市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

一人の名古屋市民が「地域委員会制度」「減税日本」に対する疑問をまとめるサイトです。(since 2011/3/3)

名古屋城木造化、エレベーター未設置は社会の劣化である

12月8日に開催された「名古屋城木造復元のバリアフリーを考えるシンポジウム」に参加してきた。

主催は「名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会」と「日本福祉のまちづくり学会東海北陸支部」だ。
オリンピック・パラリンピックの東京開催もにらんで、日本の社会におけるバリアフリーの実現という広い観点からのシンポジウムで、全国から出席者がおられて、深いお話が聞けた。

ある方は「私たちは『名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会』とは言っているけれども、何も木造天守に賛成しているわけではない。会の名前を変えようとさえ思っている」とおっしゃっていた。

また、私たちが進めた住民監査&住民訴訟の話題にも触れられたので、少々会場発言をさせて頂いたが、言葉足らずの部分もあるので、ここで少々補足させていただきたい。


その前に面白いニュースが飛び込んできたのでご紹介したい。

北海道の国史跡・松前城、木造で復元へ 35年完成目指す
(12/9(日) 7:31配信 北海道新聞)

火事で焼失、現在は鉄筋コンクリート造り 江戸末期を再現へ

 【松前】渡島管内松前町は、国指定史跡の松前城福山城)について、現在は鉄筋コンクリート造りの天守(地上3階、地下1階建て)を、江戸末期の建設当時の木造で復元する方針を決めた。来年度から基本構想の策定に着手し、最短で2035年度の完成を目指す。総事業費は概算で30億円と見込まれ、国の補助を得たい考え。

 松前城天守は北方警備の拠点として1854年に完成。道内唯一の日本式城郭で、1941年に国宝に指定されたが、49年に火事で焼失した。現在の天守は61年に建設され、資料館として一般公開されているが、老朽化が進んで耐震性の問題が確認されていた。

 復元する木造天守は3階建て。江戸時代の図面やメモ書き、焼失前の写真などを基に、内部構造も忠実に再現する方針で、木材も当時と同様にヒバなどを使う。国指定史跡の建て替えには文化庁の許可が必要で、町教委は来年度から2〜3年かけて基本構想や年次計画などをまとめ、同庁に計画を申請する。

 松前藩が執務や会議に使っていた天守隣の「本丸表御殿」も6億円を費やして復元し、文化財展示施設として活用する計画だ。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181209-00010000-doshin-hok&fbclid=IwAR1ip9AyllKgwWK86y35JvZAFkw7SElDs-gsQHeFDqIOdk7aV77MCLaK2yI

松前城 再建・復元 大岡實建築研究所

建設そのものが江戸末期なので、詳細な資料も残っているようだ(構造図もある。名古屋城には構造図(内部構造図)は無い)

幾つか考えさせられる。

・地上3階建てなら建築基準法にかからないかもしれない
・最短で今から17年という現実的な再現スケジュール
・総工費30億円という現実的な費用負担(国の補助も仰ぐ常識的な判断)
・町教委が主導するという、文化財を扱うに常識的な構え
・木材も国内のヒバを使用するという本格さ

そうそう、名古屋市が買った木材、いざとなったらここに売れますね。(八雲町なら寄付しても良いぐらいですけどね)

これなら実現しそうですね。
そして、こうした計画も出てくると、また一つ、河村たかしのウソが暴かれますね。
河村たかし名古屋市民に「名古屋城は豊富な資料があるから、国内で唯一、木造で復元できる城」と説明していませんでしたか?

