市民のための名古屋市会を! Ver.3.0

一人の名古屋市民が「地域委員会制度」「減税日本」に対する疑問をまとめるサイトです。(since 2011/3/3)

問責決議陳情書&運動&プラスアルファ

 6月議会を前に、6月10日、元名古屋市会副議長でもあった竹内隆史氏が、名古屋市議会に陳情書を提出された。
 竹内隆史氏は、副議長を務められた東区選出の元市議というだけでは無い。

 河村隆男氏が、県会議員に立候補するにあたって、「市議もたかし、県議もたかし」とアピールする為に、選挙管理委員会に「河村たかし」と通名を提出するに至る、その「たかし市議」こそ、この竹内隆史氏なのである。

 そういう意味では名付け親(godfather)ともいえる。

 別に竹内氏自身が指示したわけではないので、今ではこのエピソードは迷惑なモノなのでしょうが。

 (参考: 2014-04-02 河村たかし名古屋市長は尾張藩書物奉行の末裔か?

 陳情書の内容は次のようなものである。(イメージはクリックされれば拡大します、本文は本日の記事の末尾に掲載いたします)

 陳情者は4日程度の準備期間で360名を越えたそうだ。また、その陳情者には錚々たる顔ぶれが並ぶ。

 この陳情を受けて、6月議会で河村市長に対する問責決議が成立するか否かは判らない。

 しかし、少なからぬ名古屋市民が河村市政の異常性に気が付き、危機感を抱いているのは間違いがないだろう。

 ちょっと、後ろから遡って見る。

 4の任期に関しては平成25年4月23日の毎日新聞記載の記事を根拠とされているようだ。

 3に関してはこまごました事も含めるととても書ききれたものではない。
 「3大公約」と呼ばれた地域委員会、減税10%、議員報酬にしても、残っているのは減税5%だけで、地域委員会など話題にも上らない。中京都構想や尾張名古屋共和国、SLや鳥久の問題。どれもこれも滅茶苦茶な話ばかりだ。

 そして、2の日立問題。これについては6月8日に中日新聞が踏み込んだ報道をしている。つまり「市長負担に発展も」と、市長個人に対する責任追及にも言及している。

 陳情書ではこうした事情についての情報開示や、説明を果たすよう求めている。
 当たり前だ。名古屋市のHPをいくらひっくり返しても、この問題についての説明は何もない。
 事は裁判なので、今の段階ですべての情報を開示せよとは言わない。それでもこうした報道もされているのであれば、市民に事情の説明はすべきだろう。断片的な市長会見のコメントだけが残っているだけだ。名古屋市は市長記者会見で応えれば、市民に対する説明責任が果たされたとでも思っているのだろうか。
 名古屋市が3億8千万円払うということは、名古屋市民がそれを負担するという事に他ならない。名古屋市民はなぜ、日立にこのような多額のお金を払わなければならないのか。一言も説明がないというのはあまりに無責任だろう。

 そして、1番目は名古屋城問題である。特に、2万人アンケートを受けて、市民の支持が最も低かった「2020年7月までの木造化」について、このアンケート結果=民意を無視した形で6月議会に予算が計上される。こうした市民の意見を無視した河村市政について厳しく批判が為されている。

 日立問題について市民に説明する姿勢を見せず、アンケートによって示された民意を無視する河村市長には、名古屋市民の為の市政を進めようなどという姿勢は見られない。

 いや、よくよく思い返してみれば、河村市長が名古屋市民の民意など聞いた試しは無いのである。河村市長は自身の主張を名古屋市民に押し付け、マスコミがそれを煽り、それを利用してきただけだ。

 地域委員会にしても、減税政策にしても、河村市長はまともに議論に応えたことは無い。議員報酬にしてもなぜ半減なのか、その理由すら明確に答えてはいない。論理的な議論も生煮えのまま、付和雷同のような「民意」で反対意見を圧殺してきたのが地域委員会の実施であり、減税政策の実現、議員報酬の半減、議会リコールだ。

 市会議員の報酬半減が、減税政策が、地域委員会が名古屋市民に何らかの利益になったのだろうか?そんな政策は持続可能性を持っていただろうか。

 今となっては明白だろう。

 満足な議論を進めなかった末の、単なる失政である。


 さて、問責決議の陳情は、6月議会でどのように取り上げられるのか。
 それは議会側の判断だ。

 しかし、この動きは始まったばかりである。

 ここから、二つの動きが起動するようだ。

 一つは、日立問題に伴う名古屋市の損害、名古屋市民の損害に対して、その事実関係を究明し、責任者に対してしかるべき責任を負うように求める、市民の動きである。

 これは、まずは裁判の経緯を見守り、名古屋市名古屋市民の実損が確定するのを待たなければならないのだろうが、それまでにも事実関係に対する主権者としての当然の説明を求める動きにつながるだろう。
 また、議会も百条委員会を設置するなど、その事実関係を明らかにしないとするならば、責めを負う可能性もある。

 いま一つは名古屋城問題に対する運動である。
 2万人アンケートで示された民意は「よしんば、木造化をするにしても2020年7月などという期限にこだわらない」というものである。

 元名古屋城整備事務所の山口氏は、「今回のアンケートは失敗だった。『木造化するのであれば、2020年7月までにしますか、しませんか』と2択で聞くべきだった。」とおっしゃっていますが。そういった視点から見れば2020年7月までに木造化するなどという意見は民意ではない。

