この週末、名古屋市政を考えさせられるシーンに4つほど出会いましたのでご報告をさせていただきます。
1.「名古屋の旧町名の復活を目指す有志の会」会合
(4月23日 午後6時 場所:料亭「つたも」 会費:6000円)
テーマ「「名古屋城 天守閣 木造再建の意義と課題」
講師: 広島大学大学院教授 三浦正幸氏
http://www.fukkatu-nagoya.com/
http://home.hiroshima-u.ac.jp/miurayu/main.html
三浦正幸教授は城郭研究の第一人者だそうで、確かにしっかりとしたご報告でした。
また、名古屋出身とのことで、そういった意味でも、今回の名古屋城木造化再建には大変興味を持っていらっしゃるようです。
木造建築について、日本は世界でも有数の優れた技術を持っており、さらに歴史的に見ると、江戸期にその技術はピークを迎えているそうです。名古屋城天守閣はまさにそうした技術のピークに建てられた木造建築であり、歴史的、世界的に見ても最高の傑作であるとの事。
http://home.hiroshima-u.ac.jp/miurayu/castle.html
大阪城や安土城が歴史上でも有名な巨大建築だと思っていましたが、確かにこうして見てみると、再認識させられます。
しかし、三浦先生は河村市長のプラン、2020年7月、オリンピックまでに名古屋城を木造化再建するというプランには懐疑的のようです。河村市長が常々掲げられる「名古屋城実測図」について、内部構造について記載されていないこと。また、数々矛盾もあるそうで、その精査に1年以上かかるのではと話されていました。
この「名古屋の旧町名の復活を目指す有志の会」というのは、河村市長がまだ政治家になる前からお付き合いのあった、名古屋市内の経営者やその後継者の集まりであるようです。
会合内で河村市長がマイクを持って話すという機会は少々しかありませんでした。
その際「河村さん、また愚痴を言って」というようなヤジが飛んでいましたので、この会合で度々愚痴を言っているのでしょう。
動画も撮っていましたが、気づかれると「お、ああやってカメラで撮っているから危ない」と河村市長に指摘され、参加者から撮影を止めるように言われてしまいました。主催者に特段取材許可も求めておりませんでしたので、動画コンテンツの掲載は止めておきます。(あまり、発言に意味もないし)
また、この会合について特に論評もありません。
ただ、確かにこうした会合にしては会費6000円というのは高いという認識を持ちます。しかし、様々な会には会の方針もあるのでしょうし、おいしい料亭の料理も食べられたことから、この料金は適正なのだろうと思います。
料亭の料理というのは、当然原価と販売価格の差は大きなものでしょう。
しかし、食材の原価だけで料理の価格を評価するのは異常な行為でしょう。
その食材を調理する技術や信頼性、さらにそれらを給仕する環境や教育、そうしたすべての付加価値が価格に反映されるべきでしょう。これは議員報酬の議論にも参考になるのではないでしょうか。
2.大村光子市議、市政報告会
(4月23日 午後2時 場所:御器所コミュニティセンター 参加費:無料)
入り口で止められました。
なんでも某F女子(元市会議員候補)は入場を断られたようです。
交渉の結果、なんとか参加は認められました。
当初、事前予約が要るとの事でしたが、空席もありましたし、参加者に聞くとそんな予約もしていないとの事でした。まあ、警戒される気持ちも判りますが、別に私はことさら攻撃をしようと思っている訳ではありませんよ。
内容は河村市長の話、河村市長の奥さんである河村名帆子さんの話、次いで大村市議(減税日本団長)の話と続く。
河村市長の話は名古屋城木造化でも議員報酬でもなく、児童虐待対策。
今朝の中日新聞によると、直前の21日に小学校のケースワーカーやソーシャルケースワーカーを集めて河村市長の講演を行っているようですね。その話をしていましたが、内容に乏しく、聞いている方々の反応もどうだったんでしょうか。
30分ほどで市長は退席しました。
名古屋城の話題を出さなかったのは、やはり熊本の震災を意識しての事でしょう。
続いて奥さんが「反原発」をテーマに話を始めました。
まあ、内容としてはネット上に転がっているような「反原発論」で。
特に化石燃料はふんだんにある、シェールガスもどんどん取り出せるというような話をしていました。シェールガスについての環境問題や、そもそも採掘事業が壁にぶつかっているというような情報は届いていないようです。
今まで河村市長の奥さん、名帆子さんについては「公人の家族」とはいえ、私人なので論評は控えておりましたが、こうやって市民に対して政治的呼びかけを行い、政治的なオピニオンを行われるのであれば、その批評は公益性が認められるでしょう。機会があれば批評させていただくかもしれません。
続いて大村市議。議員報酬と名古屋城について話を始めました。
名古屋城についてはやはり熊本の震災を受けてという懐疑的な話もありましたが、アンケート(2万人アンケート)に向けて、推進の立場で話をしていました。
また、議員報酬については半減条例の際の総務環境委員会の委員長という立場があったことから、特に思い入れが強いとの事でした。
(大村市議も語られていた平成23年4月25日、深夜0時の裁定は「真・庶民革命」でも少し描かれています。
真・庶民革命(1)革命の鳴動
真・庶民革命(2)幹事長、辞表提出!
