市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

一人の名古屋市民が「地域委員会制度」「減税日本」に対する疑問をまとめるサイトです。(since 2011/3/3)

「よもや河村市長」(ラフ・第一版)

河村市長は納税者の為の政治を掲げている。
名古屋市民の納めた税金は無駄にしないとの表明だろう。

しかし、西部医療センター/陽子線ガン治療施設の開設に伴い、
政治的判断としてその建設を停止した。

(なんだか、東京の小池都知事築地市場の移転を止めたり、
東京オリンピックの開催場所を替えようとしている事も連想してしまう)

この建設停止に伴い、施工業者は工事遅延の損害を被った。
施工業者には、この遅延損害を負担する義務はない。

ちょうど今、河村市長は名古屋城木造復元に伴って、
優秀交渉権者が木材を確保しているという事情に配慮して、
「民間企業の負担に配慮しなければならない」と声高に訴えている。

陽子線ガン治療施設の建設停止に際しては、
議会から、施工業者の負担に配慮して、早く工事を再開すべきと指摘を受けていた。
この名古屋城木造復元工事に対する優秀交渉権者に対する配慮を、
当時の陽子線ガン治療施設施工業者に向けていれば良かったのだろう。

後悔先に立たず。

結果として、この建設遅延による損害は約4億円に上り、
施工業者は名古屋市と折衝に入った。

この折衝(ADR:裁判外紛争解決手続)の結果、
損害額は1億5千万円に減額され、
名古屋市が業者に賠償を支払って、この問題は終結するかに見えた。

しかし、ここで河村市長はこの決定を飲まなかった。
結果として、業者は本訴を起こし、
その請求額は約4億円に上った

(請求額自体は4億円を切るが、遅延損害金(利子)を含めると4億円を超えるといわれている)

ADRによる決定を飲んで1億5千万の賠償を飲まなければ
名古屋市はそれ以上の賠償を支払わなければならないだろう。
この賠償請求において、業者の請求には理があり、名古屋市は賠償責任から逃れられない。
そうであるならばADRによって示された金額は、
名古屋市にとって、つまり名古屋市民にとって被害を少なく抑える機会であった。


当時の岩城副市長は弁護士としてこうした観点から、
河村市長にADRの決定を受け入れるよう強く進言したと伝えられる。

しかし、河村市長はこれを受け入れなかった。


ここまでで河村市長は3つの誤りを起こしている。

1つめは、「ストップ・アンド・シンキング」と謳い、
マニフェストに「名古屋4大プロジェクトは、一旦立ち止まって、実施時期や規模を再検討する」
と主張した結果がこの事態だ。
(ここで掲げられた4大プロジェクトの一つがこの西部医療センター/陽子線ガン治療施設の開設だった)

ここで有権者に「一旦立ち止ま」るに際して、コストが発生するという説明をしていない。
一旦立ち止まることにどれほどの費用負担が必要なのか有権者/名古屋市民は説明を聞いていない。

もし、河村市長自身が立ち止まるにあたってコストを考慮していなかったのだとすれば、
市長に立候補するという者にはあるまじき配慮の無さであり、即座に職を辞すべき要件を得るほどの不注意だ。

もしも費用負担について自覚しているにもかかわらず、有権者/名古屋市民に説明もなく
「一旦立ち止ま」る事だけを訴えていたのだとすれば、情報公開を怠ったこととなる。
(同マニフェストには「徹底した情報公開」も明言されている)

2つめは、事業停止に際して当該業者と協議するなどして損害を発生させないような建設の停止をするか、
または、建設をしながら事業再評価をするなどの調整をしなかった事だ。

乱暴に建設を止めてみて、結果として停止の判断は誤りだったわけだ。
(現に、出来上がった陽子線ガン治療施設の紹介パンフレットに、
河村市長は笑顔の写真を添えて好意的な紹介文を掲載している)

結果として、建設停止の期間は全く無駄であり、その損害は当然のことながら一私企業が負担するべきものではない。

(こう言うと河村市長は多分「何も無駄ではありませんよ、おかげでキャンサーボードが云々」
というような話を始めるだろう。こうした反論に対する再反論は非常に簡単だ。
「市長、市長の言われたような事は、工事を中断しなければできなかったような事ですか?」だ)

今回、名古屋市が当該業者から求められている損害賠償は、名古屋市民に説明もなく、
必須でもなかった工事停止を、市長として乱暴に決定した結果生じた損害への賠償である。

そして、3つめの誤りがADRの決定を受け入れず、請求額を増大させた判断だ。
そもそも、ADRを受け入れないのであれば、河村市長が現在、主張するように
名古屋市に業者に対して支払う義務が無い」と判断するのであれば、ADRを進めた理由もわからない。

しかし、実際は名古屋市には当該業者に対して損害賠償を支払う義務があるのは明白である。
(そもそも、当初の契約書に、こうした場合の賠償義務について予め明記してあるのだから逃れようがない)
副市長であった岩城弁護士の進言を退けてまで、ADRを拒否し、本訴に突入した河村市長の判断は、
名古屋市の、つまりは名古屋市民の賠償義務を1億5千万円から4億円に拡大させただけだ。

つまり、名古屋市民に説明もなく、必須でもなかった工事停止を、
市長として乱暴に決定し、結果生じた損害について、
協議による減額を受けいれずに拡大させてしまったのである。

さて、この文書で最初に指摘したように、
河村市長は納税者の為の政治を標榜している、

名古屋市民の納めた税金は一円も無駄にしないと広言している。

で、あるならば、以上のような自身の判断ミスによる損害が確定した段階で、
その損害はご自分で負担されるべきであろう。

いくら、マニフェストに掲載し、市民が選択したといっても、
市民が選択したのは「4大プロジェクトの停止」であって、
そこにコストが発生する事は説明されていない。

市民に責任は無い。

河村市長は、自らの失政で名古屋市に損害を生じさせた場合に、
それを名古屋市民に付け回すような事はしない、できないはずだ。

そうでなければ日頃の発言との整合性がとれない。

行動と異なる事を口にすれば虚偽である。

発言と異なることを行い、他者に損失を負わせ(自ら利を得、または損失を逃れ)る行為は詐欺である。

伝統と文化の重みのある名古屋市長たるもの、
発言と行動に齟齬を来し、
嘘をついたり、詐欺を働くような事は考えられない。

河村市長は、この損失が確定した段階で、
自らそれを負担し、その為に*1市長を辞するべきである。

よもや河村市長、発言を翻し、名古屋市民に自らの「つけ」を付け回すような事はあるまいな。



「よもや河村市長」(第一版)

河村市長は納税者の為の政治を掲げている。
名古屋市民の納めた税金は、
無駄にしないとの表明だろうと理解する。

しかし、
西部医療センターの建設に伴う政治的判断と、
その遅延の為、

名古屋市は約4億円の損害賠償を
建設業者より求められている。

この4億円はもとより名古屋市民の税金である。

河村市長は、よもや自らの政治的失策による
この4億円の損害を

納税者である名古屋市民に付け回すようなことはしまいな。

賠償が確定した段階で
その損失を自ら被るべきである。

そうでなければ
日頃の発言と整合性がとれない。

行動と異なる事を口にすることは虚偽となる。
発言と異なる事を行い、他者に損失を負わせる行為は詐欺である。

伝統と文化の重みのある名古屋市の市長が
名古屋市民に対して、嘘や詐欺を働くなど考えられない。

河村市長は
この賠償が確定した段階で
その損失を自ら被るべきである。


*1:市長は名古屋市に寄付行為は行えないため