名古屋市の河村市長は6月1日より、空席であった「名古屋市長特別秘書」に田中克和(かつよし)氏を充てると発表したようだ。
おめでとうございます、田中様。
ウェルカムアーティクルです。
この田中克和(かつよし)氏は34歳、東区に住んでいるとされている。保育園運営会社社員との事だが、なんのことはない、減税日本より参議院選挙に挑戦して落選した奥田かよ氏の経営する保育園に「身を寄せていた」ようだ。
この奥田かよという人物、参議院選挙の後に威勢よく政治を志すと宣言していた割には、その後の総選挙には出馬しないなど、良く判らない人物ではある。また、最近の出来事としては昨年の元旦に、名古屋市長河村たかしと楽しそうに昼間から酒を酌み交わしていたことが確認されている。
http://d.hatena.ne.jp/ichi-nagoyajin/20170129
もっとも、同日、つまり平成29年1月1日には、名古屋市は大江破砕工場から失火を起こし、周辺住民に多大な迷惑をかけていたのだが、名古屋市長たるものそんな事は関係ないし、そういった批判も奥田氏には関係がないのだろう。
それが減税日本クォリティだ。
田中克和(かつよし)氏の前任者は北角嘉幸氏、奇しくも田中克和(かつよし)氏の特別秘書就任の直前に、埼玉県蓮田市長選で華々しく落選されている。おめでとう。
自民党の埼玉県連も罪な事をする。
最下位落選とはなんとも華々しい。
田中克和(かつよし)氏は「バリアフリー担当」だそうだが、北角氏は何担当だったんだろう?
国際展示場移転問題の際に、あらぬ事業者を訪問して、とんでもないところに「名古屋市長特別秘書」の名刺を置いてきてしまったらしいが、田中克和(かつよし)さんは、せいぜいお気を付け頂きたい。なんといっても、この名古屋は全国的な組織の中枢がある都市であり、前後の不案内な者がさまよえば、あらぬことどもに足をすくわれもしかねない。
ちなみに愛知県警と名古屋市長河村たかしはあまり良好な関係を築いているとは言えない、いざとなった場合、県警の対応は後手に回らざるを得ないだろうことは、心のどこかに置いておいた方がいい。(おお、なんて自分は親切なんだ)
その他に北済氏の事績といえば、人事院に名古屋市長河村たかしの私的な文書を持っていったことぐらいだろうか。
http://d.hatena.ne.jp/ichi-nagoyajin/20150305
これが公務なのか政務なのか、私的な行動なのか、特別秘書として公的な行動なのか、そもそもそれらをどのように釈明すればいいか、北済自身理論構築できなかったようだ。
田中克和(かつよし)さん、安心したまえ。この程度の人物で十分通用したのが「名古屋市長特別秘書」だ。
しかし、河村たかしの周辺からはどんどんどんどんどんどんどんどんヒトが消えていく。
そしてそういった人々の中で、成功したり河村たかしと付き合って良かったというような話を聞かない。
まあ、もっとも、河村たかしに近づいて、失望した者の話をたくさん聞いている私なので、そうした印象を持つのかもしれないが、それにしても見事なまでの実情だ。
プロ野球などでけがをした選手を再生させるのに長けた指導者がいて「○○再生工場」などと譬えられたりするが、そうした伝でいえば、河村たかしや減税日本は「スクラップ工場」と呼ぶのが相応しいのかもしれない。(家業そのものだというツッコミは要らない)
河村たかしが自らの政治塾で語った言葉は「人生行き詰ったら、選挙に出ろ。当選すれば一発逆転」というような言葉だった。
こんな公職やそれを選ぶ有権者を侮辱した言葉もない。
しかし、こんな言葉を口にしても有権者の一部は無責任にもそうした人物を選ぶ。選んだ結果、その市長がなんらまともな施策を打たず、困惑するのが自分自身でも気が付かない。豊かで、お人よしでやさしいのが、この美しい日本の国民性なのだろう。
河村たかしは国会議員時代、議員年金や議員宿舎という議員特権を批判していた。
国会答弁で「議員年金は募金し受け取らない」と明言している、すでに年金受給可能年齢となって、その全額を募金可能な状態になっているが、この約束は果たされていない。「議員は税金で食って極楽」と批判していたが、私から見ると、市長という立場こそ「税金で食って極楽」と言えるだろう。「何を言っている、河村さんは立派な人だ、市長給与を800万円でやっている」というお人好しが居るが、何を見ているのだろうか?