ウソになりますね。

本題に入る前に、ついでに先にこちらをご紹介しましょうかね。
(障害者差別の酷い言葉が並びますので、閲覧には精神的な負担を伴います)

名古屋城の復元をじゃまする障害者という名のクレーマー – 長崎県立大村高校卒業生同窓会

以前「ネトウヨはバカなんじゃなくて、バカだからネトウヨになる」と申しましたが、これは典型的なバカのサイトですね。

幾つも事実誤認や誤りがありますが、こうした方が誤った認識を持たれるのも、名古屋市中日新聞、そして河村市長が、誤った情報を与え、または曖昧な言葉を垂れ流すからです。河村たかしに反省など求めても、魚屋でキャベツを買うようなものでしょうから期待しませんが、せめて名古屋市中日新聞には、少しは理性が残っているのであれば、こうしたサイトの存在を自らの恥として認識するべきだ。

そして、私は表現の自由、相互批判として、このサイトを「晒しあげて」批判する。
こうした言説を放置する事は、それが障害者差別につながる事であるし、こうした批判によって、少ない可能性かもしれないが、サイト主催者が再考されれば良いと思っている。反論があれば、下に投稿欄もあるし、当ブログはトラックバック機能もあるので反論されれば良い。

このサイトが言うような「設計当時の図面」は残っていないし、再現されるのは建築当時の慶長の姿ではなく、ずっと下がった、改修された宝暦以降の姿だ。

再現時期は恣意的に選択されている。
また、そもそも名古屋市はプロポーザルの条件にバリアフリーを盛り込んでいる。
復元建造物といえども、「新築の公共建築」にはバリアフリーが求められるのは当然である。

宝暦天守は焼失してしまったが、歴史的にはその後復元されて、現在も天守建物自体はある。
そして、この本物の昭和遺構である現名古屋城天守建物にはエレベーターは設置されている。

現在、エレベーターが設置されている公共建造物から、そのエレベーターを抜くという法的根拠は無いし、文化的にもそのような主張が一般的であるという学説も無い。つまり、一部の人々の勝手な思い込み、主観的判断でしかないのであって、主観を押し付けるのはあまりに幼稚だ。

「多数派の名古屋市民は、クレーマー障害者団体を支持しないのでは」との言葉は、
「多数の名古屋市民は(以下略)」と置き換えて解釈するが、そもそも2万人アンケートによって民意を図った際の構想案は、エレベーターが設置されていた姿である。エレベーターが設置されていない復元案については、一度も民意を図っていない。(というか、そもそもそのような復元案については、公表すらされていないのだ)


名古屋市長の祖先は代々、名古屋の尾張藩藩士でした。身分は図書掛。尾張藩の書物を管理する役人でした」

この誤認は、中日新聞の責任だ。

まず、「代々」ではない。尾張藩河村家が「文書奉行」を仰せつかったのは、一代のみである。

河村秀頴(秀興)がその人であって、不思議な事に末裔を自称する河村たかし自身、この兄弟の関係について理解していないようだ。

2017-04-09 またまた河村市長の嘘を暴く

また河村文書奉行は「尾張藩の書物を管理する役人」というわけではない。
そして、河村たかし(隆男)が、この尾張藩河村家の末裔であるという証拠はない。(というよりも、そんな事を喧伝できるエビデンスがあるのなら、示して頂きたいが、無理だろう)

2014-04-02 河村たかし名古屋市長は尾張藩書物奉行の末裔か?
河村たかしは尾張藩士の末裔か検証資料集(Box)

「菊千代様」級の幼稚な嘘だ。*1

障害者に対するこの差別的な発言、「排除」を声たかく主張する姿。こんな言葉を恥も無く掲げられるような状態を、それも行政が作り出すとは、何事だろうか。

もう一度言う、名古屋市中日新聞に、一辺の理性が残っているのであれば、こんな言説を生みだした己の責任を感じ、恥いるべきだ。

さて、気分を変えて最初のテーマに戻る。


私たちの住民訴訟は12月17日に提訴される。
そして現在、隠ぺいされている、基本設計図書について、文書開示命令を出して公開させる。
その中には驚くような情報が含まれている可能性がある。それは現在のエレベーター議論に大きな波紋を投げかける可能性もある。