真・庶民革命(3)議会は酷薄な戦場
真・庶民革命(4)5分間の休憩
真・庶民革命(5)3号議案取下げ
真・庶民革命(6)党議拘束
真・庶民革命(7)代表の真意 )
ただ、だからこそ、本当は報酬半減を止めて、正常化すべきとした方がスタンスははっきりするのではないのかという気がしました。
確かに、減税日本の議員(というよりも、既存政党に属さない、第三極の候補者)は河村市長の庇護が無ければ議席を確保できない。しかし、その為に言いたいことを抑え込んでいると、自身の中に矛盾を抱え込むことになる。そんな気がしました。
3.「第11回市民団体による議会報告会」
(4月22日 午後6時30分から 場所:名東区生涯学習センター 参加費:無料)
パネラーは、さいとう愛子市議(共産党)、丹羽ひろし市議(自民)、ひび健太郎市議(民進)、それに舟橋元市議、高針台九条の会代表の原哲朗さん。
さいとう愛子市議は共産党の立場から、議員報酬の適正化(引上げ)に反対、議員定数を削減したことについても批判をされていました。
丹羽ひろし市議(自民)、ひび健太郎市議(民進)のお二人は、800万円時代にご自身が受け取っていた報酬の額や、活動費の内訳を詳細に報告されて、800万円ではたちゆかない状況をお話しされていました。
また、この報酬半減条例を実現させた舟橋元市議も、ご自身の体験から議員報酬800万円の非現実性をご説明されていました。
原哲朗さんは、やはり市民運動を行ってみえる立場から、今回の市議報酬の適正化(引上げ)について、市民に説明不足であることや、引上げ額が大きいことなど、当初は問題であると主張されていましたが、丹羽、ひび両議員や舟橋元市議の詳細な議員報酬の内訳の話、政務活動費の使い方の問題等を説明され、後半では報酬の引き上げの適正さについてはご理解されたようです。(議会の説明不足は指摘されていました)
また、会の後、ひび市議は「議員報酬について、厳しい批判を受けるだろう。袋叩きにされるかもしれないと思って、覚悟して参加しました」と話しておられたそうです。
会場には報酬引き上げに反対している共産党の支持者も多く参加していらしたので、そうした批判もありましたが、やはり実情を丹念に説明される中で、市議報酬800万円の無理をご理解いただいたのではないかと感じます。
緊張感のある中で、事実に即して議論が運び、非常に有意義な会であったと思いました。
[配布資料]
アンケート集計(PDF)
真・庶民革命(PDF)
また、5月には、「名古屋城天守閣の木造復元を考える」と題して、「市民討論集会」を開催するようです。
日時は5月27日(金曜日)午後6時30分〜8時30分
場所は名東区役所講堂
ぜひ皆さまもご参加ください。
4.「市民の会なごや街頭募金」
(4月23日 午後5時ごろ 場所:栄 三越前)
名古屋市議会リコール運動を行おうとしている「市民の会なごや」が栄、三越前で熊本震災に向けての募金を集めていたようだ。(ごらんのように、募金は集めているが、どのような性質のものであるか判然としないので、本当に熊本震災に向けての募金なのかは不明だ。某所で「震災支援活動のための募金」といって、「支援活動」を行う自分たちの活動費を集めていた集団も居たが、まさかね)
別に、誰が募金を集めようとかまわないが、「市民の会なごや」という集団は、議会解散を求めるために結成された集団であるはずだ。それならば明白に政治目的をもった団体であるだろう。そうした団体が、会の名前の入ったジャンパーを着て募金活動を行う?
