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「新小牧市図書館建設アドバイザリー業務委託プロポーザル」は正当なものか?

 新しい小牧市図書館の問題をお話しするにあたり、最初から理屈っぽい話になりますがおつきあいをお願いしたいと思います。

 途中、似たような言葉が出てきますので文字に色を付けて違いが判りやすくしようと思います。

簡単な歴史の振り返り(経緯)

 小牧山のふもとに小牧市中央図書館が有ります。蔵書数は約23万冊
 統計資料 | 愛知県 小牧市立図書館
 設立は1985年、昭和53年 おおよそ30年が経ちました。

 平成20年(2008年)に「新図書館建設基本構想」(以下「基本構想」と言います)が策定されました。
 http://www.city.komaki.aichi.jp/gyoseikeikaku/kyouiku/003015.html

 建設費30億円をかけ、駅西A街区に建設される予定でした。

 平成21年(2009年)に「小牧市立図書館建設基本計画」(以下「基本計画」と言います)が策定されました。
 http://www.city.komaki.aichi.jp/gyoseikeikaku/kyouiku/003016.html


 平成22年(2010年)にラピオのテナントが撤退し、当時の中野市長は図書館を新設するのではなく、ラピオの中に図書館を移設する事を決断しました。
 この案では1600万円の補強工事で図書館が開設可能と発表されました。

 平成23年(2011年)市長が現在の山下市長となり、ラピオにテナント誘致など尽力され、図書館の移設計画は撤回される事となりました。



 平成26年 (2014年)4月26日 中日新聞紙上に山下市長は新図書館の構想を発表。
 内容は、駅西A街区に「武雄市モデル」の図書館を建設するというもの。

経緯の中で特に押さえておきたい事柄

 小牧市は新図書館建設計画について、丹念に市民の意見を取り入れ、市民の要望に沿った図書館を設置しようとしてきたという事を特に確認しておきたいと思います。


 平成18年(2006年)に「小牧市図書館意向調査」を行い「図書館に関するアンケート調査報告書」を作成。

 平成19年(2007年)7月に市民からの公募を含む「小牧市立図書館整備計画委員会」を設置して、上記のアンケート調査などを参考に7回の委員会審議を行い、

 平成20年(2008年)1月23日から2月22日まで「パブリックコメント」を実施。

 平成20年1月27日 小牧市中部公民館において「意見交換会」を開催。


 平成20年3月に「基本構想」を策定している。

 (その際「小牧市立図書館整備計画委員会」より「意見書」も提出されている)


 更に
 平成20年11月25日には市内の福祉関係団体(10団体)に意見を伺うヒアリングを開催。

 平成21年(2009年)1月から2月まで図書館業務を支援するボランティア団体「図書館サポーター」からも意見を聴収する。

 平成21年2月1日から3月2日までパブリックコメントを募り、

 平成21年2月8日 小牧市中部公民館において「意見交換会」を開催。


 これらの活動を踏まえて

 平成21年3月に「基本計画」を策定している。

 平成21年3月17日には「小牧市立図書館整備計画委員会」より「意見書」も提出されている。(提出先は小牧市教育委員会 教育長)



 「基本計画」(「小牧市立図書館建設基本計画」)を策定するにあたっては、以上のようなステップが踏まれていたのであり、幅広い市民の意見を取り入れようとする小牧市の姿勢が伺える。

さて、疑問

 この「基本計画」は平成21年(2009年)3月に市民の声を元に定められた。

 そして今年、平成26年 (2014年)4月26日 に山下現市長によって「武雄市モデル図書館」という構想が打ち出されたのですが、この5年間に図書館についての市民意見を聴収する機会が有ったのか?

  いいえ、そのような機会はありませんでした。

 平成21年(2009年)3月に策定された「基本計画」に、「武雄市モデル図書館」の建設が小牧市民の要望として盛り込まれていたか?


  いいえ、そのような要望はありません。

 (「武雄市モデル図書館」ができたのは平成25年(2013年)4月です。予言の能力でもなければそんな要望を「基本計画」に盛り込むことは不可能です)


 小牧市は図書館という施設の性質上、市民意見というのは一回伺えば、5年程度経過してもあまり市民の要望というものは変わらないと考えていたのではないのか?

 いいえ、そんなことはありません。

 それどころか、小牧市当局は「新小牧市立図書館建設設計業務プロポーザル実施要領 」に次のような文章を載せています。

基本計画策定から5年以上が経過し、図書館を取り巻く環境や時代のニーズは大きく変化している
したがって、新図書館の利便性の向上及び利用者の増加等を図るために、「基本計画」を踏まえながらも、別紙1「連携民間事業者からの提案」を参考に新図書館の設計を行う。

新小牧市立図書館建設設計業務プロポーザル実施要領

 ← イメージをクリックすると拡大表示可能な画面に移動します。
 小牧市当局は「基本計画」策定から5年以上が経過していることから、図書館を取り巻く環境や時代のニーズは大きく変化している。と認識している。

 更に、「連携民間事業者からの提案」を参考にもせよと言っている。


 しかし、市民の意見は?

 「時代のニーズ」は注意を払っても、「連携民間事業者からの提案」を参考にしても、肝心の利用者であり、本来の「所有者」でもある小牧市民の意向は聞かなくても良いのでしょうか?


 ここが、今回の「新小牧市図書館建設」の大きな問題であると思われます。

 この大きな歪みを生み出したのが「新小牧市図書館建設アドバイザリー業務委託プロポーザル」であると思われますが、これについては後日、詳しく述べさせていただきたいと思います。(平成26年10月25日)


追記(平成27年9月24日):詳述しました。密室の中で進む建設計画

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