http://trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp/tba/index.php/b4/job/151-ishin-keikai.html
「政治家を志すっちゅうのは、権力欲、名誉欲の最高峰だよ。その後に、国民のため、お国のためがついてくる。自分の権力欲、名誉欲を達成する手段として、嫌々国民のため、お国のために奉仕しなければならないわけよ。....別に政治家を志す動機付けが権力欲、名誉欲でもいいじゃないか!....ウソをつけないヤツは政治家と弁護士になれないよ!嘘つきは政治家と弁護士のはじまりなのっ!」
http://trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp/tba/index.php/b4/job/151-ishin-keikai.html
橋下徹著 『まっとう勝負』より
リコール署名簿問題の検証
27日に会社社長なる人物がリコール署名簿を減税日本候補者など13人に渡した事を認め、荒川市議が実際に受取った事を認めたという毎日新聞の報道を受けて。
減税日本、並びに河村市長が「嘘」*1を付いていた事が明白になったと思う。
更に、予想通り、翌日の中日新聞朝刊にはこの署名簿流出の記事が一切載らなかった。
「嘘」以前に、河村市長の主張は無茶苦茶だ。
最近、産経ニュース[from Editor]として「チルドレンの末路は」というコラムが掲載された。http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120330/lcl12033007310000-n1.htm
政治経験が乏しいまま当選した議員たちの失敗例が、河村たかし名古屋市長率いる政治団体「減税日本」市議団だろう。昨年4月の統一地方選で第1会派に躍進したものの、団長に就任した唯一の前職議員が政務調査費の不透明な処理などを追及されて議員辞職。新人だけとなった議員団は、市議会の慣例だった議長職の1年交代を一時拒否した前議長の処遇をめぐって混乱し、1年足らずで分裂してしまった。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120330/lcl12033007310000-n1.htm
実際に、減税日本市議団の体たらくを見れば、河村市長が唱導していた「ボランティア議員」「議員は素人が兼業で充分」という言葉が実態にそぐわないことは明白であるし、その河村市長自身が「素人で充分」と思わなくなったのか、わざわざ政治塾を開いて素人を教育しようとしている。
しかし、過去の失敗や、論理の矛盾を自覚しないままでは、つまりは現実に立脚した政治を行おうという(ある意味、当たり前な)真摯な姿勢がないままでは、またぞろ空想的、妄想的な勘違いによる「ナゴヤ庶民連」的な混乱が市政に持ち込まれるだけであろう。
この空想、妄想を指摘せず、増長させているのが中日新聞であると断じる以外にない。
さて、では減税日本、河村市長の何が無茶苦茶か指摘していこう。
http://mainichi.jp/area/aichi/news/20120329ddlk23040234000c.html
この報道のコメントをチェックしていく。
−−署名簿の流出についてどう思っているのか。
◆大変申し訳ない。データのバックアップは知っていたが、違法ではない。ただデータを一部だけ使ったのは不公平になり、大変残念だ。誰かがネットに流したことで私たちも大変な被害を受けた。
流用が報じられた初期には「データのバックアップ」も否定されていた。これについては置くとしよう。
「データを一部だけ使ったのは不公平」というのも、非常に異様な発言だが、これも後に譲る。(以下で、同じ発言をしているので)
ここで確認したいことは「 誰かがネットに流したことで私たちも大変な被害を受けた」と述べている事だ。これを(F・1)と名付けておく。
−−支援者の1人がデータを市議候補13人に渡していた。
◆それは知らなかった。知っていたら一部だけに渡すのを止めた。(署名簿を選挙に)使うなら使う、使わないなら使わないと、徹底的に決めておけばよかった。
まず、これが異様なのは市議候補13人に渡した云々ではなくて、この13人の内、8人は現職として市議になっているわけだ。去年、市会本会議でも取上げられ、河村市長も調査を約束したにも関わらず、この報道が為されるまで、手元に署名簿がありながら、自分たち市議に署名簿が渡った事実を隠蔽していた。(L・1)
それとも、市長は市民に約束した調査をしなかった?(L・2)
どちらだろうか?
