうとする意志だったのであれば、結果として明石市民がそれを支持した結果には合理性があり、民主主義的であると言える。


ここである方々から受けた指摘を二つご紹介したい。

一つは、この時期にこんな話題を持ち出すという違和感について。
「この行為で得をするのは誰だ」という観点だ。

藤田市議は前回瑞穂区でトップ当選で、組織も盤石。このような報道がなされても議席は揺るがないだろう。
田山市議も北区は下手をすればこのまま無投票当選になるとも見られている無風区で、こうした得票にネガティブにも働きかねない行為でさして得は無い。

全体的にぼんやりと、既存議会に対する批判という、またぞろ正体不明の批判が持ち上がるだけだだろう。
ちょっと話はそれるが、こうした根拠の薄弱で、好悪感情に阿ったような社会批判こそ、テレビ番組「3年A組」で批判されていた行為だ。
この社会には「既存議会」などというものは無い、そこにあるのは個々の議員や会派であって、それを一括りにして批判できるような根拠は無い。

物事を漠然と一括りにして批判する時、その思考は深度を無くしている。
議員を批判するのであれば、個々に批判すべきであるし、その際には伝聞情報ではなく自ら会いに行くべきだ。

見もしない、知りもしない、そして漠然とした括りである「既存議会」を批判するその根拠は一体何なのだろうか? Let's think.

話を戻そう。

この騒動で利を得るのは、瑞穂区選挙区で立憲所属の市議と最下位争いをしそうな減税の候補ではないかと言われている。
つまり、自民党である藤田市議の票は、立憲よりも減税の候補に流れるのだろうと言われている。

そこで瑞穂区の減税候補に注目してほしい。

この人物、自民党市議であった前田有一氏の配偶者だ。

前田 有一 ブログ

確か、減税日本は「議員の家業化」を批判していたのではないのか?

ま~た、河村市長のウソか?

もう、河村市長のウソは聞きあきた。



もう一つの指摘だ。

この時期にこんな事が公になった。
背景に、この選挙に対する地域政党減税日本」の代表、河村たかしの焦りを感じる。名古屋城問題は完全に座礁している。
議員報酬についても市民はサッパリ反応しない。

その他に河村減税党には旗頭がない。また、議席減の今回の選挙において、投票率が振るわず、浮動票層が投票行動を起こさないと、風頼みの減税日本議席激減の恐れがある。そこで河村代表が打ち出したテコ入れが「信長役者の立候補」なのだろうが、これとてもこの始末だ。

バカじゃないの?
こんなタイミングで発表しても、マスコミはどこも使えない。

「もっと早く言わんかい!」てなもんだ。

「何かないのか?」とイライラと代表が言ったところに、田山市議が後先考えず、河村代表にこの録音を聞かせたのではないのか。
そしてそれを聞いた河村代表が、田山市議の今後など考えもせずにマスコミにネタを提供した。マスコミは喜んで提灯を付けたわけだが、こんな話題は一過的で、それ以降の深みもない。

弱者である秘書を、バカな代議士が嵩にかかって苛めたというのであれば、同様の苛め(パワハラ)を受けたような人々が社会的課題として話題にもするだろうが、このコンテンツはそんな類でもない。議員間であればパワハラは成立しないし、市長与党の幹事長がパワハラを受けたとするには、あまりに情けない話でもある。それに河村代表は知らないのだろうか?昨今のマスコミは、こうした「暴力的コンテンツ」は、被害を受けた経験者のフラッシュバックに考慮して、一般マスコミ、つまりテレビでは大々的に取り上げない。

というか、田山市議の「頭はダメでしょう」という言葉が、マイクに向かってハッキリと発言されていたり。
周囲の騒音がいかにも単なる宴会の風景で、緊迫したような空気がなかったり。

そして、それらが「隠し撮りされている事」があまりにも明らかだったり。

よくよく考えてみれば、田山市議はこのコンテンツを公表するタイミングを誤ったし、今は後悔しているのではないかと推測する。

しかし、河村たかしという人物は、本当に無能だな。
このコンテンツが、このタイミングで、こうやって公開される事による、田山氏への効果って、考えなかったのかな?
(つい先日も、維新との政策協議についても、ぶち壊しの発言をしたばかり。こうした傾向は、石原新党や小池希望の党の時も見られた。そろそろここらで気が付かなければ、気が付かない方がバカだと指摘しておく。彼は選挙モンスターでもメディアの策士でもない。単なるお調子者の騒がせやで、その騒ぎの後始末の責任は常に他人任せだ)

さてさて、当ブログが。はたまた私が、藤田市議の擁護をしたり、代わりに釈明するなどという立場ではない。

しかし、私が名古屋市会を見た中で、藤田市議という人物は名古屋市会として必要な人物であると評価している。
多分、この藤田市議は他の市議や市の職員からも「恐れられている」のではないかと思う。

それは委員会の議事録などでも判る。

当局の誤魔化しや曖昧な説明に鋭い「ツッコミ」を入れ(頭はハタカない)、行政の問題を指摘する。
特に委員間討論におけるそれは厳しいものがある。

私も何度か直接対話させていただいて、その「独特の正義感」を感じざるを得ない。

その傍証が、前回の市長選挙における岩城候補への支持だ。

議会において、議長も務めた自民党の経年議員である藤田市議が、共産党で一年生の若い女性市議と並んで歩く姿は途轍もない違和感があった。
後に、形勢不利となって皆の行動が鈍っても、後に一緒に押した自民党市議団への批判を受けたくない、筋を通したいとの一念から、違和感がある「パレード」にも帯同したのだと聞いた。

浅井康正市議の「ブロック塀」問題を掲載することで揉めた「市会だより」を議論した議運でも、減税日本ゴヤ編集委員である佐藤あつし市議への追及は厳しかった。しかし、それは既に当ブログでも述べたように、追及して当然の責任を、市民、有権者に代わって追及する市議の姿であって、時にそうした厳しい姿がなければ社会は立ち行かない。

この問題となった録音の場面でも、酒席とはいえ、藤田市議は田山市議に「何かの回答」を求めているのであり、その問いかけは市民、有権者が、田山市議に、または減税日本に、または河村たかしに問い質したい事だったのではないのだろうか?

それをなぜ藤田市議が執拗に問わなければならなかったのか?

それは、無能で●●で、●●で、●●物のような権力に阿る提灯マスコミが、追求しないからなのではないのか?

ところで、今回の事を契機に市長の特別調査委員会が議会の言動を調査するんですよね。
それが私費で開かれたプライベートな場所であっても。

ふ~ん。

ならば是非、女性議員でありながら同じように酒席で泥酔して、下着も露わになりながら部屋まで車いすで運ばれたり。
3日の日程視察の一日目の宴会で飲み過ぎて途中リタイヤした(これも女性)議員の話や、
公費視察で出かけた某札幌市で深夜にぼったくりバーでぼったくられた議員のことや、
海外視察でスリに遭って同行の職員、添乗員、通訳、ホテルの従業員まで動員して大騒ぎして見せた議員の事。

それどころか、一人で泥酔して、市民の家に勝手に上がり込んで部屋で眠りこけた市長の件とか。
しっかりと、調査して市民に公表していただきたい。

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名古屋城天守有形文化財登録を求める会」が起こした名古屋城木造化事業における住民訴訟
第一回公判の日程が決まりました。
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