会の途中で「議会がエレベーター設置問題に沈黙している」という意見があった。「議会は議員報酬議論を市長から持ち出される事を恐れて、バーターとして木造化を進めているのでは」との憶測に対して、私は「名古屋市会で河村市長を信じている議員なんて一人も居ない。それは減税日本の議員を含めてだ。ここまで散々騙されてきて、まだ市長の言葉を信じて騙されるのであれば、それは騙される方がどうかしている。なので、議会と市長の間で取引なんて成立しない。木造化計画に関係なく、河村市長は来年の議会で議員報酬半減の条例を出すつもりでいる。ではなぜ議会が沈黙しているのか。それは、河村市長に計画をすすめさせればいいと思っているからだ。どうせ碌なものはできない、それどころか現に今も文化庁と揉めて止まっている。ここで議会が木造化に反対すれば、市長にとっては願ったり叶ったりだ。自分のせいで計画がとん挫しているのに、『議会が止めた』と騒ぐのは目に見えている。ならば、議会は黙って『できるものなら作ってみればいいじゃないか』と構えた方がいい」とお話ししました。

それと、是非「名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会」という名前は「エレベータも設置しないような名古屋城木造化に反対する会」に替えて頂きたいとお話ししました。

天守は文化的にも価値がある。会の中にもエレベーターが設置された木造化に期待されている方が居るかもしれませんが、実は、名古屋市民は誰もどのような物が作られるのか知りません。基本設計ができたと言っていますが、その設計図書はほとんど非公開で、いったいどのような物ができるか、知らされていないのです。今、名古屋市は寄付も募っていますが、実体は判っていない。名古屋城木造化に期待しているという方には、いったい何に期待されているのか、きちんと事実を見つめるべきだと話して頂きたい。

基本設計説明書

そして、上で紹介したようなサイトや、「名古屋城にエレベータ設置を求める障害者のわがまま」というような言葉を、私も聞いた。
こうした発言が出る事自体が、大きな行政、社会の後退でしかないが、そうした際には、ぜひ「ジョン・ロールズの『無知のヴェール』」が社会的なコンセンサス、常識となるように訴えていく以外無い。義務教育でもこの概念は教えるべきだ。

ジョン・ロールズの『無知のヴェール』

平たく言えば「誰だって、いつ何時、障害を持つようになるか判らない。その時、自分が排除されて平気でいられるのか?」という単純な原理だ。上のバカサイトを作っているモノや、そこで見られた「匿名掲示板のコメント」などを書きなぐっている者は、自身に降りかかるかもしれない、こうした不条理に無知なだけだ。

障害者に住みやすい社会は、誰にとっても住みやすい。
それは、あなたのような障害者差別を口にする、バカにとっても住みやすい社会なのだ。

平成も終わるというのに、21世紀に入ったというのに、ロールズも知らない無知で幼稚な社会。社会の劣化であり、それを喧伝するピエロのようなテレビ芸人と、それに迎合するマスコミ、怠惰な行政。君たちはいったい自分が何をやってしまったか、反省すべきだ。


2018-10-30 お金はどこに消える?

河村たかしは、平成18年1月27日の衆議院議院運営委員会における発言を実行せよ。
自ら一円も受け取らないと言った国会議員年金について、積み立てている金額を公表し、その処分についても明らかにせよ。

減税日本ゴヤの市議も、現在積み立てている議員報酬を明らかにし、自分たちが過剰としている積立金の処分について明らかにせよ。

それらがなされないのであれば、河村たかしは公言に反して、国会議員年金を受け取っているのであり、減税日本ゴヤの市議は単に、報酬の一部を「積立退職金」にしているに過ぎない。

それは有権者に対する深刻な裏切り行為であり、かの則竹元団長の例を引くまでもなく、公職者としての職を辞するべき行為だ。

にもかかわらず、恋々と「多選禁止」の公約をも反故にし、公職の椅子にしがみつく姿は、醜悪であり恥ずべき行為と知れ。


*1:この言葉の意味が判らないのであれば、文化や歴史を語るな!