自分たちの政治的主張に自信があれば、それを訴えればよいだろうが、こうした「善意の行動」を見せて、それによって政治的支持も得ようというのであれば、その政治団体は最早敗北している。なぜなら主目的とする政治的主張に力が無い事を露呈しているのだから。
また、彼らの主張、受任者に対する説明には事実誤認が多い。
そうした事を議論しようと声をかけたところ、「いろいろ書くな、気分が悪い」と捨て台詞をはいて佐々木氏(共同代表?)は、募金収集活動を取りやめ、三越の店内に消えていった。
そうしたところ、別のメンバーが近づいてきて「お前は仕事でやっているんだろう。金を貰って色々書いているんだろう」とでかい声で怒鳴ってきた。
これが彼らの「事実誤認」だ。
憚りながら、私はこの活動で一銭も貰っていない。
逆に、調査費や資料代などはすべて持ち出しだ。(「つたも」の会費6000円も持ち出しなら、名東区の会合で配布した資料も半分は私の負担だ。あ!市政の会の立て替え払い、まだ清算忘れていた!)
また、自分たちの活動を「善意でやっている事なら良いだろう」とおっしゃる。
ご自分の行為は善意で善。それに反する行為は私利私欲で悪。と、何の根拠もなく思い込める。
幼稚で事実の裏付けもない妄想のような善悪二元論。
論評する価値もない。
ブログに記述されているようだ。(投書をいただきました、ありがとうございます)
私が訪れたので「募金活動」を早々に切り上げたそうだ。
リコール署名を収集する現場にも出かけましょうかね。そうすりゃ早々に撤収するのでしょ。
余談ですが、この会のブログ、「強行採決」が為されたと主張していますが、審議継続の主張がどこかからされていましたかね?
継続審議、議論を続けましょうという主張を無視して採決されることを「強行採決」というのですが、今回の議員報酬議論と議員定数の議論については、そのような審議継続の要望があったとは聞いていません。つまり、「強行採決」もしていない筈です。
多分、これは彼らが故意に 嘘を言っている訳ではないのでしょう。
知らないのです「強行採決」の語句の意味を。
こんないい加減な集団が、議会リコールといって名古屋市民の個人情報を収集している。すでに、受任者募集と言って名前や住所を収集している。私の知り合いも良く判らないまま名前と住所を書いたそうだ。大丈夫なのだろうか?
5.おまけ
(3月18日 場所:名古屋市会 総務環境委員会)
名古屋市会議員報酬の議論を語るのであれば、3月18日の総務環境委員会程度は一次資料として参照しておくべきだ。
http://www.gikai-tv.jp/dvl-nagoya/2.html
ここで浅井市議は「議員のボランティア化」 について、非常に混乱した主張をしている。そのやり取り、3分程度を切り出してみた。
まず、「ボランティア」と「公僕」「パブリック・サーバント」といったような美辞麗句を並びたてているだけで、いったい何を言いたいのかさっぱりわからない。
だいたい、こういった言い逃れのような議論が5年間続いたのが、減税日本の主張する議員報酬議論なのだ。打ち切りたくなるのが当然だろう、ここまで付き合った他会派の議員各位の我慢強さに敬意を表する。
ところが、今回、この部分を切り取って編集してみて気が付いたのだが、この浅井市議の発言に誰か拍手しているんだな。委員会を傍聴していた浅井市議の支持者なんだろうけど。拍手するようなご立派な発言なのだろうか?
さて、ここで浅井市議は「(自分は)ボランティア(議員)とはちょっと違う」と発言しています。
では、これは何ですか?
これは浅井市議が初当選の時に掲げた公報です。
明確に「市民の公僕としてボランティア議員を貫きます。」と書かれていますよね。
いつ、気が変わったんですか?