名古屋市長には公的な秘書業務を行う市長室がある。
そもそも2万5千人の名古屋市全職員は法的には首長である市長の補助員だ。
有能な市長という者は、こうした2万5千人を自らの手足として、市民、住民の為に働く。
そこになぜ「特別秘書」が要るのだろうか?
そもそもその人件費はどこから出ているのだろう。
河村商事か?河村たかしのポケットマネーか?
河村たかしは、市長給与を800万円に減額したと騒いでいるが、その代わりに雇い入れたこうした特別秘書や民間からの課長級職員については語らない。更に言わせてもらえば、名古屋市内で行われている、学区連協などによる古紙回収。あの古紙回収には名古屋市から助成金が出されているが、その同等の金額は回収業者にも提供されている。そうした豊富な助成金で、立派な処分工場や、特殊作業車が走りまわっている。こうした事柄自体が「既得権」なんじゃないのか?
そんなに市民の税金を使う事を厭うなら、河村商事が受け取るこうした助成金について返還したらどうか?
話が大幅に脇道にそれたが。
「人生行き詰ったら、選挙に出ろ。当選すれば一発逆転」
すごい言葉だ。こうした「一発逆転」にひかれて、織田信長が清州城から桶狭間に向かった道を「人生逆転街道」と名付けているそうな。
なんとも郷土の英雄もバカにされたものだ。
もし、河村たかしが当時いて、織田信長のように清州城を出発し、桶狭間に向かおうとしたならば、それにつき従う軍勢は一人抜け二人抜け、熱田神宮に着くころには半分以下に減っているだろう。そして、自分自身も熱田神宮の近くで酒でも飲んで「ヤケクソですわ」などと言い、「だ〜れもついてこん」と周辺の人間に責任転嫁するだろう。
織田信長が織田信長であれたのは、あの出陣の前に十分な準備を整えたからであり、そうした意味で「逆転」ではなかった。
強大な北条今川を撃つには、あのタイミングしかなかったのであり、それでも北条今川*1を撃ちきる事はできていない。
明白で適切な戦略目標、そして戦略目標に適合した日々の着実な研鑽。
更に時期を読むための情報収集と、迅速な判断。
その判断を信じうる自信と、部下の信頼。
「人生行き詰ったら、選挙に出ろ。当選すれば一発逆転」
などといういい加減で無責任な考えで成立したのではない。
(とはいえ、戦争などという暴力行為は確かに不条理で非論理的な要因も多い。
そうした不条理性に自らの生死すら賭けられる信念も必要だが、果たしてそれすら、河村たかしにチリほども有るだろうか?)
ある機会に「なぜ、河村たかしの周辺に居る者が、河村のそばを離れると落魄するのか」と問われた。
簡単だ。
「人生行き詰ったら、選挙に出ろ。当選すれば一発逆転」
こんな言葉にしっぽを振って近寄っていくような人間が成功できるわけがない。
行き詰ったなら、自らを省み、何が悪かったのかを反省し、自身に残っているリソースは何なのか、そういった事柄を考えて再度地道な努力を積み重ねていく。そうした中で起業であるとか、あるいは公職に立候補という選択肢もあるだろう。しかし、そうした事全ては、自身を頼むのでなければならない。
河村たかしのように、あるときには小沢一郎、あるときには石原慎太郎、橋下徹、はたまた小池百合子。
ヒト頼み、風頼み、運任せに「一発逆転」を狙うような者は、最後に残ったコインで馬券を買うような者だ。
二世経営者であり、公共事業の助成金で儲かっている河村商事の御曹司だった河村たかしであれば、そんなバカな選択でも生きては来れた。しかし、そうした恵まれた環境でもない者が、そんなバカな真似を見習って成功できるわけがない。
ま、なにはともあれ田中克和(かつよし)君、がんばってくれたまえ。
あ、一つだけ言い忘れたが、あまり悪所には近寄らぬ事だ。
怖くてうるさいバカが、カメラを片手に君を監視しているかもしれないのだから。
追記:
情報提供をいただいた。
田中かつよし(克和)|愛知県一宮市 田中かつよし(克和)公式ウェブサイト | 一番の街 一宮へ
あんのじょう、インチキ政治家のおまじない
「子どもにツケをまわさない」がでかでかと掲載されている。
財政均衡論が、現在の日本において如何に誤りであるかは
2015-02-15 ピケティ「21世紀の資本」からみた財政均衡論の正誤
2014-05-21 証明とは
をご参照ください。
*1:間違っていると指摘を受けた。ボケてました。指摘に感謝します。