 しかし、このまま放置しておけば今年の冬にでも名古屋城天守閣は閉鎖されてしまうのである。

 こうした動きに反発を感じる市民は多いだろう。

 「私にとっては、今の、鉄筋コンクリート名古屋城が、名古屋城なんです」と言う人も多い。


 こうした声を糾合して、「名古屋城天守閣木造化計画に反対する市民の会」または「市民の浄財で建てた現天守閣を守る会」とでもいった運動が起こりそうでもある。



 ・・・さて、ここからは河村市長、及び減税日本の関係者には読んでほしくない。

 私は、この陳情書を読んでいて、1と2の問題に密接な関連があることに気が付いた。
 (それといわゆる「国立判例裁判所 | 裁判例情報:検索結果詳細画面  )


今議会に名古屋城天守閣木造化工事についての基本設計、実施設計の予算が計上されている。(その他、整備も含めて総額で約10億円)

この基本設計、実施設計は「2020年7月までに竣工可能」とした、「優秀提案者」である竹中工務店に支出されるものだ。

しかし、「2020年7月までに竣工可能」とする優秀提案の内容、スケジュールは次のようなものとなっている。(図は、「名古屋城天守閣の整備 2万人アンケート説明資料」より)

この中で、「文化庁 文化審議会」及び「文化庁 復元検討委員会」のスケジュールがおかしい。設計自体が平成29年10月まで食い込んでいるにも関わらず、設計期間中に両委員会は整備計画を了承する事になっている。

文化庁の承認がない段階では、現天守閣の解体はできない。「鍬一つ入れることはできない」そうだ。

また、現在工事が続いている本丸御殿の事例を見ると、計画から十年以上練ってきた設計でも、文化庁の承認を得るまで足掛け3年がかかっている。ここにあるようにほぼ一か月程度で文化審議会が「全体計画の許可」を出すなどとは考えられない。

さて、以上のような理由から、2020年7月に竣工させるということは常識的には不可能、このスケジュールにはあまりに無理があり、信じるに足る蓋然性が無い。

と、するならば「2020年7月までに竣工させる」という条件で採用された竹中案には実現性が無い事となる。

名古屋市民の民意も、そのような拙速な整備、工事は望んでいない。

であれば「2020年7月までに竣工させる」という条件は撤回し、期限にこだわらない復元計画を、広く募集すべきだろう。
それが事業者に対して公平でもあり、市民の民意にも応える道となる。

しかし

そうした常識的な判断を行わず。

遮二無二竹中案にこだわって、今、基本設計や実施設計の費用を支出し、
その挙句、「2020年7月までに竣工させる」とした条件が満たせなかった場合。

この基本設計や実施設計の費用は全く無駄な支出となってしまうのではないだろうか。

この基本設計、実施設計の支出は「文化庁をたった一か月で説得してみせるだけの強い根拠」が今の段階で明確に示されない限り、あまりに無謀な支出という事になるのではないだろうか。

名古屋市はこの無謀な支出を6月議会に提案している事になる。

・・・つまり、現段階で。名古屋市が「文化庁をたった一か月で説得してみせるだけの強い根拠」を示せないのであれば、この支出は不当なものとなる。

住民の代表から支払いの責任について、必要な手続きが取られる可能性もあるだろう。


(ニコリ)



河村たかし名古屋市長の市政運営に対して、市長としての資質及び政治的責任を問い、良識ある名古屋市会として問責決議等の措置を講ずることを求める陳情書

(陳情事項)

河村市長の言動と市政運営には以下の理由に示すように問題が余りにも多い。このような在り方を放置することは、伝統と文化を誇る名古屋市の長として相応しいものではない。ここに、名古屋市会は良識ある市民の代表として、問責決議等の具体的行動を取られることを求めるものである。

(陳情の理由)

1.名古屋城問題
今般、河村市長は名古屋城天守閣木造復元化計画に対して広く民意を問うものとして、巨額の血税を投入し2万人市民アンケートを実施した。この結果からも明らかなように、市長の提案は市民によって明確に否定された。しかるに市長は名古屋市会6月定例会に建設推進の予算案を提案している。こうした市政運営は市民の民意を全く無視するものであり到底容認できない。

2.日立問題
現在、名古屋市は株式会社日立製作所から約3.8億円余の増加費用請求訴訟を起こされていると報道されている。このことこそが不祥事であり極めて大問題である。名古屋市は如何なる理由から、日立に対してかような多額の損害を与えてしまったのか、また、ADR(裁判外紛争解決手続)でその損害賠償に対して約1億5千万円の和解案が提案されたが、市長はこれを拒否したとも仄聞している。この問題に対して市長をはじめ名古屋市は市民に対し十分な説明責任を果たしていない、その姿勢は誠に不適切である。河村市長の政治的責任を問うものである。

3.その他の事項
3大公約の柱、地域委員会の自然消滅、金持ち優遇の市民税5%減税の実施、一向に姿の見えない中京都構想や実体不明の尾張名古屋共和国構想、私的財産への不当介入である鳥久問題、SL構想の頓挫、先般の副市長解任騒動等々、単なる思い付きや人気取りのみに終始した失政の数々は断じて看過できないものである。

4.市長の任期問題
河村市長は、新聞紙上において、普通は市長を務めるのは2期まで。3期、4期となると悪くなっていくと述べている。政治家の言葉は重い。来年4月に河村氏は任期満了を迎える。この点に関して出処進退を明確にするように、その真意を是非とも問いただして頂きたい。
以上の趣旨及び理由を市会議員の皆様に是非ともご理解いただき、賢明なる判断を仰ぎ、私たちの切なる願いを実現してくださいますように陳情申し上げます。

平成28年6月  日
陳情者代表
住所
氏名 竹内 隆史
 (以下、陳情者 366名)

名古屋市
議長 加 藤 一 登 殿