どちらにせよ、どちらかは「嘘」を言っている、または言っていた。
−−署名簿の選挙使用は問題ないか。
◆現行法規で決まっているのは「適正に使う」ということだけ。通販に使うのはいかんが。(選挙使用については)一連の流れの中でどうなのか、ここでは控えたい。
ふざけてもらっては困る。
現行法規で「適正に使う」などという事は決まっていない。
またはこの「適正に管理」することは求められている。この場合の「適正」の範囲は勿論、署名の目的を果たすために、選挙管理委員会の管理の下に置くだけだ。
(そもそも、この法律自体が昭和二十年代に制定されており、その頃は「コピー」などという概念はなかったのである)
すでに、河村市長は議会との議決訴訟で法論理の破綻を見せている。
ひょっとしたら、既に法論理を理解できない、何らかの理由があるのかもしれない。
−−署名簿を県議や国会議員に売ろうと打診した人がいたが、流出経路は。
◆どうやって入手したのか。机の上から(記録媒体を)持ってきたのか。そうだったら窃盗罪が成立するので、被害届を出したい。調査を苦しみながらやっている。
この発言を(F・2)としておく。
−−支援団体代表は市議選に使わないと言っていた。
◆選挙管理委員会のルールとしては政治活動で使っても問題ない。条文には「適正に使用すること」とある。そういうルールになっている。代表は「団体で決めたことではなく原則論を自分の感想として話した」と言っている。
条文には「適正に使用すること」などという条文はない(L・3)
ネットワーク河村市長の鈴木望代表が述べた言葉が「原則論を自分の感想として話した」事であっても、それ以外は「団体で決めたことではなく」署名簿を<預けた>市民は、<この言葉だけ>を聞いているのであるから、その他への使用は流用であり、目的外使用である。
今更、このような言葉で事実を糊塗する事を「嘘」とせずに許せるのだろうか?
これを(L・4)とおく。
−−署名者は選挙利用を想定していなかったのではないか。
◆市議の名簿を衆院議員が使うことはいくらでもある。全員ではないけど。政治目的以外に商売のツールに使うのは絶対にだめ。今回は非常に悩ましいところ。使う、使わないをはじめに決めておけばよかった。
この言葉がもっとも問題の本質を捉えている。
「今回は非常に悩ましいところ」という言葉の主語は誰だろうか?
−−一部の候補者に渡ったのがよくなかったのか。
◆候補者に渡ることは考えていなかった。結果として一部の人に渡ったことは不公平で残念だ。もし知っていたら絶対に止めた。
上でもあったように「一部の人に渡ったことは不公平で残念だ」としている。
なら、公平に全候補者に渡ったのであればよかったとでも言うのだろうか?
河村市長の異様な法解釈は「署名簿の権利主体」が誰であるか理解していない事にある。「署名簿の権利主体」はあくまでも署名をした市民である。
署名を集める事ができる受任者も、請求の法的責任者である請求代表者も、そして収集主体であった「ネットワーク河村市長」も、更に、実態的な責任者である河村市長自身も、この署名簿の「所有者」などではない。
あくまで、三十数万人から四十数万人*2もの市民が、彼等の唱導する「議会改革」を「本当の事*3」と思って、リコール署名簿に署名を「預けた」
意思を預けたのである。
あなたがたにくれてやった訳ではない。
もう一度言う、
河村たかし、ならびに、
リコール署名簿収集に携わった者たちよ。
君たちは、この署名者、市民から、
「願い」を付託され、
署名を預かったのである。
その署名を他に流用するということは、
その付託を裏切る行為に他ならない。
また、そもそも河村たかしが市長として、そして他の市議、県議がそれぞれの公職にあるのも、それぞれに投票した市民、県民の付託を実現化するためである。
君たちの「人生一発逆転*5」の為に、票を入れたのではない。
どうも、河村たかしも、その周辺者もこの当たり前の事を理解していない。
だから、口から出る言葉が「嘘」になってしまうのだろう。
次回(多分、明日)は山田市議のこの問題に対する過去の発言を検証してみたい。
そこには、彼等の新たな主張の「嘘」も明白になる。*6
そして、今日、私がした非常に興味深い経験もご紹介することにしよう。
「市民の付託」を理解できない市長は職を辞するべきであるし、
市議も県議も、このような嘘を有権者に語り続けるべきではない。
そして、このような事実を何時までも報じない中日新聞は「報道」の看板を下ろすべきだ。